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91.特別編:勇者マカゼの冒険①

特別編はいつもの弦司視点ではなく真風視点になります。

「おお、マカゼ! 勇者の血を引く者よ!」


 ――あっ、これ夢だ……


 僕は自分の意志で明晰夢(めいせきむ)を見れる人なんだよね。

 眠りが浅かったかな? しかもゲームの夢かぁ……

 まあいいか、目が覚めるまで『僕』に付きあうか。


 夢の中変わった所がないかと自分の姿を確認してみる。

 外見は現実と同じ。

 服装は粗末な布の服だ、中世の文化レベルならこんなものかな。


 キョロキョロしている僕を無視して、玉座に居る王様は言葉を続けた。


「悪の化身、魔王マキヨを倒し、(さら)われたオシ姫を救って欲しい!」

「マジですか!? 弦司(おし)が居るんですか!? 俄然(がぜん)やる気湧いてきた!!」


 うぇへへ、オシ姫でも救いに行きますかー。

 エロい事なんて考えていますんよー。 


「んじゃマカゼ行くか」


 突然現れたのは、30㎝位の小さな妖精の姿になった真雪(まゆき)ママだ。

 どうやらこの世界でのナビゲーターに配役されたようだ。


「急に出てこないでくださいジャーマネ」


 真雪ママは小さな妖精の姿で飛び回っていた。妖精と言うより小悪魔って感じの姿だけど。

 

「んでどうすんの? 真面目にゲーム攻略するの?」

「いえ魔王のお城まで空を飛んで行って最短で倒してきます」


「まーそうなるか」

「僕が無意識にデザインした魔物が醜悪(しゅうあく)な姿だったら嫌ですし」


「分る」

「ギ〇ガーデザインみたいな頭が陰茎のエイリアンが出てきたら落ち込みますね」


「わかりみが深い」

「ド〇〇エと言うより、邪〇剣ネク〇マンサーですね」


「それな」

「サクッと攻略して、僕の醜悪な欲望を開放してオシ姫とR18なイチャイチャをしたいかと思います」


「そこは醜悪な姿晒してもいいんだ……」

「ハイ!」


「滅茶苦茶いい笑顔しやがって……」

「どうでもいい所は端折って行きますよー」


 んじゃ装備をファンタジー勇者風に適当に整えようかな。

 よく見る王道ゲームの羽のついた冠をかぶって、鳥のモチーフが付いた剣に青色の鎧で勇者の恰好をしてみた。


 夢の中なので、ちゃんと想像した通りの格好に変わる。


「んで魔王の居場所はどこかな……」

「最初の街を出たら、海の向こうに見えるのが魔王の城だよ」


「なんで見える所にラスボスの城があるんでしょうね?」

「知らね、堀〇雄二さんに聞いたら分るんじゃないかな?」


「まあ話が早くて助かりますが」


 本当なんで見える所にあるんだろ。

 『船で行け』『飛んで行け』とか言われて現代だったらSNSで炎上してますね。


 古き良き時代です。


 続く。

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