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異世界転生したら女になっていました!  作者: しぇいく
第九章

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コンビネーション

 「撃て……」


 既に武器を構えていたオリバルの号令と共に、空を埋め尽くす銃火器が一斉に火を噴いた。


 「まだセリフの途中なのじゃーッ!」


 ルカは慌てて背中からクリスタルの翼を展開し、瞬時に球体へと組み上げて防御態勢を取る。


 無数の弾丸が雨あられと叩きつけられ、凄まじい火花と轟音が辺りを包んだ。


 「そう来るなら……これかな」


 ルコサの魔法陣が変化し、粘着性の高い液体がドロドロと滴り落ちてルカの羽に絡みつく。


 「ぬ!? 甘いのじゃ!」


 しかし――触れた瞬間。

 粘着液は弾けるように変質し、ポロポロと小さな宝石へと姿を変えて地面に散らばった。


 「なるほど。触れたものの『原子の書き換え』か……めんどくさい能力だな」


 オリバルは射撃を続けるが、決定打には至らない。


 近接を仕掛ける準備のできたクロエが声をかける。


 「どうすんよ、ルコさん」


 「そうだね……オリバが攻撃してる間は、守るしかなさそうだしぃ!?――っ!」


 次の瞬間。

 三人は反射的に跳び退いた。直後、彼らの立っていた場所を突き破って、鋭利なクリスタルの槍が突き出す。


 「……前言撤回。あの状態でも攻撃できるみたいだね」


 「チッ、だったらまずは――あのクソ硬ぇのをどうにかするしかねぇな!」


 「そういう事みたい。オリバ、まだ大丈夫?」


 「全然行ける……俺はこのまま撃ち続けてればいいか?」


 「うん。羽で攻撃を防いだってことは――結局、身体そのものは柔らかいのか……それとも、こっちの攻撃を警戒して“ヤバい”と判断して防御したんだろうね」


 「了解……」


 「ただ、隙が見えたら迷わず殺していい」


 「任せろ……」


 オリバルは【空歩】で一気に遠くへ跳び、姿を霞ませて弾幕を続ける。


 「さて、と――クロ」


 「あ?」


 「ちょっと試すから、見てて」


 「あいよ」


 ルコサは転移魔法で一気に上空へと舞い上がり、青白く光る一本のランスを呼び出した。


 「……とりあえず、コイツで」


 神気を帯びたランスを構えると、空気が震えた。


 「くらえッ!」


 ルコサが全力で投げ放った瞬間、ランスは回転しながら竜巻を巻き起こし、唸りを上げて突き進む。


 「――ッ!?」


 バリン! 鋭い破砕音と共に、ルカの片翼が貫かれた。


 「うん、やっぱり! “神の武器”は書き換えられない!」


 「でかした!」


 クロエが笑う。だが、オリバルの弾幕は止まず、ルカは片翼を残して必死にガードしつつ再生を試みる。


 その刹那――。


 防御する翼に相合傘のように入ってきた一人の女。


 「……よう。久しぶりだな、クリスタルドラゴン」


 「なっ――いつのまに!」


 ルカが反応するより早く、クロエの大鎌が横薙ぎに振り抜かれる。


 「くっ!」


 「ぬぬぬ……! なのじゃ!」


 ルカは意地で両手に【クリスタルブレード】を生成し、鎌を受け止める。


 「しぶてぇな! このクソ竜が……殺すぞ!」


 クロエが力任せに鎌を押し込む。


  「(これは……まずいのじゃ)」


 クロエの鎌を押さえ込みながら、ルカは残る翼で必死に弾丸の雨を防ぐ。

 再生した片翼も健在だが、至近距離に入り込んだクロエが邪魔で思うように動けない。


 さらに――


 「ちょちょい〜忘れちゃ困るんだよなぁ」


 「なのじゃ!?」


 転移してきたルコサの手には、青白く輝く日本刀が握られていた。


 「勇者の剣よりは劣るけど……これもまた“神の武器”」


 ルコサが刃を閃かせ、ルカの首を狙う――。


 「させぬのじゃッ! あむッ!!」


 ルカは咄嗟に口を大きく開き、その牙で日本刀の刃を噛み砕かんばかりに受け止めた。


 「う、うわぁ……まじ?」


 「ひははら! ほうふふはんほは!!」

 (貴様ら……もう許さんのじゃ!)


 直後、地面を突き破るようにクリスタルの槍が無数にせり上がる。

 ルコサとクロエは転移で回避し、距離を取った。


 「何やってんだルコ! しくじりやがって、殺すぞ!」


 「いやー……マジごめん」


 次々と突き出すクリスタルを避けながら飛び退く二人。


 だが――


 「鬱陶しいッ! 今度はこっちの番なのじゃ!!」


 

 圧倒的な魔力を解き放ちながら、ルカの反撃が始まる。


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