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234

 ログインしました。

 時刻は午前6時10分。


《運営インフォメーションが2件あります。確認しますか?》



 運営インフォ?

 どうせ1つはいつもの奴だろう。

 もう1つは何だ?



《統計更新のお知らせ:本サービス昨日終了時点データに更新しました!》



 やっぱり。

 まあこれは保留で。


《統計データの開放項目について:スキル毎のレベル別プレイヤー数を追加しました!》



 おいおい。

 データ量が結構増えるんじゃね?



「おはようございます!」


「朝食の用意はもう出来てますよ?」


 文楽よ。

 お前の出番は奪われてしまったようだぞ?


 まあオレがログアウトした時間が一番遅かったのだ。

 ログインしたのが一番遅くなったのも仕方ないよな?

 ち、遅刻なんかじゃないぞ!




「一応、検証を先にしてみたいんですが」


「ほう、手順は?」


「S5マップのエリアポータル、砂塵の神殿で私だけがログアウトします」


「で、すぐにログインしてS3マップのエリアポータル、灰色の森へ跳ぶ訳だな?」


「はい」


 現時点で確認しておこう。

 ここにいる全員、時空魔法は取得している。

 オレはレベル14と、ちょっと異様だが。

 アデルとイリーナはレベル7でインスタント・ポータルを既に使える。

 ヒョードルくんはレベル3だ。

 春菜と此花はレベル5で、インスタント・ポータルはまだ使えない。


 もし、仮に6名全員が別々のエリアポータルなり中継ポータルなりでログアウトしていたら?

 インスタント・ポータルを使えるプレイヤーが2名いると、6箇所へとリターン・ホームで跳べる。

 いや、インスタント・ポータルを使えるプレイヤーが1名でも可能か?

 多分、そうだろう。


 だが問題はある。

 死に戻ったら一気にバラバラになってしまう可能性だ。

 それなりにリスクのある方法なのは間違いない。


 まあ検証が先だな。



 食事を摂り終えると早速移動だ。

 この場所からエリアポータルの砂塵の神殿までは歩いて5分と掛からないだろう。

 召喚モンスター抜きでサモナー6名によるパーティがここに誕生した!

 レアかな?

 こんな事をわざわざするプレイヤーはいないだろう。


 で、前衛は?

 オレだけ?

 ですよねー。



 その5分の移動を甘く見ていた訳ではない。

 相互に呪文で強化はしてあった。

 それにコール・モンスターで周囲の魔物の状況だって把握していた。

 キラースコルピオンの奇襲は警戒していたのですがね。


 法則によると、絶対に起きて欲しくない時にトラブルは起きるようです。

 この場合はどうだろう?



 セルケトの従者 Lv.5

 使徒 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 火属性 風属性


 セルケトの従卒 Lv.4

 使徒 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 風属性


 セルケトの従卒 Lv.4

 使徒 討伐対象 アクティブ

 戦闘位置:地上 火属性



 昨日の夜に襲ってきた連中だ。

 但し、数が少ない。

 従者は1名。

 従卒は2タイプが各3名で、6名。


 合計7名のお客様でした。

 お客様?

 お客様です。


 被り物は固定されている分、捻るにはちょうどいい大きさだった。

 剣を振り回すよりも簡単です。

 まあ従卒3名はアデル、イリーナ、ヒョードルくんの矢で仕留められてましたけど。


 前衛がオレだけでもどうにかなる物なのかね?

 バランス的にマズいと思うのだが。



「あれ?アッサリと勝てちゃった」


「少なかったからな」


「キースさんって普段からこんな戦い方を?」


「そうそう」


「闘技大会のままだと思って問題ないです」


 ヒョードルくんの質問に代理で答えるアデルとイリーナ。

 うん。

 間違ってない。

 間違ってないけど、最近はああいった戦い方ばかりじゃありませんよ?

 マンモスとか。

 スピンクスにスフィンクスとか。

 ああいった大きすぎる相手に投げ技とか関節技とか、仕掛けませんから!



