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55/109

55.美少女?

 阿我妻(あがつま)家の玄関には大きな鏡がある。

 真風くんがお出かけ前に外見チェックをする為の物だ。


「美少女か……」


 鏡の前でポーズをとってみる。

 確かグラビアポーズは貧乳だったら反って、巨乳だったら丸くなるだったな。

 俺は貧乳だから反って見るか。

 手を頭の後ろにして腰を捻ってみる。


「ウフーン……」


 なんかピンと来ないな……グー〇ル先生に聞いてみるか。

 ふむふむ、脇見せね……上半身裸になってみるか。


 シャツを脱ぎ上半身裸になってもう一度ポーズを取ってみる。


「アハーン……」


 お!? 結構イケんじゃね?

 おーおーちゃんとカワイイ! カワイイよ!


弦司(おし)お前の何してんの……?」

「ゲッ!? 真清(まきよ)


 夢中になってて気が付かなかった!

 狙いすましたような最悪のタイミングで現れやがった!

 逆ラッキースケベか!?


「いやこれはその……」

「心配しなくても弦司はちゃんと可愛いよ(イケボ)」


 くっそ! 何でそんなにイケメンなんだよ?


「ほら、見ててやるからあたしの前でもう一度ポーズとって見ろよ?(イケボ)」

「くっそ、オラァ!! 存分に見やがれ、参ったか!!」


 鏡の前でとっていたのと一緒のポーズだ。


「にゃんにゃん!」


 猫手にして跪いて猫見たいなポーズも取ってみた。

 ふふふ、ドン引きだろこれは!


「ムフー……弦司はマジで可愛いから困るな、なんか興奮してきた!!」

「アレ? 真清さん目が怖いですよ?」


「ナデナデしていい?」

「えー? まあいいけど……」


 ナデナデナデナデナデナデ!


「こすり過ぎだろ! 火が付いたらどうすんだ!」

「キャー!! 弦司カワイイ! 最高!!」


 そう叫ぶと真清は飛びかかって来て強く抱きしめて来た。

 そのまま二人で倒れ込み、廊下を何度もゴロゴロと転がった。


「カワイイ! カワイイ! カワイイ! カワイイ!!」

「アワワッ!?」


 ひとしきり廊下を転げまわって何度もナデナデスリスリされた挙句おっぱいを何度も押し付けられた。


「ハァハァ……こ、これで弦司がどれだけカワイイか分かって頂けましたでしょうか……?」

「――真清さんなんかいつもとキャラが違いますね……」


「あ、あたしがこの衝動を何年我慢してきたか……弦司の可愛さは凶器だ」

「それは悪うございましたね」


 呼吸が落ち着いてきたら、背後から殺気を感じた……

 後ろを振り向くと壁の陰に居た真風(まかぜ)くんが、巨大な陰の気を纏って立っていた。


「真風、い、何時からそこに?」

「弦司が鏡の前で『ウフーン』と言っていた辺りからです」


 ガクー……もう死にたい……


「弦司も姉さんも程々にして下さいね……」

「「ハイ……」」


 真風くんは巨大な陰のオーラを引きずったまま部屋へと消えて行った。


 最近の真風くんマジこえーよ。

 何だろうか一体?

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