310
この夕闇城の城壁は三段備えだ。
最外郭の城壁の上は既に弓使いのプレイヤーで満載となっている。
魔物の様子を見たいので、第二の城壁の上から魔物の群れを観察してみたんだが。
魔物の群れは今までとまるで違う様相に変化している。
これまではガルムの群れが最も外側に位置してきていた。
それは合理性がある。
ガルムの機動性は高い。
それでいて魔人側にしてみたら戦力的に惜しくは無い戦力だと思われる。
何しろ数が多いからね。
だが、今は違う。
魔物の群れの一番外側にいるのはオブシディアンビースト。
攻撃力も確かにあるが、それ以上に守りに堅い魔物を前面に押し出している。
狙いは明らかだ。
魔物の群れの戦力を温存しつつ、キムクイ・スレイブを夕闇城にぶつける。
エリアポータル内部に通常の魔物は侵入出来ないが、キムクイ・スレイブなら侵入は可能だ。
読める。
エリアポータル内部にあの魔物の群れを侵入させたいのだろう。
『魔人、いますね』
「上空のレッサーグリフォンが邪魔だな」
『ですね。召喚モンスター達だけでどうにか出来る数じゃなさそうですし』
それに憂慮すべき状況も見える。
サモナー達はそう大きく消耗してはいない。
MPバーはマナポーションで全快近くまで回復しているプレイヤーばかりだ。
だが先刻まで激戦を繰り広げていたプレイヤーはそうではない。
聞けばマナポーションにも苦慮しているそうだが。
うむ。
使うべき、なんだろうな。
何を?
【英霊召喚】だ。
ぶっつけ本番になるが、ここは頼ってみよう。
いや。
本音は使うに値する機会があったら使ってみたい。
それだけだったりするんですがね。
時刻は?
午前9時40分。
第一の城壁上から矢が幾つも放たれ始めた。
無論、魔人を狙っているのだろう。
だが上空のレッサーグリフォンも迫ってきている。
弓部隊は大規模な戦闘に突入していた。
それでもキムクイ・スレイブに張り付いている魔人は健在のようだ。
魔人達は今やカメの頭の上ではなく、甲羅の上に移動している。
キムクイ・スレイブを城壁に激突させる算段なのだろう。
2匹目のキムクイ・スレイブによるブレス攻撃を城壁は3度受けている。
そこまでは城壁がどうにか凌いだようだが。
城壁でキムクイ・スレイブの移動をどこまで妨げる事が出来るのか?
ちょっと期待出来そうに無い。
第一の城壁上からは撤退が始まった。
かなり危なくなってきているようです。
想定される戦場は?
第一の城壁と第二の城壁の間だろう。
幾つもの石造りの建物はあるが、キムクイ・スレイブの侵攻を阻めるような代物ではない。
だが魔物相手にはどうだ?
そこには期待したい。
大部分のプレイヤーは幾重にも戦線を組み、魔物を待ち構えている。
では。
オレ達も行くか。
『総員に大規模ユニオン申請、来てます!』
『サモナー軍団の持ち場は前衛第二陣、各個の判断で支援だそうです!』
「受諾操作は任せる!そろそろ来るぞ!」
春菜と此花に大規模ユニオン受諾は任せるとして。
地面が、揺れている。
そして城壁の一部が崩れ始めているのも見える。
キムクイ・スレイブだ。
その顔が見えたのと同時に幾つもの矢が放たれる。
命中する。
だが効いているように見えない。
首が、壁の中へと伸ばされてくる。
そして、ブレス。
だがそれに対する備えは完璧であった。
幾重にも壁呪文が重ねられ、ブレスはプレイヤーに届かなかったようだ。
キムクイ・スレイブの首元から、何かが滲んで来るように見える。
魔物の影。
小さく見えるがトライホーンリザードだ。
そしてさらに小さな影。
ガルムだろう。
本来であればエリアポータルに入れない魔物の侵入。
想定の範囲内ではあるが、やはり来るか!