 で、この使徒達からは毒消し素材が剥げるようです。

 奇陳石だ。

 その数、3個。

 まあ微妙ではあるが、いいアイテムが得られた、と思っておこうか。




 砂塵の神殿に到着した。

 あの激闘を繰り広げた場所ですが、いつの間にか砂場がなくなっている。

 石畳になっていた。

 おい。

 名前に偽りアリ、じゃないですかね?

 まあ神殿の周囲には砂は沢山、あるんですがね。



「では、ログアウトしてきます」


「いってらー」


 手早くテント設営を済ませると、すぐに潜り込んでイリーナがログアウトしていく。

 そして3分ほどで戻って来た。



「お待たせしました」


「じゃあ次の段階だな?」


「ええ。エリアポータルを出てリターン・ホームですね」


 イリーナをパーティに加えると、エリアポータルの外に出る。

 そして此花がリターン・ホームの呪文を唱えた。


 視界が反転していく。

 跳んだ先は?

 既に森の中になっていた。

 すぐ近くに灰色の森が見えている。



「ま、ここまでは当たり前だな?」


「当たり前ですね」


「では私がリターン・ホームを使います」


 今度はイリーナがリターン・ホームの呪文を唱えた。

 再び視界が反転する。

 どうか?


 目の前には砂塵の神殿。

 ほう。

 確かにこれは凄いぞ?



 ログアウトをどうするか、という問題はある。

 それはインスタント・ポータルを常に使い続けたら解決できる訳だ。

 交互にエリアポータルを行き来する事は、比較的容易に出来そうですな。



「では今度は私がやってみます」


 再検証もしてみる。

 今度は春菜だ。

 砂塵の神殿でログアウト。

 すぐに戻って来た。


 ヒョードルくんのリターン・ホームの呪文で灰色の森に到着。

 今度は春菜のリターン・ホームの呪文で砂塵の神殿へ到着。


 うわお。

 出来ちゃいそうです。



「目論見通り、でしたね?」


「イリーナちゃん!これって使えるね!」


「実際に体験してみると凄いですね」


「インスタント・ポータルは必ずパーティに誰か1人、絶対にいた方がいいかな?」


「一方通行で1回だけなら今までの使い方と変わらないよね?」


「いやいや、リターン・ホームだけでも他のプレイヤーと協力したら物流網を作れるんじゃない?」


 一気に議論が白熱する。

 目の当たりにすると実感が違ってくるからな。

 フライの呪文で高速移動するよりも圧倒的にこれは利便性が高い!

 間違いないだろう。



「そうなると方針は決まったかな?」


 ではここからが本題だ。

 上手く誘導しないと、な?


「方針、ですか?」


「インスタント・ポータル取得に向けて【時空魔法】を鍛えるべきじゃないかな?」


「ええ、まあ願ってもない話ですが」


「ついでに探索もしておこう。多分、このマップの先に進んでいるプレイヤーはまだいないだろうし」


「いません!」


「いて貰っても困りますけど」


「いたらおかしいですよね?」


「誰が行けるんですかね?」


 ヒョードルくん以外の女性陣からツッコミが。

 えー?

 いるかもしれないじゃない?



「ま、方向だけは決めておくか」


「東側は海の可能性が高いと思いますが」


「西も南もどうなってるか予想がし難いですね」


「キースさんにお任せしない?」


 うん?

 オレの意見でいいのかな?

 つかその期待しているような視線は何なんだ?




「じゃあ南へ行ってみようか。移動中心の編成で組もう」


 方針は決した。

 では。

 パーティ編成を解くと、各々がモンスターを召喚していく。

 無論、それぞれが移動を念頭に置いた編成だ。

 そう時間を置かずにサモナー6名、召喚モンスター27匹の小集団が出来上がる。



 オレの布陣は?

 ヴォルフ、残月、ヘリックス、死に戻りから完全復帰の黒曜、そして幻月だ。

 黒曜には死に戻りの鬱憤を晴らして頂きたい。

 そして幻月なんですが。

 次のレベルアップが、気になる。

 果たしてクラスチェンジがあるのか?

