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時刻は午前5時40分。
ログインしたんですがね。
風景が、おかしい。
W5マップの地形は平原だと思うのですが。
周囲は竹林。
何が起きた?
如意宝珠が生んだ魔石を回収、テントを片付けていたらアデルが駆け寄ってきた。
この状況、何があった?
「キースさん!大変です!」
「まあ、落ち着け」
「ちゃんとログアウトしたのに何故かここでログインしちゃってて何が何だか」
何を言ってるか分からん!
せめて区切れ。
つか落ち着け!
ヴォルフを召喚する。
アデルが即座に抱きついておとなしくなった。
おい。
先刻までの勢いはどうした?
イリーナは食事の用意を進めている所だった。
こっちは落ち着いた様子です。
「おはようございます、キースさん」
「ああ、おはよう。この状況は何だ?」
「どうもログアウト中に何かがあったようです」
どうも似たような異常事態は別の場所でも起きているらしい。
エリアは?
W5マップ、W4マップ、W3マップで起きている。
インスタント・ポータルでログアウトしているのに、ログインしてみたらエリアポータル。
起きている現象はそういう事であるらしい。
但し死に戻りによるペナルティはないようだが。
変な事が起きているな!
「インスタント・ポータルそのものに魔物が攻撃してきたように見えた、という報告がありました」
「どんな魔物だ?」
「スクリーンショットはないです。どうもレッサーグリフォンに騎乗している魔人らしいですが」
「魔人か」
「インスタント・ポータルの目撃者も次の瞬間にはエリアポータルに飛ばされてます」
「何処に飛ばされるかは決まっているのか?」
「幾つかの事例から、最後に通過したエリアポータルに飛ばされているみたいですね」
これは厄介な。
インスタント・ポータルがログアウト中に無効化されるとか。
困る。
凄く、困ります。
使えるのが当たり前になっているが、こうなってみると非常に重要な呪文だよ!
「その魔人、もう少し詳しい情報はなかったか?」
「外見の特徴のテキストしかないですけど」
その書き込みも見たが。
クラウン系かな?
インスタント・ポータル内からだし【識別】が効いてないのも地味に痛い。
「イベント攻略スレですけど、スクショを撮れ、が合言葉になってますね」
「そうだな」
ところで。
食事の用意は出来た様なのだが、アデルはまだヴォルフを愛でているんですが。
緊張感がまるでない。
癒されすぎてるな。
時刻は午前6時40分。
朝食はゆっくりと摂りながら今後の方針について話し合った。
ここW5のエリアポータルにはオレ達しかいない。
異変が起きているエリアは3つだ。
明らかに手が足りないんですが。
「西方面に向けて人員増強は今日から本格化するみたいですよ?」
「ここにも来るかな?」
「W4からユニオンを組んで向かう予定もあるようですし。今日の昼前には到着しそうですね」
そういう事であるらしい。
ならば西へ行くか?
W6の様子も見たい所だ。
何かが、起きている。
W5までであれば、昨日との差も分かるかな?
「移動優先で布陣を組もう」
「了解!」
「行き先は西ですか?」
「だな。魔人絡みで何かいるかもしれないな」
「それを探す、と」
「ついでに狩る、と」
「殲滅出来ればいいが、撤退も有り得るからな?」
「えー」
「本当ですか?」
信じてないな?
オレだってこないだブロンズドラゴンから逃げましたよ?
布陣を確認しよう。
ヴォルフ、残月、ヘリックス、ヘザー、逢魔だ。
アデルは?
ホワイトホース、ホワイトウルフ、金毛狐、ファイティングファルコン、オルトロス。
イリーナは?
バトルホース、バトルホーク、ブラックウルフ、ピクシー、鵺になる。
移動を意識し、探索を優先しながらも、戦力的には不足を感じない。
いける。
インスタント・ポータルに悪さをした魔人はレッサーグリフォンに騎乗していたと聞く。
レッサーグリフォンが近くにいたら?
