54.美少女
【百合】今夜重大発表! オタク君に何かが起こる!【事故】
『ハイどーも、二次性徴なんて怖くない、真風くんちゃんねるです!』
『こんばんは! アシスタントのオタク君です!』
『今日はオタク君のソロデビューが決定しました~パチパチパチ』
『へっ? 俺聞いてないよ?』
『オタク君素はやめてくださいね~(その素人臭さが人気なんですが……)』
黒い真風くんが一瞬出てた!?
『は、ハイ、ゴメンなさい!』
真風くんは現場に入るとプロ意識が高くて正直怖い。
『オタク君のチャンネル登録数でオタク君の写真集発売が左右されますので皆さんチャンネル登録お願いします』
『チャンネル登録お願いします!』
(写真集ってなんだよオイ!! 俺は脱がないぞ絶対に!!)
収録を終えて真雪さんが運転する車の中
後部座席に俺と真風くんが隣り合って座っている。
「真雪さんソロデビューって何ですか……それに写真集とか」
「人気があるんだからしょーがないじゃん」
「俺絶対に脱ぎませんからね!!」
「馬鹿だねー、DVDとかも出してもう働かなくていい位稼げるだろうに、なあ風くん?」
真風くんは先程から押し黙って何か思い詰めたような顔をしている。
「僕はお金の為だけにアイドルしている訳では無いので……分かりません」
うわ……!? なんかマジだよ真風くん……
不穏な空気を感じ取って真雪さんはその後黙ってしまった。
纏った緊張の空気が取れない真風くんには話し掛け辛くて、
みな押し黙ったまま、重い空気の中の帰宅となった。
翌朝朝早く起きてキッチンに向かうと
キッチンでは食卓の座席に真清が足を組んでコーヒーカップ片手に新聞を読んでいた。
「真清おはよう」
「おはよう弦司」
食卓の座席を引いて真清の真正面に座る。
「聞いてくれよ真清」
「なんだよやぶからぼーに……」
「Yo〇Tubeで人気が出て真雪さんが俺をソロデビューさせようと画策してるんだよ」
「へー……」
「なんで俺なんだよ、男が人気とか世の中おかしい奴しか居ないのか?」
「ふーん……」
「更に俺の写真集まで出そうとしてるんだぜ、絶対に頭おかしいよ!」
「ふーん……」
「男の裸なんて見て何が楽しいのかね? 真風くらい美少女ならともかく」
「――弦司、お前……もしかして自覚ないのか……?」
真清が目を丸くして俺を見て驚愕の表情を見せる。
「何が?」
「――お前、外見はものすごく美少女だからな?」
「へ?」
――俺って美少女だったの?
嘘だろ?
いつから?