 この所、強敵を相手にしているのだし、そろそろレベルアップしてもおかしくないと思うのだ。

 目の前に楽しみがあるとやる気が湧いてきます。

 オレは単純なのでした。



 アデルの布陣はホワイトホース、ホーク、フェアリー、オルトロス、インプ。


 イリーナの布陣はバトルホーク、バトルホース、ブラックウルフ、フェアリー、インプ。


 ヒョードルくんの布陣はホーク、ホース、ウルフ、フェアリー。


 春菜の布陣はミスティックアイ、ホワイトホース、マーメイド、スライム。


 此花の布陣はファイティングファルコン、バトルホース、マーメイド、スライム。



 各々、戦力の底上げを図る為、レベルが低めの召喚モンスターを加えている。

 昼間の魔物は数が少ない傾向であるし、スピンクスもスフィンクスも戦力的に不足はしないだろう。

 フェアリーとインプが3匹ずつもいて、中々ファンシーな様相になっているが、気にしてはいけない。


 それに狼系の4匹の力関係も気になった。

 特にヴォルフとオルトロスだ。

 まあ問題はなかったようです。

 驚くべき事にオルトロスがヴォルフに従うような動きを見せている。

 オルトロスの体躯は大きい。

 獅子吼にだって匹敵するだろう。


 アデルがそう仕向けている可能性は?

 彼女はオレと同様、基本は放置のようにしか見えない。

 まあ上手くやってくれていたら問題はないのだが。


 そして春菜と此花のマーメイドとスライムだ。

 確実に狙っているよね?

 仮想敵のスピンクスやスフィンクスだと、あまりに数が多すぎても攻撃の手が余る事があった。

 それを考慮して支援役を増やしたようです。

 まあこれはこれで、実にいい。

 眼福である。




 南へと向かう。

 大きな変化はやはりアレだ。

 使徒だ。

 しかもこいつ等、コール・モンスターにまるで引っ掛かって来ない。

 必ず奇襲を仕掛けてくる。


 とは言ってもこっちは全員が騎乗している。

 もしくは空を飛び、馬に匹敵する速度の召喚モンスターばかりだ。

 機動力で引き離してしまえば問題ない。


 でもね。

 弓矢を射掛けられるのだけは防ぎようがない。

 やや面倒ではあるが、遭遇した奴等は全部叩き潰して移動しました。

 まあ魔石も剥げるし。

 得物を残さないのは謎だが、まあ敢えてそこにツッコミを入れるのは止めよう。


 実の所、この使徒が一番、与し易い相手なのだ。

 多少は面倒だけど。



 キラースコルピオンは?

 堅い。

 それ故にディフェンス・フォールの呪文が欠かせない。

 あまり時間を掛けても召喚モンスターが反撃を受けて毒状態に陥るリスクが高まるだけだ。

 手がまるで抜けない。


 マミーは?

 サンシティフィ・アンデッドが効いた後は、どれ程の数であろうと優勢を維持できる。

 とは言え呪いの怖さはある。

 やはり手は抜けない。


 スピンクス、それにスフィンクスは?

 最初から手を抜けない。

 全力で狩りに行きました。

 手順がかなり確立しているので、手強い相手ではあるものの、実にシステマティックに倒せる。

 それに春菜、此花、ヒョードルくんは意図的にグラビティ・バレットを使っている。

 いい傾向だ。

 強敵相手にそこそこのダメージもあるし、悪くない。



 何よりも全般的に楽になっている事がある。

 呪文による強化だ。

 3つの対象へ同時に呪文を掛ける事ができる。

 MPバー消費は当然かかるが、時間短縮の恩恵は有難い。

 どうして。

 どうしてこれに気が付いていなかったのか?