積極的に狩ってみよう。
《只今の戦闘勝利で【馬上槍】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【掴み】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で【投擲】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ヘザー』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
ラクチャンゴの群れを狩った所でヘザーがレベルアップしている。
狩りそのものは順調だ。
魔物もそこそこに多いし、効率もいい。
ヘザーのステータス値で既に上昇しているのは精神力だ。
もう1点は筋力値にしよう。
そして空きスキルもある。
これには属性が入るようだ。
選択肢は光、闇、火、水か。
ここは水属性にしておこう。
ヘザー シルキーLv6→Lv7(↑1)
器用値 9
敏捷値 24
知力値 24
筋力値 8(↑1)
生命力 8
精神力 27(↑1)
スキル
飛翔 浮揚 魔法抵抗[中] MP回復増加[中] 風属性
土属性 水属性(New!)雷属性
ヘザーのMPバーはまだまだ余裕がある。
このままの布陣で行くとして、だ。
問題は魔人だ。
いるような雰囲気がしない。
レッサーグリフォンは片っ端から呼び寄せて狩り尽くしているんだが。
真っ直ぐ西へ向かうのではなく、北へ南へとレッサーグリフォンの姿を求めてウロウロしてしまった。
金鉱石が何気に溜まっている。
剥げる確率はそう高くない筈なんですが。
『いっそ、W6マップに行きます?』
「それもいいかな」
アデル、イリーナの表情は?
大丈夫そうです。
では、行くぞ!
W6マップとの境界では中継ポータルになりそうな場所が見えていた。
川だ。
川沿いには古い塔が建っている。
そして川を渡ればW6マップになるようだ。
塔が気になる。
だがここはW6マップの様子を先に見に行こう。
で、W6マップの様子は?
W5マップは少ないながらも木々があったのだが、ここはより森の気配が濃い。
平原、というよりも丘陵地だな、これは。
だが問題は少ない。
上空にはヘリックス達の目があるのだ。
そしてコール・モンスターで周囲を確認するのだが。
いるな。
レッサーグリフォンが、いる。
その数は多いよな?
それに1匹単位の奴の方が少ないようだ。
数匹単位か。
そして一番近くにいる3頭がこっちに高速で近付いて来ているのが分かる。
無論、望む所である。
来なさい!
ナイフスローワー Lv.5
魔人 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:地上 ???
ジャグラー Lv.5
魔人 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:地上 ???
呪禁道師 Lv.4
魔人 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:地上 ???
レッサーグリフォン Lv.3
魔物 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:空中、地上 ???
いた。
魔人だ。
呪禁道師が厄介なんだが。
つか何で属性と耐性が見えないんだ?
以前に見た奴等よりレベルは高めであるのは確かだが、そう極端に高くもない。
どうも何か仕掛けがあるような。
「呪禁道師は厄介だ!先に集中攻撃で潰せ!」
『は、はい!』
『弓矢優先で!』
2人が持つのは宿曜弓だ。
矢を番えると、その矢尻に変化が生じた。
アデルの矢の周囲では風景が歪んで見えている。
イリーナの矢の周囲では風が巻いているようである。
ヘリックス達が上空から呪禁道師が騎乗するレッサーグリフォンに襲い掛かった。
やや高度を落とした所で矢が同時に放たれる。
命中。
2本共、である。
だが呪禁道師はそれだけで沈んでくれない。
どうにか騎乗しているレッサーグリフォンを地面に縫い付けたい所だが。
「グラビティ・プリズン!」
呪文の効果は?
あった。
引き換えにオレに掛かっていたエンチャント系が全部、吹き飛んだみたいですけどね。
呪禁道師め!
またしてもそれかい!
そして頭上から飛んでくるナイフ。
そしてボール?
いや、鉄球じゃね?
ジャグラー、お前は何を投げてるんだ?
