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異世界転生したら女になっていました!  作者: しぇいく
最終章

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628/644

【起きなよ、勇者』

 

 満月の光が差し込む夜。

 静まり返った病室。


 「……」


 ベッドの上で、リュウトは深い眠りに落ちている。


 「……」


 【失礼しまーす』


 ふざけた声と共に、ドアがわずかに開く。

 ゆっくりと忍び込んできたのは__一人の美女。


 【これはぐっすり寝てますね〜……えい、えい』


 アオイは無邪気にリュウトの鼻をつまみ、髪を軽く引っ張ってみせる。

 だが、反応はない。


 「……」


 【さて、と……』


 周囲に誰もいないのに、アオイは小さく呟き、頬を赤らめた。


 【ほんとに……これやらないと、起きないのかな……』


 独り言はどこか震えている。

 そして、彼女は片手で自分の髪をかき上げ、決意するように目を閉じた。


 【……恨むぞ、リュウト』


 そう告げると__眠る彼の唇に、そっと自らの唇を重ねた。


 【……』


 女神の力。

 その一つに“相手が思い描く最高の女”に変わるという特異な能力がある。


 つまり、リュウトが抱く願望__「好きな人のキスで起きる」


 リュウトはアオイのキスで必ず起きるのだ______それが“死んでいた”としても……

 


 「……ん……ここは……」


 リュウトの瞼がゆっくりと開く。


 【やぁ……おはよう』


 「っ!? アオイさん!?」


 【その様子だと、全部思い出したみたいだね』


 「こ、ここは……?」


 【僕たちの元の世界……を“模倣した《ピリオド》の世界”』


 「ピリオドの……どうしてアオイさんがここに? それに何でその事を……俺は一体どうなった!? それに、あの世界は!」


 【そ、そんないっぺんに聞かれても困――らないけどね☆』


 「え……」


 【僕がここに居るのは、君が持っていた“伝説の勇者の眼球”に、僕の魂が封印されていたから。この世界は女神が作り出したもの――なら、僕も女神。具現化は可能だよ』


 「え、えーっと……」


 【リュウトくんは“ピリオド”に取り込まれ、魂を書き換えられていたんだ』


 「アオイ、さん……?」


 【ん?』


 「……何か、雰囲気が変わった?」


 【あぁ、今の僕は『私』であり【俺】でもある。……来るべき日が来たから、解放されたんだ』


 「来る日……?」


 【そのことに関して聞きたいのは……君だけじゃない』


 その瞬間――ギィ、と病室の扉が軋みを立てて開いた。


 「!?……春香?」


 【いや……彼女は、もう“知ってる彼女”じゃないよ』


 「……」


 アオイがそう告げた途端、春香の顔に奇怪な笑みが広がった。

 口の端が裂けるかのように持ち上がり、三日月のような弧を描く。


 「っ……!?」


 その笑みと同時に、モノクロの世界がじわじわと滲み、“色”が春香に流れ込んでいく。

 それは生気ではなく、禍々しい鮮血のような色。


 『……キャハッ☆ リュウトちゃん、久しぶり』


 「ピリオド……!」


 『……だけど、ごめんね。今は――』


 【……』


 アオイはニヤリと、艶やかな美女の笑みを浮かべる。


 『アナタに聞きたいわね――一体いつから“隠していた”の?』


 【そうだね……“【私】『私』”ってタイトルの所からかな?』


 『あの時……アナタは【神】に嫌われていたはずよ』


 【そう。少し不自然に聞こえたかもしれないけど……そうする“必要”があったんだ』








 【話をしよう、アレは今からウン年前__いや、君にとっては次の話からかもしれない』

 

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