【異世界転生者はチート能力』
『解らない解らない解らない解らない解らない!あなた達には欲望はないの?新しい世界では元の世界と同じように出来るのよ!なんならこの世界と同じ様にも!』
【……】
【元の世界なんて興味はない!この世界と同じならお前はいらない!】
ピリオドの全身から、数えきれないほどの閃光が放たれる。
だがリュウトは一歩も退かず、手にしたレイピアで次々と弾き飛ばした。
さらに魔眼を発動し、閃光の軌道を大きく逸らしていく。
『なら死になさい! あなた達は、最初から私に殺される運命だったのよ!全て終わりなさい!』
巨大な惑星も、小さな隕石も関係なく――。
すべてが群れを成し、勇者ふたりと地球へ襲いかかる。
【……させない!】
ヒロユキが魔眼を発動した瞬間、迫っていた星々が空間で止められる。
【う、ぐ……!】
『キャハハハハハ! 苦しいでしょ? それも当然! その力は魔眼__元は私の力!
この規模よ!星を止めてるなんて身体が弾け飛ぶほどの苦痛が襲うはずよ!早く楽になりなさい!』
【……うるさいッ!!!】
【俺たちは諦めない!】
リュウトが叫び、レイピアを突き立てピリオドの巨体に巨躯に大穴が穿たれる。
だが――。
ぐちゅり、と嫌な音を立てながら肉が蠢き、風穴は瞬く間に塞がっていく。
『鬱陶しいわね、神の武器! だけど無駄よ! 私は世界そのもの。所詮シナリオに組み込まれたあなた達じゃ――』
【そう。だから……“私が来た”!!!』
【……!】
【!】
ワープゲートを切り裂くように現れたのは、背中から黒く禍々しい翼をもったアオイだった。
某アニメを意識したかのようなセリフで登場し、その姿は天使というより堕天使。
『なっ……!?』
【あ、いや、流石に僕もびっくりだよ。こういう場合、普通は天使の羽とか清らかな感じでしょ? でも元々僕はラスボスだから__』
『っ……!』
アオイが話を始めたその瞬間、攻撃が一斉に彼女へ殺到する。
【今、話してるでしょうが!』
『な……!?』
すると、無限とも思える【糸』が編まれていく。
光の円を次々と作り出し、そこを通った攻撃はすべて跳ね返され――そのままピリオド自身へと突き返された。
【ヒロ!』
【!?】
【魔眼を解け!』
【解った】
何も聞かず言われたらすぐに魔眼を解いたヒロユキを見て流石のリュウトも目を丸くする。
【え!?い、いやいや!アオイ……さん?】
【?』
【そんな事をしたら星が!】
リュウトの言った通り、ヒロユキが止めていた他の星が一斉に滅びへの侵攻を始めた。
『キャハハハハハ♪トチ狂ったの?やっぱり私の分身ねぇ、今のアナタなら世界を作り出すことも簡単、考えることは同じって事よ!』
【え?普通に違うよ?』
『は?』
それだけ言ってリュウトを見る美少女。
【リュウト、安心して』
彼女がそう言った次の瞬間__
【!?】
地上に衝突するはずの隕石が次々と破壊されていくのだ!
『!?、まさか!』
【キャハッ♪神の目を通して地上をよく見るといいよ、お母様♡』