いや、頭上からだと石ころでも十分に凶器だが。
ナイフは避けきれたが、ジャグラーが投げつけてきたボール状の何かは喰らってしまっている。
痛いかって?
当然、痛い。
お返しにククリ刀を投げつけて命中させる。
空中のレッサーグリフォンから落下である。
お返しにしては過剰だったか?
いや、踏み潰した残月の方が酷いと思う。
「人馬一体!」
無効化された武技を使っておく。
呪文の強化をやり直しながらナイフスローワーの騎乗するレッサーグリフォンを追った。
イリーナを狙っている。
だが。
背中をこっちに向けてもいるのだ。
もう1つのククリ刀を投げる。
狙ったのはナイフスローワーだが、外れた。
レッサーグリフォンに命中しちゃったけど。
結果的にそれで良かったのか?
イリーナへ放たれたナイフはどれも外れているようだ。
空中からの攻撃は?
前衛も後衛もない。
地上で迎撃するにしても、どうしても受身になる。
最後のレッサーグリフォンを仕留めるまで、結構時間を掛けてしまった。
その原因は明らかに呪禁道師にある。
レッサーグリフォンから落とされて尚、最後まで抵抗してやがりました。
騎乗していたレッサーグリフォンが健気にも盾となっていたのも厄介だったが。
これを突撃で排除している。
呪禁道師はすぐに矢を受けてしまい、ヘリックスに止めを刺されていた。
ようやくか。
レッサーグリフォンは単体であればそう怖くない。
だがこいつら3頭、やたら連携が良かったな。
こっちのダメージも無視出来ない。
『今日、最初の魔人、ですね』
「だな」
ククリ刀を回収しながら剥ぎ取り作業を進める。
金鉱石1つだ。
まあまあだな。
『コール・モンスターで確認しました。次も3頭みたいです』
『もう来た!』
「急ごう」
無論、逃げる訳ではない。
むしろ積極的に狩るべきだ。
ヘリックス達に先行させて襲わせたのだが、それを無視して襲ってくるレッサーグリフォン。
魔人も騎乗している。
今度はダーククラウンとジャグラー。
呪禁道師もいる。
また厄介なのがいる。
そう、厄介なのはダーククラウンも同じだ。
攻撃を跳ね返す事もある。
ヘリックスも結構やられてしまっていた。
だが逢魔と同様、いつまでも攻撃を跳ね返し続けられる訳ではない。
どうにか沈めたら後は楽?
まあ、楽ではある。
数の暴力でどうにかなるし。
『まだ距離はありますけど、ちょっと多いですかね?』
「少し隠れておこうか」
そこで選択したのがインビジブル・ブラインド。
そして樹木も使う。
何度かレッサーグリフォン共と魔人をやり過ごす事に。
確かに多いな。
異様とも言える。
だが異様なのはそれだけではなかった。
隠れながら丘を1つ越えた所で恐るべき状況を目にする事に。
『何これ!』
『魔物の、軍勢?』
「そうみたいだな」
そこにいたのは大量の魔物。
そうとしか見えない。
レッサーグリフォンと魔人以外は初見の奴ばかりだろう。
コール・モンスターに引っ掛からないからだ。
やや距離があるが、一番の大物に【識別】は効いてくれた。
キムクイ・スレイブ ???
イベントモンスター ??? ???
??? ???
一番ヤバそうな奴です。
色々と見えていないのも無理はない。
その姿は?
巨大な亀だ。
まるで移動する山の如し。
その威容は間違いなく、この軍勢の中で一番ヤバい。
対比となるレッサーグリフォンがまるで小鳥みたいに見えるのだ。
背中の巨大な甲羅はまるで甲冑のようで、三列に及ぶ突起物が並ぶ。
まるで鋸のように。
そして巨大な脚。
爪の前にいる魔物との対比がおかしい。
どう攻略するのよ、あれ?
