79.みつどもえ⑪
『で、……だから……言えば……』
なるほど! 真清お前天才かよ!!
俺は早速ちょっと離れた所に居る真雪さんに近寄った。
真雪さんは風呂のへりに両手を広げてもたれ掛かり天井を見てボーッと見ていた。
俺に気が付きチラリとこちらに視線を移した。
「どうした弦司?」
「あのー真雪さん冷えたビール飲みたくないですか?」
「!?」
真雪さんは驚愕の表情を浮かべ『その手があったか!?』と言うような顔をした。
「――弦司お前天才かよ……」
「俺行って取って来ますね?」
「おう秒でな!」
俺はじゃばじゃばと音を立てながら素早く移動した。
「待ってください弦司!」
「ナニカナ? マカゼ?」
真風が居たのを忘れてたよ。一番の強敵は真雪さんだが。
伏兵で潜んでいたのか……
俺はどんな無理難題が飛び出して来るのかと身構えた。
「僕の分の飲み物もお願いします」
「あ、ハイ」
良かった~
足早に風呂のドアに向かう、途中太腿の摩擦で愚息がむくり起き始めたが、ここまで来たらもう関係無い。
後は風呂場からエスケープして、股間に氷でも当てて強制冷却してやる。
俺はチラリと真清の方を見やった。
真清はニヤニヤしながらこっちを見ていて、親指を立ててサムズアップしている。
手を頭に持って行き敬礼をもって真清に返礼した。
俺は冷えたビールと飲み物を用意するためにキッチンに向かった。
後は風呂場に届けて、ツマミを用意するだの何だと時間を稼げば、酔っぱらってのぼせるだろ。
マジヤバかったー、今めっちゃ歩きにくいし。
ナイスアイディア! サンキュー真清!




