68.写真
俺と真清と真風は居間でだべっていた。
別に遊んでる訳ではなく、だらだらと何の目的も無く。ただ三人一緒に居たと言うだけだ。
今日写真集用の写真のサンプルが上がるらしい。
今回真風くんの三冊目の写真集も同時発売と言う事で、
普段は忙しい真風くんも仕事を終えて束の間の休日でだらけている。
「おーい弦司写真のサンプル上がったぞー」
真雪さんが写真集用に撮った写真のサンプルを持って来た。
先週写真集の撮影会が行われたが。特に詳細を思い出す必要性も無いので割愛する。
「…………」
……理想の体型に近づける為のトレーニングの数々
それが終われば何日にも及ぶセクハラの毎日、化粧だセッティングだとスタッフに弄繰り回される毎日
――真風くんはこれを三回も……
『スゴイ!』正直頭が下がる『真風にもっと優しくしよう!』そんな事を決意させるには十分な大変さだった。
撮影の日々で真清がくれた『膝枕券三十回』はあっと言う間に消滅した。
後半は耳かき券が余ったが、これは真清が『膝枕券として転用可』と言う新ルールで解決してくれた。
まあ確かに『三十回も耳かきとか何年掛かるの?』って感じだ。
連続使用で血が出ちゃうだろ。自然と膝枕の姿勢に移行しそうだし。
五十九回の膝枕を経て俺は何とか写真撮影を終わらす事ができた。
本当真風くんには優しくしよ、俺のおっぱいを使わせることも辞さない。
自由にさせて何をするのかは想像できないが……
……しかしなんで男の俺があんな面積の小さいビキニを着て恥ずかしいポーズを取らなきゃいけないんだ……
不条理だ、解せん……
「おー、写真来たか、ママあたしにも見せてくれ」
真清が声を上げる。
『はいよ』と真雪さんがリビング用机の上に写真を広げる。
真清が食い入るように俺の肌色写真を見ている。
まさに真剣そのものだ。
眼力が凄い。
何やらブツブツと呟いて自分の世界に入っているが、
その呟きの内容を聞いてしまうとSAN値チェックが必要になると思う。
天才の考えは常に不可解だ。
「ふーん……カワイイじゃん、実用性高そう……」
真清がそんな事を呟いた。
「……真清さん実用性って何ですか?」
真清が顔を赤くして急に叫んだ。
「うっわっ!? エッロ!! 弦司お前恥ずかしくねーのかよ!?」
真清が写真を持って俺に向ける。
……わざわざ俺に見せるな……
出来上がった写真を見て改めて撮影の数々を思い出し恥ずかしさがこみ上げる。
恥ずかしいに決まっているだろ!
急速に顔を熱くなっているのが感じられる、その熱が耳まで伝わった。
いじめか? いじめなのか?
ひどく感情を揺さぶられた事で自制が利かなくなり真清に叫んでいた。
「お前も『やれ』って言っただろ!!」




