60.結婚したら?
「手なんか繋いだら赤ちゃんが出来ちゃうだろ!」
「ハア?」
惣菜の香りが漂う商店街を通り抜け、人気が無くなる道路に差し掛かる頃
幼馴染の真清がそう言った。
うわー……なんか懐かしいな。これ一年前位に言ってたよな。
この一年なんやかんやあって、なにやら一周した感じだな。
感無量と言うか、なんか胸にこみあげてくるものがあるな!
赤ちゃん? 手を繋いでできる訳ねーだろ!
と言うのはあえて黙っておく。
「フフン、オタク君こう言うの好きでしょ!!」
「好き、大好き!」
もうスキスキスキ大好き! 結婚したい!!
「おおう!? 今日の弦司はなんかちょっと引くぐらいにテンション高いな!」
「色々ありまして……、じゃあ手を繋いで貰えるかな?」
「うわーなんかちょっと怖いなぁ……まあいいけどさ」
「ありがとうございます!」
「うわ……なんか滅茶苦茶しっとりしてるんだけど……」
真清が短いまゆを下げ、ちょっと嫌そうな顔をしている。
「――恋人繋ぎしよっか? うひぃぃぃ!? メチャベタベタしてるぅ!!?」
叫び声を上げながら何故か嬉しそうな顔をする真清
そう嫌がられとちょっと傷付くんだけど……
そう思いながら通学路を二人で手を繋ぎながら帰った。
真清は上機嫌で腕を小学生見たいにブンブンと振るっている。
「いつか赤ちゃんできるといいな?」
真清は顔を赤くして『ニシシ』と笑った。