 悔やまれる。




 おっと、いけね。

 前向きに。

 前向きに、行きましょう。

 今からでも遅くはない。

 挽回するのだ。




 午前8時10分頃。

 スピンクス、マミーの群れ、スフィンクスと立て続けに狩り終えると、色々と成果があったようだ。

 オレの場合はこんな感じです。




《只今の戦闘勝利で【召喚魔法】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【闇魔法】がレベルアップしました!》

《【闇魔法】呪文のシャドウ・ボディを取得しました!》

《只今の戦闘勝利で【灼魔法】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で【精神強化】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で種族レベルがアップしました!任意のステータス値2つに1ポイントを加算して下さい》



 うおっと。

 ここで来ましたか?


 前もって何のステータスを上げるのかは決めてあったからな。

 ここは即決で行こう。



 基礎ステータス

 器用値 19(↑1)

 敏捷値 19(↑1)

 知力値 30

 筋力値 18

 生命力 18

 精神力 30



《ボーナスポイントに2ポイント加算されます。合計で37ポイントになりました》



 だがインフォはこれで終わりではなかった。

 続きは望んでいたものです。



《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『幻月』がレベルアップしました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》



 さあ。

 これってどうなる?

 どうなるんだろうね?


 幻月のステータス値で既に上昇しているのは知力値だ。

 もう1ポイントは敏捷値にする。



 幻月 インプLv7→Lv8(↑1)

 器用値  5

 敏捷値 22(↑1)

 知力値 23(↑1)

 筋力値  5

 生命力  5

 精神力 24


 スキル

 飛翔 浮揚 反響定位 魔法抵抗[中] MP回復増加[小]

 光属性 闇属性 火属性



《召喚モンスター『幻月』がクラスチェンジ条件をクリアしました!》

《クラスチェンジは別途、モンスターのステータス画面から行って下さい》



 おお!

 ここは時間を掛けておきたい所ですよ?



『春菜ちゃん!職業レベルがアップしたよ!』


『こっちもよ!クラスチェンジどうしよう?』


『僕も職業レベルに【召喚魔法】と【時空魔法】がレベルアップしました!』


『やった!たーちゃんがクラスチェンジ出来るよ!』


『キースさん、一旦休憩にしません?うちの子もレベルアップしてて少し悩み所なんですが』


 おやおや。

 全員、何かしらの戦果があったみたいだな。

 ここはインスタント・ポータルを使う価値が十分にある。

 否はない。

 休憩しましょう。




 インスタント・ポータルはオレが展開し、全員で一旦、休憩を取る事に。

 それぞれに悩みがある。


 ヒョードルくんは何を新しく召喚するのか、真剣に悩んでいる。

 春菜と此花はといえば、自らのクラスチェンジ先を何にするかで悩んでいる。

 アデルはホークのたーちゃんを何にクラスチェンジしているか悩んでいる。

 悩んでいないのはイリーナだけだ。


 オレは?

 幻月のクラスチェンジ先で悩んでいる。



 クラスチェンジ候補

 インキュバス

 サキュバス



 ある種の予感はあったんですけどね。

 おっと、融合識別も忘れずに使っておこう。



《融合対象となる召喚モンスターではありません。クラスチェンジが必要です》



 幻月ですが、インプの時点ではこうでした。

 つまり、インキュバスかサキュバスでフューズ・モンスターズの対象がある訳だ。

 では。

 確認して行こう。




 幻月 インプLv8→インキュバスLv1(New!)

 器用値  5

 敏捷値 24(↑2)

 知力値 26(↑3)

 筋力値  5

 生命力  5

 精神力 27(↑3)


 スキル

 飛翔 浮揚 反響定位 魔法抵抗[中] MP回復増加[中](New!)

 変化(New!)時空属性(New!)光属性 闇属性 火属性



 【インキュバス】召喚モンスター 戦闘位置:空中

 小悪魔。悪魔の下位種。

 淫乱な夢を見せて女性を堕落させると言われている。

 主な攻撃手段は各種属性の特殊能力。

 体格は人間よりやや小さい。



《融合対象となる召喚モンスターです。もう1体召喚モンスターが必要です》



 むう。

 こいつに融合する組み合わせがあるとは!


 それに時空属性、ね。

 どんな戦い振りになるのか、興味あります。

 サキュバスはどうでしょう?