そして甲羅から伸びる首、そして頭も凶悪だ。
その形状は剛亀にも似てはいるが、口から伸びる牙が凶悪な雰囲気を生んでいる。
まるで石柱だ。
先端は尖っていない。
それだけに力強さが感じられる。
動きは遅く、その歩みも凄まじく遅いようだが。
その振動が遠く離れているここまで伝わって来るのではないかな?
数は?
1匹だけか。
いや、それでも十分に脅威だろう。
まるで動く城のようなものだ。
そしてヤバそうなのはキムクイ・スレイブだけではなさそうだ。
隷獣・外法蛇亀 ???
イベントモンスター ??? ???
??? ???
《これまでの行動経験で【識別】がレベルアップしました!》
これまたデカい。
キムクイ・スレイブが動く城であるならば、こっちは動く砦だ。
やはり巨大な亀。
つか名前しか分かってないのに【識別】がレベルアップしちゃってるよ!
その甲羅の上には魔人らしき人影が見える。
残念ながら【識別】は効かないが。
亀の背中の上でレッサーグリフォンに騎乗したように見える。
飛び立つ様子はまるでヘリポート?
どうも感覚がおかしくなりそうだ。
隷獣・外法蛇亀の数はどうやら5匹。
そしてその周囲に魔物の群れが幾つかの集団になっているようだ。
どう見ても尋常ではない。
何かの魔物に騎乗している魔人らしき姿も多い。
軍勢。
イリーナの意見に同感だ。
『スクショ撮ったよ!』
『動画でも記録しておくわ』
早速、この様子を記録し始める2人だが。
オレは周囲の警戒を強める。
インビジブル・ブラインドを継ぎ足して、センス・マジックを使う。
ヤバい。
魔力の大きさ、ヤバくないか?
キムクイ・スレイブは格が違うようだ。
それに魔力の高そうな魔人もいるようだし。
「数が多過ぎる!一旦迂回しよう」
『賛成!』
『私達だけでどうにか出来る戦力じゃないですね』
魔物の軍勢は移動を続けている。
その行軍速度は遅い。
だが、向かっている方向は東だ。
イベントであるからにはエリアの境界も突破して来るんだろうな。
今度は北方向へ移動する。
魔物の軍勢の脇を抜けて、後続部隊がいないか、確認したかったからだ。
無論、インビジブル・ブラインドは継続して使う。
そうでもしないと、頭上を飛び回るレッサーグリフォンに見つかりそうになる。
油断ならない。
ようやくレッサーグリフォンの警戒網から逃れたか?
そう思ったら魔物の襲来です。
それがまた厄介極まる!
いきなり、落とし穴に嵌められたようです。
ヴォルフが警告で吠えていたのに間に合わなかった。
クソッ!
ダメージは?
落下ダメージは大した事はないようだが。
視界は真っ暗。
そしてオレと残月しかいない、穴の底へと戦力を分断されてしまっていた訳で。
誰がこんな事を?
こいつのようだな。
グレートモール Lv.2
魔物 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:地中、地上 闇属性 土属性
モグラ、だよな?
だがその大きさはどう見ても戦鬼に匹敵するだろう。
両前脚の鉤爪は太く力強さがある。
マズい。
地の利は明らかに、魔物にある。
では、どうする?
騎士槍をその場で落とす。
ククリ刀を連続で投げつけると残月から降りた。
腰の独鈷杵を手にすると刃を展開。
セットしてあったのは灼魔法。
魔物の最初の攻撃はオレの頭を掠めていた。
交錯する間に、一撃を入れるのがやっとです。
手応えは、ある。
それなのに魔物のHPバーはそんなに減っていない。
わお。
その一方でオレのHPバーは2割近くが削れていた。
おい。
結構、窮地?
