78.みつどもえ⑩
「真清、助けて欲しいんだけど……」
「ハア?」
風呂の中で一通り妄想を終えた後、丁度良く隣に居た真清に話し掛けた。
助けて欲しい。
このまま大過無く風呂から上がって『良い風呂だったね』と皆で笑って、瓶に入ったコーヒー牛乳でも飲みたい。
長湯により血流が良くなり副交感神経が働いて。
我が素敵な如意棒が月まで到達する様な事態は何としても避けたい。
「お、俺のその暴れん坊がどうにかなってしまうのを防ぎたいんだ」
「ハア?」
真清が怪訝そうな表情で俺を見ている。
なんて説明したら良いのだろうか?
素敵な如意棒の話を交えないで。
「銭湯で飲む瓶に入ったコーヒー牛乳って美味しいよね?」
「そうだね」
説明下手かッ!!?
セルフツッコミを入れてしまう程、今の俺は思考能力が無い。
水着美少女二人と水着美女に囲まれて、風呂に入っていれば誰だってこうなる。
大体助けて貰うと言っても具体的なプランを提示できない。
う、ううう……
俺の幼馴染よ俺を助けてくれ……
……余裕が足りない、素直に言うしかない。
「真清さん、俺はこのまま何事もなくお風呂から上がって、みんなでゆっくりしたいんだけど」
「いいねー、うちの家族は癖があって面倒臭いからな」
「だろっ!? だからさ、サクッと風呂からエスケープしたいんだよ、俺を助けてくれ!」
手を合わせて頭を下げ真清さんを拝み倒す。
「ハハッ弦司お前そんな事考えてたのかよ、苦労人だな」
真清はケラケラと笑った。
「イイゼ助けてやるよ、幼馴染が有能で良かったな。弦司ちょっと耳貸せ」
なんかいいアイディアでもあるんですか?
俺は期待に胸を膨らませて真清の話を聞いた。
『で、……だから……言えば……』
!? あーなるほどー!? 真清お前天才かよ!!