 幻月 インプLv8→サキュバスLv1(New!)

 器用値  5

 敏捷値 23(↑1)

 知力値 25(↑2)

 筋力値  5

 生命力  5

 精神力 26(↑2)


 スキル

 飛翔 浮揚 反響定位 魔法抵抗[中] MP回復増加[中](New!)

 変化(New!)時空属性(New!)光属性 闇属性 火属性 [ ]



 【サキュバス】召喚モンスター 戦闘位置:空中

 小悪魔。悪魔の下位種。

 淫乱な夢を見せて男性を堕落させると言われている。

 主な攻撃手段は各種属性の特殊能力。

 体格は人間よりやや小さい。



《融合対象となる召喚モンスターです。もう1体召喚モンスターが必要です》



 こっちも同様か。

 中々悩ましいぞ?


 おっと、先に進めよう。

 空きスキルには属性が入るようです。

 風、土、水だ。


 それにしても男女差、と言えばいいのか?

 ステータスではインキュバスに有利。

 スキル面ではサキュバスに有利だ。

 そして両方とも融合対象になるという。


 悩む。

 これは悩むぞ?

 どうしたらいい?

 性能的に微妙な差別化であるだけに悩ましい。


 そうそう。

 容姿はどうですか?

 それは既に見ている訳だ。

 外見だけなら圧倒的にサキュバスの勝利なんだが。




 悩んだ結果、インキュバスにしました。

 メインで期待するのは時空属性です。

 それに加えてステータスの高さにも期待だ。


 で、その容姿は?

 背の高さはオレの胸の辺りにまで、一気に成長した。

 手足はガリガリ。

 その顔はかつての護鬼を思わせる。

 額の左右に2本、後頭部の髪の毛の間からも2本、小さく角が伸びている。

 その背中にあるコウモリの翼はかなり大きいようだ。

 ゆっくりと広げて、そこから器用に折り畳んで背中に小さく纏めてみせた。


 おお。

 邪悪だ。

 凄く悪魔っぽいぞ?

 ちょっと頼りなさそうに見えるし体格はアレだが。


 手元には宝石類が色々と溜まってきている。

 そろそろ新しい装備品を作るのも考えて置かないといけないよね?

 探索が楽しくて先に進んでばかりいるけどさ。



「キースさん、それって」


「うむ。クラスチェンジしてね」


 そういうヒョードルくんだが、新たな召喚モンスターはウッドゴーレムにしたようだ。

 堅実な選択ですね。




「あ!クラスチェンジしてる!」


「これはまた」


 イリーナは途中で言葉を飲み込んだ。

 まあそうだよな。

 外見を見たら引くよね?



「あ、私はセージにクラスチェンジしました」


「此花がセージになったので私はグランドサモナーに」


 春菜がグランドサモナー、此花がセージか。

 それにアデルの召喚モンスター、たーちゃんがホークからファイティングファルコンに。

 戦力増強は順調のようだ。





 しばらくオレも交えて雑談してましたが、オレって何かを忘れているような。

 あ。

 新しい召喚モンスター、何にしよう?


 幻月は帰還させて、しばし悩む。

 選択肢は?

 オルトロス狙いで新しくウルフ。

 鵺狙いで新しくタイガーかバイパー。

 テロメア召喚で抜けた瑞雲の穴を埋めるべく、ミスト。

 獅子吼召喚で抜けたレーヴェ、クリープの穴を埋めるべく、ライオンかバイパー。


 だがここは欲望に忠実でありたい。



 ロムルス ウルフLv1(New!)

 器用値  9

 敏捷値 25

 知力値 11

 筋力値 10

 生命力 14

 精神力 11


 スキル

 噛付き 疾駆 威嚇 聞耳



 こいつにしてみました。

 狙いは?

 当然、オルトロスです。


 召喚したてのロムルスの頭を撫でてやる。

 うむ。

 以前のヴォルフと一緒か?

