92.特別編:勇者マカゼの冒険②
特別編はいつもの弦司視点ではなく、真風視点です。
魔王の居城につきましたけど、モンスターしかいませんね。
「攻略本見たら、魔王は地下七階らしいよ」
「えー!? 城なのに地下に居たらおかしくないですか?
普通上物の城で敵の侵攻阻むんじゃ?」
「うるさいなそう言うもんなんだよ、昭和舐めんな!!」
「えー? 水攻めで全員死にそうですね」
「マカゼは本当ゲーム楽しむの下手な」
「うっ!? 痛い所を突かれました」
「しかし地下ですか、面倒臭いですね床壊して行きます」
かかとで石畳の床を真下に蹴っ飛ばすと、一面の床が崩れて自分諸共下の階層に雪崩落ちた。
それを六回繰り返して、魔王マキヨが待つ地下ダンジョン最下層に辿り着いた。
辿り着いた最下層は都合良く魔王マキヨの住まう王の間だったようだ。
魔王マキヨは食事中だったようで、ちゃぶ台の前で胡坐をかき、カップラーメンをすすっていた。
「フハハハハ!! 勇者マカゼ! よくぞ参った!! ここがうぬの死に場所だ!!
ゴハッ!? 鼻に麺が入った!」
いきなりの訪問にちゃんと仕事する所がエライですね。流石姉さん。
「お姉様、お仕事ご苦労様です。そして突然ですがさようなら」
僕はベレッタM9、9mm拳銃を生み出し素早く構えて姉さんにダブルタップを三回計六発の弾丸を打ち込んだ。
姉さんは僕が銃を構えるのに素早く反応して、ちゃぶ台を盾にしてその後ろに隠れて僕の必殺の弾丸を防ぐ。
「チッ!? 硬い」
僕は素早くM67破片手榴弾を生み出し、口でピンを引き抜き、姉さんの後ろ側を狙ってアンダースローで手榴弾を床に這うように滑らせた。
その間も牽制の為に拳銃は撃ち続ける。
爆音を上げて破裂する破片手榴弾。
姉さんが盾になるので、こちら側に飛んでくる破片は少ない筈。
部屋に煙が充満し、視界が失われた。
僕はマグチェンジをして駄目押しに数発適当に打ち込んだ後、素早く辺りを見回した。
「ガッ!?」
僕は思わず声を上げた。
後ろからいきなり羽交い絞めにされギリギリと締め上げられる。
左腕は首と共に巻き込まれ、捕まれ、身体を宙に浮かされた。
銃を持った右手は銃ごと握り込まれている。
「――捕まえた……」
「っく……!?」
「あたしに勝てるイメージが出来なかったようだな勇者マカゼ!!」
「ゴリラに夢の中でだって勝てる訳がないでしょう……」
僕は自由に動く足を使って自分の右手を蹴っ飛ばし拳銃の方向を変えて引き金を引いた。
拳銃のスライドが後進し、それは魔王の手を叩くハンマーとなって、魔王の手を弾き飛ばす。
そのままフリ―になったM9の9㎜をありったけ魔王の身体に叩き込んだ。
呻きながら倒れ込む魔王。
倒れ込んだ魔王に対して、両手に生み出したガバメントの45口径を14発叩き込んだ。
「――オシ姫はどこですか?」
「ガッハッ……!? 瀕死の相手にそんな事聞くのかよ……」
「早く答えてくださいエッチする時間が無くなるじゃないですか」
「ふ、フハハハ、それは残念だったな、オシ姫は攻略途中のダンジョンに居るんだよ」
「え……? ラスボスの所にいない……」
「ここにあるのはいい感じの光の玉だな」
「……あーそりゃ女の子より世界ですよね……
つーか手元に置かないなら攫わないでください……」
僕はゆっくりとマガジンを取り換えて魔王の頭を打ち抜いた。
――あー僕の中の体内時計だともうじき目が覚めます。
オシ姫助け出すのに間に合いませんねこれは。
「ご苦労さん、オシ姫は助けなくてもクリアできるんだよこのゲームは」
今までどこにいたのかジャーマネ妖精が慰めにもならない事を補足する。
「ハァー……まあ結構楽しかったからいいですけど。
じゃあオヤスミナサイ」
「オウ、またなオヤスミ」
――鳥がチュンチュンと縄張りを争う声で目が覚めました。
「これが朝チュンですか……」
そんな事を独りごちて、いつものように僕は目覚めるのです。
「あ、そうだ。ド〇〇エのゲーム実況しよ」
終わり。