「春菜!此花!魔物の排除最優先で!基本サモナー達は前衛に立たせるなよ?」
『りょ、了解してますが』
『キースさんはどうするんです?』
『まさか』
「前衛に出るさ」
そこにいたサモナー達全員の顔に書いてあるぞ。
やっぱり。
そう言いたいんだろうが、誰も言わない。
『やっぱり、自重してない!』
『ですよねー』
だがツッコミ役はいたのでした。
アデルのそのツッコミはスルーしておくとして。
お楽しみはこれからだ。
【英霊召喚】の出番です。
その前に色々と呪文での強化を継ぎ足しておく。
MPバー回復のためにマナポーション類も多めに出しておき、肩ベルトや腰ベルトに備えておく。
オレの得物は雪獣のメイスに珪化木のトンファー。
サブウェポンで独鈷杵も用意している。
さあ。
準備完了。
同時にある期待もある。
【英霊召喚】で選択できるのは2つ。
緋炎聖女。
剣豪降臨。
現在の状況を考慮すると、緋炎聖女にすべきだよな?
壁を抜ける形で魔物達が次々と現れてくる。
オブシディアンビーストまで侵入してくると、魔物の群れの先頭に立つようだ。
壁役、だな。
侵入してきた魔物との戦闘が始まるのはもうすぐだろう。
防御陣の最前線に向かう。
ジェリコ、護鬼、戦鬼、獅子吼、雷文を引き連れて。
そして最前線に到達すると、やや時間を掛けて力水を使う。
手元には?
スットゥングの蜜酒(劣)にモーズグズの涙。
よし。
では、使うぞ?
「緋炎聖女!」
さあ。
何が、起きるのか?
何かが起きている。
だが回復が先だ。
オレのMPバーはゴッソリと減っている。
スットゥングの蜜酒(劣)とモーズグズの涙を続けて服用。
MPバーは回復はするものの、7割には届かない。
まあ、妥協するしかないか。
そして何かが、オレの横に佇んでいる。
馬に騎乗する1人の騎士。
馬は白銀。
いや、重たそうな防具で武装されているからそう見えるだけだ。
騎士の方は?
その表情は、見えない。
馬と同じく、白銀に輝く鎧兜に身を包んでいる。
その手には槍。
その槍には大きな旗が取り付けられている。
旗の色は真紅一色だ。
??? ???
英霊 ???
??? ???
ウォーホース ???
召喚モンスター 待機中
戦闘位置:地上 ???
その頭上のマーカーは緑。
それにこの英霊とその騎乗馬のマーカーだが、横に数字が並んでいる。
3桁の数字。
それは段々と減っていくようですけど?
現在、310、309、308、どんどん減ってるけど。
これは何だ?
もしかして、英霊が活動できる残り時間か?
いかん。
時間を無駄には出来ない。
目を魔物に転じる。
まずはオブシディアンビーストの壁だな。
では、行きますよ?
魔物に向けて駆け出す。
召喚モンスター達も続く。
そして英霊も。
英霊が旗を頭上に高く掲げると、高らかに叫ぶ。
裂帛であるのか?
それは歌なのか?
いや、ナイアスの歌とはまた違う、周囲を鼓舞する掛け声といった所だろう。
同時に英霊とその騎馬の全身が緋色の炎に包まれる。
ダメージは、ないようだが。
真紅の炎と化すと、旗が槍の柄に巻き付いていく。
それはいつの間にか、馬上槍に変化したように見えた。
英霊の声が途切れる。
すると炎の塊と化したまま、あっという間にオレの隣を駆け抜けていた。
恐るべき速度。
その勢いのまま、オレが目標にしていた魔物の隣の奴に突撃を敢行した。
回転しながら吹き飛ぶ、オブシディアンビースト。
まるで悪夢だ。
だが観察する暇も無いかな?
オレの目の前にもオブシディアンビースト。
そろそろ、使おうか?
「真闘気法!」「ブレス!」「メディテート!」「ブーステッドパワー!」
さあ。
オレの考え得る、最大の破壊力は如何ほどか?
試してみよう。
吹き飛んだ。
何が?
オブシディアンビーストの装甲が。
もういい加減この感覚には慣れないといかんな。
いちいち驚いていたんでは戦闘が滞る。
英霊はオレを遥かに上回る速度で魔物を屠っていく。
オブシディアンビーストもトライホーンリザードも関係なしで吹き飛ばすように、だ。
ガルム?
近寄るだけで火炎に巻かれて行く。
スヴァジルファリ・スレイブに騎乗する魔人も例外ではない。
槍の穂先に魔人を串刺しにしたまま掲げると放り投げる。
片手でだ。
どんだけ腕力あるんだ?
あまつさえ、キムクイ・スレイブのブレスの直撃を全て受け止めてさえいる。
まるで関係なし。
こういってはアレだが、聖女っていうよりも炎の魔女に見えてくるから不思議だ。
オレの左翼でも、右翼でも、後方でも乱戦模様?