だが援軍が来る。
しかも早い。
穴の壁面をまるで落ちるかのように狼軍団が来た。
ヴォルフ、逢魔は勿論。
オルトロス、ホワイトウルフ、ブラックウルフと続く。
そして挨拶代わりに威嚇する。
吠えたのだが。
「ガァッ!」
「ゴァァァァッ!」
魔物相手に威嚇しているっていうのは分かる。
でもね。
穴の底だと響く!
耳が痛い!
だがその効果は高かった。
一瞬、魔物の動きが止まる。
オルトロスが一気に前脚の付け根に噛み付く。
周囲に岩塊が次々と生じて嵐のように撒き散らされて来るのだが。
それは逢魔は跳ね返す。
穴の中で岩塊が連続で跳ね返る音が重なっていった。
その次にはもう狼達がモグラ相手に次々と襲い掛かる。
その連携たるやもうね。
見事、としか言うべき言葉が見つからない。
おっと。
オレも参戦!
「ディフェンス・フォール!」
防御力を落として魔物に迫る。
数撃、独鈷杵を撃ち込んでやったが、状態異常はまだ生じない。
穴の上からは援護も来る、
矢が何本も魔物に突き刺さっていく。
そして雷撃。
ヘザーと鵺が交互に雷撃を与える。
間隙を縫うように金毛狐が火炎を、ピクシーが光の球を撃ち込んで行く。
これは中々、効いているようだ。
堪らず魔物は穴の壁面の方へと逃げる。
いや、凄い勢いでぶつかったのだが。
そのまま、穴を掘って逃げる動きを見せている。
逃がすかよ。
その尻に独鈷杵を突き入れる。
続けて選択して実行済みの攻撃呪文を撃ち込んだ。
「パルスレーザー・バースト!」
肉が焼ける匂い?
いや焦げる匂いだな、これは。
動きを止めた魔物の両後脚をオルトロスが噛み付いて、逃がさない。
まさに慈悲などない。
逃げようとする魔物相手に仕留めに行くつもりか?
穴の底に来た鵺も加わって穴の中央に引っ張り出されたモグラ。
こいつは間違いなく強い魔物だろう。
だが。
今や数の暴力に曝されている哀れな生贄に見えます。
うん、でもね。
オレにも慈悲の心が少しはある。
せめて短い時間で楽にしてあげよう。
召喚モンスター達が攻撃を重ねる中、もう一度パルスレーザー・バーストを至近距離から撃ち込む。
成仏してくれ。
いや、やはり慈悲なんてなかった。
これではただの嬲り殺し?
魔物がタフなのがいけないのだ、と言い訳しておこう。
「周囲の警戒を頼む」
『了解です』
この穴は純粋に物理的な代物であるようだ。
ピットフォールとはそこが決定的に異なる。
モグラからアイテムを剥いだらさっさと上に戻らねば。
【素材アイテム】サファイア 品質C+ レア度6 重量0+
コランダムの変種。蒼玉とも呼ばれる。様々な呈色がある。
その硬度はダイヤモンドに次ぐ。
ルビーとは組成上では不純物の差による呈色しかない。
剥げたのは宝石だ。
レア度もこれまでに見た宝石の中でもアレキサンドライトに匹敵するのか?
ならばこの戦闘、収支は大幅にプラスだな!
穴に嵌められた怒りは?
もうないです。
《これまでの行動経験で【鑑定】がレベルアップしました!》
「この魔物だが、いいアイテムを持っていたぞ」
『え?』
『それよりもキースさん、登れますか?』
「大丈夫。いけそうだ」
効率は悪いがフライの呪文で残月は穴の上に移動させましょう。
オレは?
壁面を登りました。
ヴォルフ達が楽々と登っていくのだから負けたくないだけですけど。
「これだな」
『うひょ!』
『時間が割けるようならもっと数多く狩ってみたい相手ですね』
「だな」
イリーナの指摘の通りだ。
恐らくは魔人共が率いている魔物の軍勢。
その戦力の見極めを優先すべきなのだ。
でもそこから何度も穴の底に案内される羽目になるとは!
