7.そう言うの好きやで。
「お兄ちゃんなんて好きじゃないんだから!」
「はい?」
何時も通りの変わり映えしない通学路。
いきなり性別が変わったりしないのと同じで、急に異世界へと変わったりしない。
プリン頭は『お兄ちゃん』の言葉に運動量を込めた。
つまり勢いがあった。
うーん……妹ねー、そこら辺の欲求はプリン頭である程度満たされてるんだよな。
近所の幼馴染とか妹属性に限りなく近いと思うんだよ。
子供はほら、男がリーダーシップ取りたがるし。
満たされているのは、全部お前のおかげやでプリン頭。
「オタク君、こう言うの好きでしょっ……って?
何その気持ち悪い目付き……」
「何でもないんやで、いつもありがとうな」
「ハア? お礼言われる筋合い何てねーし。
本当気持ち悪いな、何か悪い物でも食ったのか?」
そういや中二病にかかるまでは一緒にお風呂に入ってたんだよな。
あの頃の俺は火属性だったから、水を忌避してたんだよ。
今は、強いて言うなら……無属性だろうか。
初めて一緒のお風呂を断った日のプリン頭のガッカリした顔を思い出す。
罪悪感がムクムクと湧いて来るな……
「なあ、お兄ちゃんと一緒にお風呂に入ろうか?」
「は、はあ? お、おまおまおまえ!! 何言い出してんだ!!」
「昔よく一緒に入ってたろ?
やめると俺が言い出した時のガッカリした顔を思い出して……」
「セッ! セクハラー!!
一緒に入った事なんて無いし!!
ガッカリなんてシテネーシ!!」
「裸の付き合い何て今更だろ、俺たちは兄妹見たいなもんだろ?」
「こ、ここここ殺す!! 今日こそは絶対に殺す!!」
――――
目を覚ますと、辺りは真っ暗になっており体の節々が痛んだ。
プリン頭に殴られ気を失ったせいだ。
やれやれ……
思春期の妹を持つと兄は苦労が絶えないよ……
「おう? 目を覚ましたか。
弦司が悪いんだぞあんなセクハラ発言するから」
「だからと言ってこれはやり過ぎだと思うが……」
「まあ弟は姉に虐げられる物だから、許せや。
後でお姉ちゃんが風呂で背中ぐらいなら流してやるから」
「妹では駄目で、お姉ちゃんだったら良いのか……」
よく分からない基準だけど、久しぶりに一緒に風呂に入れるなら気にしないでおこう。
「水着は着るからな!! 変な期待するなよ!!」
「……ハイ」