プレイヤー達のマーカーはどれも正常だ。
MPバーもそれなりに復活出来ている事が分かる。
そしてHPバーが回復する様子も。
ちゃんと効いているようだ。
安心した。
ぶっつけ本番だとどうしても、ね?
オレの両翼でオブシディアンビーストを叩き潰しているプレイヤーが次々と現れてくる。
いかん。
オレの獲物がなくなってしまう!
確認は後だ後!
問題のキムクイ・スレイブの背中にいる魔人は?
健在だ。
どうにか、アレを片付けないと!
オレの横にジェリコが来る。
間に合ったか?
獅子吼と雷文が前方左右で魔物を蹴散らしているのが見える。
護鬼は弓矢で魔人を執拗に攻撃しているんだが。
あれ?
戦鬼は?
地面に転がって暴れていたトライホーンリザードの首元にしがみついてました。
いや。
絞め技、なのか?
魔物の首が奇妙に捩れてHPバーが砕け散った。
うむ。
オレでアレは出来ないな!
体格が小さすぎて技が掛からないし!
半ば瓦礫と化した壁を利用して城壁を登る。
目指すは魔人。
甲羅の上にいる奴等だ。
魔人の数は?
7名。
呪禁導師が2名、ビーストマスターが3名、ダーククラウンが2名。
僅かに呪禁導師が動いた?
いや、吹き飛んだ。
何が起きた?
オレの左に戦鬼がいる。
その手には岩塊。
お前、ここで投石かよ!
オレの右には英霊。
器用なものだ。
カメの甲羅の上にまで付いてくるなんて。
一気に突撃を敢行。
跳んで消えて行くダーククラウンに構わず、呪禁導師に突撃。
槍先にその体を串刺しにするとそのまま焼いていく。
おお!
聖女とは思えぬ所業!
だが素敵だ。
惚れてしまいそうな早業です。
ビーストマスターが、動く。
後ろへ。
だが見逃す訳には行かない。
その頭上にメイスを叩き込む。
頭が胴体に食い込むように沈んだ。
ついでにその一発でビーストマスターも事切れる。
もう2名のビーストマスターは?
獅子吼と雷文に同時に襲われている。
気の毒に。
その四肢が噛み砕かれる様子はそう思うにふさわしい。
ダーククラウン2名はオレの背後に跳んでいたようだ。
だが今のオレに死角はない。
1名はジェリコに捕捉されてしまう。
もう1名は串刺しの刑。
なんという事か!
オレの獲物がいなくなってしまった!
いや。
まだ、いるんだよな。
足元のキムクイ・スレイブ。
それに城壁の外にいる連中だ。
キムクイ・スレイブの甲羅の上だから良く見渡す事が出来た。
いる。
いるよな?
周囲をスヴァジルファリ・スレイブに騎乗する魔人に護衛させている奴だ。
イル・カピターノ。
待ってなさい。
このカメを仕留めたら襲って差し上げよう。
しかし、アレだ。
カメの甲羅が、堅い。
いや硬い。
それに分厚い。
如何ともし難いぞ、これ。
それにしてもブーステッドパワーが半端なかった。
一部に割れ目を生じさせたのだ。
英霊も時間切れまで付き合ってくれました。
その槍で地面を突く。
ただそれだけなのに、豆腐に箸を差し込むような手軽さで甲羅に吸い込まれるのだ。
それでも貫通には至らない。
どんだけ分厚い甲羅なんだよ、お前!
それでも蟻の一穴とも言います。
小さな突破口が出来た。
ジェリコを見る。
そう。
液状化。
内部に潜り込んで、破壊。
やれるよな?
オレの目の前で液状化したジェリコが甲羅の隙間へと消えて行く。
後は戦果を待てばいい。
甲羅の上にいても魔物が迫って来る。
さすがにオブシディアンビーストはいないが。
トライホーンリザードが次々と襲って来る。
たまにガルムも来る。
襲い掛かってくる魔物を殴り飛ばして甲羅の上から地面に落とす。
その繰り返しになった。
何しろ、足場がたまに動いて定まらない。
思ったような戦果にならなかった。
獅子吼と雷文はまるで関係なしだが。
オレの両脇は護鬼と戦鬼が固めている。
来る者は拒まず。
全部、経験値に変換する構えである。
だがついに、来た。
上空のレッサーグリフォン。
それに騎乗する魔人。
いかん。
ブーステッドパワーは2回目を実行中だ。
その効果がまだ続いている。
間に合うか?