どんだけこのモグラは多いんだよ!
コール・モンスターにはまるで引っ掛からないし!
移動速度を下げたらヴォルフの警告も間に合って、穴の場所を回避出来そうでもあるんだが。
内心、穴に嵌まってでも宝石が欲しいと思っているオレもいる。
もはや欲望に取り憑かれた廃人ですな。
その自覚はある。
【素材アイテム】ルビー 品質C+ レア度6 重量0+
コランダムの変種。紅玉とも呼ばれる。
赤く呈色するものがルビーであり、他の色がサファイアとなる。
その硬度はダイヤモンドに次ぐ。
別の宝石まで剥げてるし。
これは美味しい。
イベントがなかったらもっと連戦をお願いしたい程だ。
意図的にではなかったのだが、連戦になってました。
さすがに地中に潜む魔物だ。
インビジブル・ブラインドがまるで通じていない。
魔物の軍勢の後方へと回り込むまでにサファイアもルビーもそこそこの数を確保している。
剥げる確率も高い。
【解体】がいつになくいい仕事をしているようだ。
《これまでの行動経験で【解体】がレベルアップしました!》
そんな事を思っていたらレベルアップしているし。
いや、本当にイベントさえなければ。
惜しい事だ。
ツインホーンリザード Lv.3
魔物 討伐対象 アクティブ
戦闘位置:地上 土属性
こいつにはインビジブル・ブラインドの継ぎ足し中に襲われてしまった。
これは完全にオレのミス。
地上担当はちゃんといるようだ。
ツインホーン、ね。
その名前が示す通り、2本の角があります。
リザード、つまりはトカゲなんですけどね。
デカい!
あのスフィンクスやスピンクスに匹敵するかな?
それでいて、結構素早い。
『逃げますか?』
「すぐに始末するさ」
逃げて事態が好転する確約はない。
好都合な事に周囲は森だ。
それでいて騎乗戦闘が可能なのだ。
だが。
地震?
地面が揺れている?
当然だが、ヘリックスを始め、空中を飛ぶ召喚モンスターには関係なかった。
攻撃は魔物の頭に集中。
ヘザー、そしてピクシーも距離を一定に保ちながら攻撃を重ねる。
地面の揺れが、止んだ?
『アデルちゃん、矢で!』
『了解!目を狙うよ!』
矢が次々と放たれる。
オレは?
地面の揺れは収まっているうちに突撃。
オレの左右を猛獣達が追い越していく。
こらこら。
オレの分は残しておいてね?
「ランス・チャージ・バースト!」
無防備になっていた腹に突撃。
そして魔物のHPバーを確認。
2割も減ってないとか、何なの?
召喚モンスター達の攻撃と合わせても3割って所か?
手応えはあった。
そう硬い感じはしないんだが。
残月を一旦、退かせていく。
魔物の頭が大きく振り回されていた。
危ねえな、おい!
どうもこいつの攻撃はカウンターが基本であるらしい。
それに、だ。
HPバーがジリジリと回復しているように見えるのだが。
まあいいさ。
攻撃は通じているのだ、問題ない。
続けよう。
《只今の戦闘勝利で【精密操作】がレベルアップしました!》
《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『ヘリックス』がレベルアップしました!》
《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》
やや手間取ったがどうにか倒しきった。
鵺やオルトロスがモグモグと魔物の肉を咀嚼している。
そんな様子を横目に見ながら仮想ウィンドウを操作した。
ヘリックスのステータス値で既に上昇しているのは知力値である。
もう1点は敏捷値を指定した。
ヘリックス ファイティングファルコンLv9→Lv10(↑1)
器用値 15
敏捷値 32(↑1)
知力値 24(↑1)
筋力値 15
生命力 15
精神力 15
スキル
嘴撃 飛翔 遠視 広域探査 奇襲 危険察知 空中機動
風属性 土属性
ところでこのツインホーンリザードなんだが。
こいつはイベントとは無関係な魔物なんだろうか?