 いや、良く分からんな。


 ヴォルフがオレの足元に寄ってきた。

 感触を比較するように交互に撫でてみる。

 うむ。

 やっぱりこうしないと差が分からん。

 微妙な差だ。


 そこにオルトロスのおーちゃんが参戦。

 うん?

 撫でてほしいのか?

 実際、比べてみたらオルトロスの触り心地はかなり硬い気がする。

 イリーナのブラックウルフであるハウルまで加わっているんですけど?

 何なの?

 急に寄って来て逆に怖いんですけど?



「おお!モフモフが!人気者?」


「いいから助けろ!」


「いいなー」


 アデルよ。

 面白がって見ているんじゃない!

 いや、本当に助けて下さい、お願いします。

 オルトロスに顔を舐められて大変な事になってるぞ?



 では。

 雑談の続きで。

 春菜と此花だが、共にバットとフェアリーからインプを融合させたようである。

 そして空いた枠にはフェアリーを加えたようだ。

 新しくもう1匹、加える事が出来るのだが、敢えてしていない。

 何故かと言えば。

 イルカを召喚出来るようになっていたそうです。

 それは面白い。


 とは言っても会話が脱線した所で気が付いた。

 探索中だよね?

 うむ。

 そろそろ真面目にゲームをしようか?




 再び移動を開始する。

 布陣の変更?

 ヴォルフ、残月、ヘリックス、黒曜、幻月だ。

 変わってないけど変わっている。

 幻月がクラスチェンジしてますからね。


 アデル達も元の布陣になっている。

 まあその一部はクラスチェンジしていて、様変わりしてたりするけど。

 そして春菜と此花は同時召喚が5匹になった。

 追加でインプが2匹、加わっている。

 これは明らかな戦力向上であろう。




 魔物を狩りつつ南へ。

 変化?

 使徒達の出現する頻度がやや増えた。

 相変わらず奇襲を受けているが、騎乗している分、楽が出来ている。

 ユニオンを組んでいるせいか、出現する数が多くなっているが。

 むしろ全体攻撃呪文のいい的だ。

 機動力で最初から最後まで、圧倒していられるのも有利である。

 問題ない。


 そして新たな戦力に生まれ変わった幻月だ。

 時空属性ってどうなのよ?

 見ている限りではグラビティ・バレットと同様の攻撃をするようになった。

 そして防御でもある能力を使ってみせた。

 そう。

 スピンクス相手にディメンション・ミラーと同様の壁を使った。

 間違いない。





 スピンクスにスフィンクスも単体相手ならばもう躊躇なく狩りに行ける。

 アデル達に逡巡する気配はもうない。

 いい感じです。

 慣れてしまえばこんなものだ。


 洗脳ではない。

 洗脳じゃないですよ?





 時刻は午前10時40分。

 狩りをしながらの移動であり、距離はそんなに稼げていない。

 まあそれは仕方ないのだが。

 広域マップではそろそろS6マップの筈だが?

 なかなか手強そうな予感がする。


 半ば砂漠のような荒地が続いていたが、地形に変化が現れ始めた。

 台地。

 それに谷だ。

 台地を縦横無尽に谷が走っているような感じか?

 当然、通り道は谷になるのだが。

 小さくはあるが川が流れている谷もあったりする。

 あまり気にせず、南を目指した。

 谷の中では極端に魔物の出現が減っている。

 ある意味、不気味です。



 谷の途中で不自然なほど広い空間が現れた。

 周囲は崖。

 出入り口は今来た谷のルートしかない。


 いや。

 正面に立ちはだかる崖に何かがある。

 関所か?

 いや、これも神殿だろう。

 崖そのものに彫刻を施してあるようで、巨大な立像が左右に並ぶ。

 そして扉が1つ。

 センス・マジックを使うと?

 目の前の扉からは魔力を感じ取れる。

 封印されているようだ。


 だが。

 その扉の左右を守るように石像が2つ。


 スピンクスにスフィンクス?