オレの両翼に獅子吼と雷文が加わっている。
寄ってくるレッサーグリフォンに火炎球を放ち、雷撃を見舞っていた。
護鬼が弓矢で空中の魔人を狙う。
そして戦鬼は?
なんと、キムクイ・スレイブの甲羅の欠片を投げてました。
よしなさい。
届きませんし、届いてもどうにかなるとは思えない。
でも魔人が1名、落ちてたけどさ。
届いた?
どんな強肩だよ!
それにしてもこのキムクイ・スレイブ、まだ沈まないのか?
少し前からそのHPバーの減りが早くなってる気がするんだが。
まだジェリコは健在。
それは分かる。
どうにか、このカメを仕留め切ってくれたらいいんだが。
ある変化が起きていた。
地面が小刻みに揺れている。
いや、揺れているのはキムクイ・スレイブそのものだろう。
そしてオレの周囲には何名ものプレイヤーが降り立っている。
ある者は弓矢で下にいる魔物を狙う。
ある者はキムクイ・スレイブそのものに攻撃呪文を放つ。
ある者は迫ってくる魔物を相手に奮戦。
あれ?
二郎に譲二かな?
銛を手にトライホーンリザードの肉を削ぐような戦い方をしてるが。
多分、そうだろう。
無茶しやがって。
だがこれは有難い。
2回目のブーステッドパワーが途切れていた。
呪文が使える。
ついでにマナポーションでMPバーを回復させ、護鬼、獅子吼、雷文を回復させていく。
戦鬼は?
HPバーは全快近くにまで自己回復してました。
さすがだ。
それにしてもこのキムクイ・スレイブ、タフだな!
周囲にいる魔物の群れもまだかなり残っているが、こいつにだって呪文の集中砲火があるのだ。
そのHPバー、残り4割。
凄い。
それだけに気になる。
ジェリコ、急いでくれ!
キムクイ・スレイブがブレス以外の何かを吐いた。
大量の血のようだが。
その血の塊の中から立ち上がる存在。
ジェリコだ。
そしてオレの足元が一気に落下した。
キムクイ・スレイブの脚から力が抜け、地面に倒れ伏したのだと分かる。
勝った?
周囲の魔物もいなくなっている。
キムクイ・スレイブのHPバーは既にない。
獅子吼と雷文は甲羅の割れ目に首を突っ込んで何かしている。
何をしてるか、分かる気がする。
見るな。
見ては、ダメだ。
オレは知らないぞ!
城壁の外を見る。
魔人が、いない。
イル・カピターノの姿がいつの間にか消えてやがる。
コール・モンスターで確認する。
スレイプニル・スレイブが引っ掛からない。
あの野郎。
ふざけやがって!
逃げた?
逃げたのか?
おのれ。
逃がしてなるか!
《只今の戦闘勝利で【跳躍】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【軽業】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【高速詠唱】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ジェリコ』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
よしよし。
でも急ごう。
魔人め。
イル・カピターノめ。
何処に行きやがった?
速く追っ掛けたいのですよ。
ジェリコのステータス値で既に上昇しているのは器用値でした。
おや、珍しい。
もう1点のステータスアップは敏捷値を指定しておこう。
やはり足が速いのって大事です。
ジェリコ マッドゴーレムLv10→Lv11(↑1)
器用値 7(↑1)
敏捷値 12(↑1)
知力値 6
筋力値 40
生命力 40
精神力 6
スキル
打撃 蹴り 魔法抵抗[小] 自己修復[小] 受け
液状化
追い掛けたいのに。
インフォが自重しません。
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『護鬼』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
急げ!
急ぐんだ!
これも即決で。
護鬼のステータス値で既に上昇しているのは筋力値か!
もう1点のステータスアップは敏捷値を指定しておけ!
護鬼 夜叉Lv1→Lv2(↑1)
器用値 25
敏捷値 22(↑1)
知力値 18
筋力値 24(↑1)
生命力 25
精神力 18
スキル
弓 手斧 剣 棍棒 刀 小盾 受け 回避 隠蔽
夜目 気配遮断 光属性 闇属性
だが。
まだインフォに続きがあるのかよ!
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『獅子吼』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
いやいやいやいや。
嬉しいんだが急ぎたい!
獅子吼のステータス値で既に上昇しているのは敏捷値!
もう1点は精神力!
以上!
