77.みつどもえ⑨
「なー遊んでないでもう風呂に入ろうぜー面倒臭いなぁ」
真清が呆れてそう言った。
同感、いや思春期の俺も入ってるか?
真風くんは黙ってシャワーを浴びて、湯舟に向かった。
それを見たみんながゾロゾロと後を付いて行く。
皆一斉に湯舟に浸かる。
「ふー生き返る……」
色々あって疲れた俺を癒すお湯に心の底から感謝し、思わず定番の台詞が口から出た。
「弦司は今まで死んでたんですか?」
「真風はいい子だねぇ、そう言うのを求めていたんだよ俺は、真風最高かよ!」
「イエーイ! ヤッター! 弦司に褒められました!」
「弦司知ってるか? 風呂に入ると副交感神経が活発になって感度が上がるって?」
真雪さんニヤニヤしながらそう言った。
どっかで聞いた様な台詞だな?
しかしこの人嫌がらせの鬼だな。青少年をそんなにからかってどうしたいのやら。
掛け算をすれば収まるんだっけ?
俺の脳内には掛け算より強い味方がいたような……
~弦司の脳内~
『久しぶりだな弦司!』
『あ、貴方はあなる師匠!!』
『弦司がピンチだと聞いてやって来たぜ』
『あ、ありがとうございます、師匠!
でも今日は真風だけじゃないので師匠の出番は無いです……』
『そう言うと思って今日は助っ人を連れて来たぜ!!
〇〇〇師匠だ!!』
『アウトー!! アウトです師匠!!
許されるのは“あなる”までです!
あ〇花のヒロインのあだ名があなるでしたから、そこまでが世間一般で許されるボーダーです!!』
『えー……』
『なんで両師匠は帰って下さい! ありがとうございました!!』
『ファック!! もう来ねーからな!!』
~現実~
「どうした弦司ぼーっとして?」
「ああ、師匠とちょっとお別れをな……」
「?」
真清は『何言ってんだコイツ?』と言いたげな顔で俺を見ていた。