 石像だけど。



「金剛力士を思い出すな」


『明らかに大きな戦闘をさせられそうですね』


『このまま行きます?』


 まあそれもいいんだがね。

 全員の意見を纏めてみよう。



「あの石像2つが相手になると思う人、挙手!」


『はい!』


 オレを含めて5名。

 手を挙げなかったのはイリーナだけだ。


「他に何か可能性があるかな?」


『石像はフェイントで、という可能性はどうでしょう?』


「そこまではさすがに分からんよなあ」


 事前情報はない。

 それでいて戦いに臨む、というのは大変だ。

 何が相手になるのか、分からない。

 どれほどの苦戦になるのかも、予測できない。


 あの石像が相手になるんだろうか?

 未知の相手になるんだろうか?

 本当に読めない。



「逃げになるが、一旦フライの呪文でスルーする事も出来るが?」


『キースさん自身、その選択肢は採らないと思います!』


 アデルには最初から見透かされてしまっていた。

 ああ、そうだよ!

 戦う気、満々なのです。



「私は戦うつもりでいる。考えているのは別の事だよ」


『召喚モンスターの布陣ですね』


「そうだ」


 そう。

 それが問題だ。



 色々と意見を交換した上で決まりました。

 布陣はこのままで。

 想定される戦闘エリアはこの広い空間であろう。

 地面も騎馬戦闘を行うのに不都合は見当たらない。

 空も開けていて、空中を飛び回る召喚モンスターにも不都合はないだろう。



「では私が扉にアンロックを掛ける。恐らくだがそれがトリガーだろう」


『では改めて呪文で強化をしておきますね』


 戦闘の前準備は欠かせない。

 オレも呪文で強化を一通り終えると、残月を降りて扉へと近寄って行く。


 さあ、どうなる?


主人公 キース

種族 人間 男 種族Lv25(↑1)

職業 グランドサモナー(召喚魔法師)Lv10

ボーナスポイント残 37


セットスキル

剣Lv10 両手槍Lv9 棍棒Lv9 刀Lv9 捕縄術Lv8

杖Lv19 打撃Lv16 蹴りLv16 関節技Lv16

投げ技Lv16 回避Lv16 受けLv16

召喚魔法Lv25(↑1)時空魔法Lv14 封印術Lv7

光魔法Lv15 風魔法Lv15 土魔法Lv15 水魔法Lv15

火魔法Lv15 闇魔法Lv15(↑1)氷魔法Lv12 雷魔法Lv12

木魔法Lv12 塵魔法Lv13 溶魔法Lv13 灼魔法Lv13(↑1)

錬金術Lv10 薬師Lv8 ガラス工Lv6 木工Lv9

連携Lv17 鑑定Lv17 識別Lv17 看破Lv5 耐寒Lv8

掴みLv14 馬術Lv14 精密操作Lv16 ロープワークLv8

跳躍Lv8 軽業Lv8 耐暑Lv10 登攀Lv9 平衡Lv8

二刀流Lv15 解体Lv13 水泳Lv6 潜水Lv6

ダッシュLv7 耐久走Lv7

隠蔽Lv2 気配遮断Lv2

身体強化Lv14 精神強化Lv15(↑1)高速詠唱Lv15

魔法効果拡大Lv14 魔法範囲拡大Lv14


ステータス

 器用値 19(↑1)

 敏捷値 19(↑1)

 知力値 30

 筋力値 18

 生命力 18

 精神力 30


召喚モンスター

幻月 インプLv8→インキュバスLv1(New!)

 器用値  5

 敏捷値 24(↑2)

 知力値 26(↑3)

 筋力値  5

 生命力  5

 精神力 27(↑3)

 スキル

 飛翔 浮揚 反響定位 魔法抵抗[中] MP回復増加[中](New!)

 変化(New!)時空属性(New!)光属性 闇属性 火属性


ロムルス ウルフLv1(New!)

 器用値  9

 敏捷値 25

 知力値 11

 筋力値 10

 生命力 14

 精神力 11

 スキル

 噛付き 疾駆 威嚇 聞耳


同行者

アデル&イリーナ&春菜&此花&ヒョードル

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― 新着の感想 ―
洗脳じゃなくても思考誘導はしてますよねw
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