獅子吼 キメラLv6→Lv7(↑1)
器用値 15
敏捷値 26(↑1)
知力値 18
筋力値 26
生命力 30
精神力 16(↑1)
スキル
噛付き 裂帛 匂い感知 熱感知 夜目 気配遮断
捕食融合 毒 ブレス 光属性 火属性
読めてるぞ!
雷文も来るんだろ?
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『雷文』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
これも即決で。
雷文のステータス値で既に上昇しているのは生命力。
もう1点のステータスアップは敏捷値。
これでいいよね?
雷文 鵺Lv3→Lv4(↑1)
器用値 13
敏捷値 26(↑1)
知力値 13
筋力値 29
生命力 26(↑1)
精神力 13
スキル
噛付き 威嚇 危険察知 匂い感知 熱感知 夜目
気配遮断 捕食融合 毒 雷属性 [ ](New!)
《捕食融合が発動しました!空きスキルが発生します。スキルを選択して下さい》
おいおいおいおいおいおいおいおい!
クソッ!
こんな時になんてこった!
何が入るってのよ?
これがまた、属性じゃないと来た!
自己回復[微]、MP回復増加[微]、物理抵抗[微]、魔法抵抗[微]の4択とか。
悩むじゃねえか!
ここは度胸一発。
自己回復[微]で。
その理由は単純。
一番最初の選択肢なのでした。
そして予測の範囲内の出来事が。
雷文が伏せの姿勢のまま、震え始めていた。
口からは涎が垂れ流しだ。
周囲にいるプレイヤーも何が起きているのかと怪訝な表情をしている。
「ギシャ!」
雷文の口から奇妙な声が漏れる。
ヤバい。
首輪、外しておこう。
「ヒッ!ヒッ!ヒヒッ!」
その声に込められているのは痛みか?
それとも歓喜か?
「ヒュアァァァァァァァ!」
立ち上がって大きく天空に向けて吠える。
同時に雷文の体が一回り以上、大きくなったようだ。
おい。
首輪は絶対に合わなくなったよな?
パーツを2つほど継ぎ足して装着させる。
急げ。
急げ、急げ!
雷文 鵺Lv3→Lv4(↑1)
器用値 13
敏捷値 26(↑1)
知力値 13
筋力値 31(↑2)
生命力 28(↑3)
精神力 13
スキル
噛付き 威嚇 危険察知 匂い感知 熱感知 夜目
気配遮断 捕食融合 毒 雷属性 自己回復[微](New!)
ステータス値にも底上げがあったか。
結構な事だ。
《イベント『西方からの襲撃者』をクリアしました!》
《ボーナスポイントに10点、エクストラ評価で14点が加点され、ボーナスポイントは合計32点になりました!》
おお!
エクストラの方が多いとか、随分とアンバランスだけどまあいいさ。
【耐即死】も取得できるよね?
有効化まで進めておこう。
周囲でも色々と盛り上がっている。
勝利を単純に喜ぶ者は多い。
まあ微笑ましい光景であるんだが。
うん。
何か、忘れているような。
魔人だよ!
あの野郎、逃がしてなるか!
どっちに逃げた?
アデル、イリーナ、春菜、此花といったいつもの面々が駆け寄ってくる。
ヒョードルくんやヘラクレイオスくんもだ。
皆、MPバーがかなり消耗している。
それは召喚モンスターにしても同様のようだ。
『キースさん!勝ちましたよ!』
『凄かった!』
『サモナーの面々に死に戻りはありませんでした!ステータス異常は何名かいましたけど』
『ま、今は難しい事は後回しで!』
互いにハイタッチを繰り返す面々。
オレも片手で応じはするんだが。
やはり、気になる。
「城壁の外にいた魔人だが。どうなったか分かるか?」
『途中で観測班から報告ありました。西方向に逃げたようです』
「西か」
『数は覚えてる?』
『レッサーグリフォンが3頭、馬は数頭って感じだったっけ?』
そうか。
そうか、そうか。
そうですか。
西へ逃げたか。
今、オレがすべき事は、何だ?
追撃してやる。
相手は逃げている。
敗残兵だ。
無慈悲に、追い詰めて、狩る。
敗残兵狩りだっ!
喜びの輪の中で召喚モンスターを次々と帰還させる。
全部だ。
そして入れ替わりで召喚するのは?
黒曜、ヘザー、クーチュリエ、言祝、蒼月。
さあ。
追撃だ。
得物は?
