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80.みつどもえ完

  キッチンに付くなり俺は冷凍庫の氷を掴みメルトダウン寸前の制御棒を冷却した。

 冷たいって言うかちょっと痛い。やめた。


 冷蔵庫を覗いて考える。ビールどう持って行くかな……350ml缶2本か500ml缶1本か……

 1本だと一瞬で飲み干して、すぐ取りに行けるが。それは人としてどうだろうか?


 あまりにも自己都合を優先し過ぎではないだろうか?

 真雪(まゆき)さんの満足を考えれば500ml缶2本が人の道として正しいのではないだろうか?


 これなら1本目を飲み干した後、2本目を飲みながら俺のパシリを待つことができるだろう。

 そうするか、ツマミも適当に持って行ってやろう。


 『何かする時は、後の事を考えずに全力』それが俺の哲学です。


 マイバックに必要そうな物を適当に突っ込み俺は小走りで風呂に向かった。


「まいどー、真雪さん遅くなりました」

「遅い! けど許す! 早くもってこい!!」


 真雪さんは俺からビールを奪うなり、景気良くプルタブを開け、ビールに口を付けたかと思うと一気に飲み干した!


「くはーうめぇぇぇ!!」

「真雪さん500、2本しか持ってきてないんですけど……」

「アホか弦司(おし)、クーラーボックスに入れて冷蔵庫の全部持ってこい!!」

「あ、ハイ」


 そう言うと2本目に手を付けて飲み干していた。

 真風(まかぜ)くんや真清(まきよ)の教育に悪い人だな……真似すんなよ?


「真風と真清にはそこから適当に飲んでくれ」

「おう。サンキュー」

「弦司ありがとうございます!」


 ダッシュでパシる俺

 素早く準備をして風呂場に直行。


「ただいま到着しました!」

「おう! はよ寄越せ!!」


 次々に飲み干されるビール、流石に5本目からはペースが落ちて来た。

 真雪さんはぼーっとしはじめ目はうつろになり『ケケケ』と笑い続け、呂律が回らなくなって来た。


「これ危ないからもう風呂から上げるか真清?」

「そーすっか」


「風呂は完成してから日が浅いから運用に問題があるな、なあ真風くん?」

「そーですね。まあ僕は子供なので、ここまでだらしない大人は想定していませんので」


 ぐてんぐてんに酔っぱらった軟体動物を脱衣所に運びバスタオルを敷いて寝かせた。


「ナイスなアイディアだったけど、風呂の時酒は危ないな」

「まーね」


 真清はビールを片手にそう答えた。


「真清助かったわ、サンキューな」

「ん? ああ、別にたいしたことしてないけどな……お、弦司の暴れん坊も大変だな!」


 と言う真清の視線が泳ぎ始め、ある一点に収束し始める。

 真清が見ている先に視線を移すと、そこには立派なテントを張っている俺の益荒男(ますらお)があった。


 ……今更隠して恥ずかしがるのも、何か負けたような気がする……

 これは隠すべきだろうか? ワンチャン気が付かない振りで押し通せないだろうか?


「ま、まあ弦司のビ〇クオーがショータイムしても弦司には罪無しだからな!!」


 こ、コイツ天才かよ!? オタクの俺を超える語彙力(ごいりょく)だろ。


「負けた!」


 アンドロイドのヘアバンドがオープンしたかのような衝撃を真清の天才性に感じ、俺のビ〇クオーは意気消沈した。


「アレ? オタク君こう言うの好きでしょ?」

「好きだ……好きなんだけど……」


 いや完全に不意打ちを食らって落ち着いた……

 男の子のメンタルは繊細なのだ。


 ――気を取り直して真清の白いビキニ姿をじっくりと眺める事にする。


 本来のテーマは、真清の裸を見る事にあるし。

 テーマの回収はオタクとしてこだわりたい部分。

 やっとゆっくりとできる時間が生まれたしな!


 ――真清の上気した肌はいつもとまた違った魅力がある。


 でもまあ、エロいと言うより男らしいな。格好良い部類な気がする。

 いやいや、ここからエロを見出さないと何かに負けた気がする。


 うーん素晴らしい筋肉……股間を凝視しても鼠径部(そけいぶ)の筋肉の盛り上がりと腹筋に惚れ惚れしてしまう。

 駄目だ負けたわ……筋肉に説得力あり過ぎ。

 裸同然の格好でだらしなく股を開いている真雪さんと、ロリショタ真風くんの方がまだエロいよな。

 

 エロをひねり出そうと頭を使って疲れた俺は。

『瓶に入ったコーヒー牛乳はコンビニで売ってないだろうか?』

 とそんな事を考えていた。



 みつどもえ編終わり。

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