90.頭ナデナデ
「んっ!」
「え? 何?」
「んん!?」
誰もいない放課後の教室、真清が頭を突き出して何かを求めている……
なんだろうコレ? 何して欲しいんだ?
真清は『んーー!!』と言って頭を強く押し付けて来てグリグリと回転させる。
「いやいや、なんだよ?」
「女の子が頭差し出したら“頭ナデナデ”に決まってるだろ!」
「えー? そう言うもんか? 決まってるの?」
「オタク君はこう言うの好きだろ!!」
「そうかぁ?」
俺は知らない文化だけど……
オタクの世界は広大だからなぁ……
「ちょっと待って、今グー〇ル先生に聞いてみるから」
「オタクの癖に知らねーのか! アホか!!」
俺はスマホで画像検索をして、候補を色々と見てみた。
「うーん……女性が好きなシュチュエーション見たいですね」
「そうだな、アタシの読んでいる漫画にはよく出て来る場面だな」
「少女漫画っすねぇ、後は"やおい"とか……」
「?? やおいってなんだ?」
「やまなし、オチなし、いい感じだったかな? いや、意味無しだったか?」
「何それ?」
スマホで素早く検索画像一覧をプリン頭に見せる。
「あーBLな、オタクの間じゃ、やおいって言うのか!?
ってなんてもの見せるんだアホ!」
よくよく調べると最近はやおいよりBLの方がよく使われるのか。
「しかしBLって面白いのかね?」
「――確か何冊かうちにあったなぁ……帰ったら貸してやるよ」
「お、ありがとな弦司、じゃあ早速帰るか」
「あー……」
夕暮れ時を久しぶりに手を繋いで帰った。
「なあ弦司……」
「何?」
「なんでBLなんて持っているの? ホモなん?」
……そういや何で俺はBLの本持っているんだろ?
知らぬ間に日常を侵食されている恐怖、まるで映画だ。
ドギツイBL本も何故かあるが古典的BLの風と〇の詩でも貸しておこう。
うん、解決。
「なあ、あたしに手を出さない理由って男が好きとかなん?」
そう言って真清は俺の腕を掴んで胸を押し付けて来る。
「なあ教えろよ、男が好きなんだろ?」
ニヤニヤしながら腕を谷間に挟んで二つの柔かい脂肪の塊をグイグイと押し付けて来る。
顔が赤くなっているのが自分でも分る。
いや俺は男は好きではない、いやしかしおっぱいが。
先に女の子スキーと伝えなくて、しかしおっぱいの事を言及されて
『女の子のおっぱいが好きなんだ、このスケベ』
とか甘酸っぱく言われてしまうに違いない。
なんだろうこの逃げ道が少ない、答えにくい多重ウザ絡み攻撃は?
『通常いじりがおっぱいで二重ウザ絡みの幼馴染は好きですか?』




