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6.仰げば尊し

「好きな人としかしちゃいけないってお母さんが言ってたし……」


「ハア?」


 眠気と戦う為の時間である授業と言う名の修行。

 尊い修行中にも拘わらず、プリン頭は人の目も気にせずネタをぶっこんでくる。


「そう言うネタってどこから仕入れているの? エロ本?」


 俺の部屋で一字一句違わない台詞見たような気がするんだけど。

 俺の気のせいかい?


「フフン、オタク君こう言うの好きでしょ?」


 幼馴染のプリン頭はいたずらっぽく笑う。

 とても可愛い。好きだ、結婚したい。


「オ、オタクじゃねーし!? そんなの全然好きじゃないし!」


 ケラケラと笑うプリン頭。


「顔赤いし。

 んじゃ好きじゃなくてもできるか試してみようかオタク君」


「いやいや机くっつけて教科書見せるだけだろ?

 好きとか嫌いとか関係あるの?」


「ごちゃごちゃうるせーんだよ! 早くしろ!!」


 プリン頭のこう言う所は本当ヤンキーだ……


 机をくっつけるなりプリン頭はシャツの第二第三ボタンを外し始めた。


 大きな隆起を伴った肌色が露わになる。


「ああ、アレはチョモランマ?」


 突如現れ我々の行く手を阻む胸の谷間(クレパス)よ。


 我々に何の咎があってそのように振る舞うのか。

 好奇心こそが罪だとその深淵で語るのか。


 神よ許し給え……


(オ、オイ、お前今授業中!)

(へー何の事? 別に暑いだけだし、見なけりゃいーじゃん?)


 悪魔的誘惑。

 無視できる雄が存在するのだろうか?


 いや無理だ、少なくとも俺には不可能だ。


 俺は隆起する偉大な山脈から目を離す事が出来ない。

 神々の住む(いただき)


 俺が神気に当てられ意識を失って30分程たった頃だろうか。


 神々の住む山が胎動し始めた。

 大きく揺れ動き春の訪れを示すかのように。


 雪解け水は山肌を()らした。


「お、お前ガン見し過ぎだろ……ふざけんなよ!!」


 小鹿の様に震え、顔を赤くし子供の様に頬を膨らませている。


「ふう……あまりにも美しかったので目が離せなかった……

 触っても……良いかい?(イケボ)」


「こ、ここここ殺すっ!!」


「素晴らしい物を見せて貰った。

 そう僕は愛の様な物を感じた。

 これはやましい気持ちなんて無いんだ(イケボ)」


「い、今のお前はなんかヤダ!!

 全然好きじゃない!!

 好きでもない奴に触らせたりしない!!」


 そう言い放つと立ち上がり教室から出て行ってしまった。


 授業中だが誰も気にしないのはヤンキー故の人徳だろうか?

 プリン頭を怒らせてしまったようだ。

 後で謝りに行こう。


 しかし言葉にするのも恐ろしい『アレ』は本当危険だ。


 意識がどこかに繋がってしまった多用しないで欲しい。

 自分でも今はちょっとおかしい気がする。


 確かに机を隣り合わせに教科書を見るのは危険だな。

 好きな人とじゃなきゃ無理だろう。

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