無論、獅子賢者の騎士槍に切り替える。
蒼月に跨ると出発準備は完了だ。
『キースさん?』
「済まないがここでユニオンから抜ける。後は頼む」
『えっ』
『えー?』
『一体、何を?』
「まだ魔人が残っているみたいだしな。追撃してくる」
その中にオレを死に戻らせた奴がいたりするんだが。
まあそれは胸の奥に秘めておくとして。
ユニオンから抜ける。
蒼月が首を僅かに横に振る。
それだけで騎乗するオレが見えているだろう。
馬の視界で見えないのは真後ろだけだ。
オレが目で合図を送ると、蒼月は翼を展開した。
周囲の興味の視線、それに驚きの声も敢えて無視だ。
今は急ぎたい。
蒼月は少し駆けると、すぐに空中へと舞い上がった。
黒曜、ヘザー、クーチュリエ、言祝がオレ達に続く。
すぐに夕闇城の塔を見下ろす高さになった。
マグネティック・コンパスを使う。
向かうべき方位は西。
時刻は?
午前10時40分。
蒼月を駆り、西へ向かう。
急げ。
急げ!
こうなったら昼飯の時間前に魔人共を捕捉して全部仕留めてやる!
主人公 キース
種族 人間 男 種族Lv32
職業 グランドサモナー(召喚魔法師)Lv18
ボーナスポイント残 22
セットスキル
剣Lv12 両手槍Lv12 馬上槍Lv13 棍棒Lv14 刀Lv13
刺突剣Lv11 捕縄術Lv11 投槍Lv9 ポールウェポンLv8
杖Lv23 打撃Lv20 蹴りLv20 関節技Lv20 投げ技Lv20
回避Lv20 受けLv20
召喚魔法Lv32 時空魔法Lv20 封印術Lv13
光魔法Lv19 風魔法Lv19 土魔法Lv19 水魔法Lv19
火魔法Lv19 闇魔法Lv19 氷魔法Lv18 雷魔法Lv18
木魔法Lv18 塵魔法Lv18 溶魔法Lv18 灼魔法Lv18
英霊召喚Lv1
錬金術Lv15 薬師Lv10 ガラス工Lv8 木工Lv12
連携Lv22 鑑定Lv22 識別Lv22 看破Lv7 耐寒Lv10
掴みLv19 馬術Lv20 精密操作Lv22 ロープワークLv11
跳躍Lv12(↑1)軽業Lv12(↑1)耐暑Lv14 登攀Lv12 平衡Lv13
二刀流Lv19 解体Lv18 水泳Lv6 潜水Lv6 投擲Lv11
ダッシュLv12 耐久走Lv12 隠蔽Lv7 気配遮断Lv7
身体強化Lv20 精神強化Lv20 高速詠唱Lv21(↑1)
魔法効果拡大Lv20 魔法範囲拡大Lv20
耐石化Lv6 耐睡眠Lv6 耐麻痺Lv7
耐混乱Lv4 耐暗闇Lv4 耐気絶Lv9
耐魅了Lv2 耐毒Lv3 耐沈黙Lv4 耐即死Lv1(New!)
召喚モンスター
ジェリコ マッドゴーレムLv10→Lv11(↑1)
器用値 7(↑1)
敏捷値 12(↑1)
知力値 6
筋力値 40
生命力 40
精神力 6
スキル
打撃 蹴り 魔法抵抗[小] 自己修復[小] 受け
液状化
護鬼 夜叉Lv1→Lv2(↑1)
器用値 25
敏捷値 22(↑1)
知力値 18
筋力値 24(↑1)
生命力 25
精神力 18
スキル
弓 手斧 剣 棍棒 刀 小盾 受け 回避 隠蔽
夜目 気配遮断 光属性 闇属性
獅子吼 キメラLv6→Lv7(↑1)
器用値 15
敏捷値 26(↑1)
知力値 18
筋力値 26
生命力 30
精神力 16(↑1)
スキル
噛付き 裂帛 匂い感知 熱感知 夜目 気配遮断
捕食融合 毒 ブレス 光属性 火属性
雷文 鵺Lv3→Lv4(↑1)
器用値 13
敏捷値 26(↑1)
知力値 13
筋力値 31(↑2)
生命力 28(↑3)
精神力 13
スキル
噛付き 威嚇 危険察知 匂い感知 熱感知 夜目
気配遮断 捕食融合 毒 雷属性 自己回復[微](New!)