イベント前の様子は知らないから比較も出来ないんだが。
そうそう、アイテムは何を持っているんだ?
【素材アイテム】双角蜥蜴の肉 原料 品質C+ レア度2 重量6+
ツインホーンリザードの肉。さっぱりヘルシー。
おい。
肉かよ。
魔物の軍勢の後方に回り込んだ。
広域マップでは、W6マップの中央付近にも近い。
変わらず周囲を警戒するように飛び回るのはレッサーグリフォンだろう。
厳重だな。
後方への警戒も怠っていない。
周囲に森もあるのだが、散々な有様だ。
その半分は荒らされてしまっている。
うん?
この跡を辿って、何処から魔物の軍勢が生じたのか、調べられないかな?
「行軍の跡を進んでみるか?」
『あの軍勢はどうします?』
「オレ達だけで狩れる規模じゃないしな。注意喚起は?」
『掲示板は済んだ!』
『フィーナさんとは移動中にテレパスで話はしてあります』
「W6のエリアポータルが気になる。調べておきたいんだが」
『軍勢はあのまま放置?』
『移動速度が遅いし、まだ余裕はあると思うわ。ここはキースさんに賛成』
イリーナも気になるようだな。
果たしてW6のエリアポータルはどうなっているのか?
確かめておこう。
主人公 キース
種族 人間 男 種族Lv29
職業 グランドサモナー(召喚魔法師)Lv15
ボーナスポイント残 24
セットスキル
剣Lv12 両手槍Lv11 馬上槍Lv10(↑1)棍棒Lv12 刀Lv11
刺突剣Lv10 捕縄術Lv10 杖Lv22 打撃Lv19 蹴りLv19
関節技Lv19 投げ技Lv19 回避Lv19 受けLv19
召喚魔法Lv29 時空魔法Lv17 封印術Lv11
光魔法Lv17 風魔法Lv17 土魔法Lv17 水魔法Lv17
火魔法Lv17 闇魔法Lv17 氷魔法Lv16 雷魔法Lv16
木魔法Lv16 塵魔法Lv16 溶魔法Lv16 灼魔法Lv16
錬金術Lv13 薬師Lv9 ガラス工Lv8 木工Lv11
連携Lv20 鑑定Lv21(↑1)識別Lv21(↑1)看破Lv7 耐寒Lv9
掴みLv17(↑1)馬術Lv17 精密操作Lv20(↑1)ロープワークLv10
跳躍Lv10 軽業Lv10 耐暑Lv12 登攀Lv9 平衡Lv10
二刀流Lv18 解体Lv17(↑1)水泳Lv6 潜水Lv6 投擲Lv6(↑1)
ダッシュLv10 耐久走Lv10 隠蔽Lv3 気配遮断Lv3
身体強化Lv18 精神強化Lv18 高速詠唱Lv19
魔法効果拡大Lv18 魔法範囲拡大Lv18
耐石化Lv6 耐睡眠Lv5 耐麻痺Lv6
耐混乱Lv4 耐暗闇Lv4 耐気絶Lv6
耐魅了Lv1 耐毒Lv2
召喚モンスター
ヘリックス ファイティングファルコンLv9→Lv10(↑1)
器用値 15
敏捷値 32(↑1)
知力値 24(↑1)
筋力値 15
生命力 15
精神力 15
スキル
嘴撃 飛翔 遠視 広域探査 奇襲 危険察知 空中機動
風属性 土属性
ヘザー シルキーLv6→Lv7(↑1)
器用値 9
敏捷値 24
知力値 24
筋力値 8(↑1)
生命力 8
精神力 27(↑1)
スキル
飛翔 浮揚 魔法抵抗[中] MP回復増加[中] 風属性
土属性 水属性(New!)雷属性
同行者
アデル&イリーナ




