52.焼肉!②
BBQとは戦争なのだ。
ここから熟練兵士の戦い方をお見せしよう。
BBQとは一も二もなく火起こしに掛かっている。これが遅れると餓えたケダモノ共が吠え始める。
『お腹空いた!! 早く!!』
『火力が弱い!! 早く!!』
『俺が育てた肉を食うな!!』
『誰だ野菜何て焼いたの邪魔!!』
と地獄絵図になるのである。
しかも何もやらない手持ちぶたさな奴に限って五月蠅いのである。
「おーい! 弦司遅いぞーつまみまだかー!!」
――ホラ
ビール片手に浮かれた真雪さんが騒ぎ始めた。
とにかく素早く火を起こし火力を安定させ、食わせるのが黙らせるのがコツだ。
と言う訳でバーナーで炭を炙って素早く火を付ける。
スピードこそが全てで正義だ! 他の選択肢など無い!!
~10分後~
「おし! 火力が安定した、肉焼くぞ肉!!」
「弦司は相変わらず仕事が早いですね。
女の子にもこれぐらい手を出すのが早ければいいんですけどねぇ……」
真風くんが憎まれ口を叩く。
「今ソレ関係無いだろ!」
俺の小遣いで買われた肉が網の上に並べられる。
うーん壮観、この為に焼肉をするのだと言っても過言ではない。
焼肉は二種類の人種に別れる。
『適当に焼ければいいじゃん』と言う『食欲優先派』と
肉をとことんまで焼いてウェルダンにしたい『育てる派』だ
真雪さんが前者に該当し、真清、真風くんが後者に該当する。
つまり放っておけば真雪さんに全部肉を食われてしまうのだ。
ましてや今回のメインは牛肉、これは結構焼き加減が早い段階で食えてしまうのだ……
じりじりと焼けていく肉を見ながらどう配分するかを考えていた。
「表面焼けてりゃもういいわ、弦司さっさとその網の上の寄越せ」
いち早く動いたのは当然だが真雪さんだ。
真雪さんはヤンキーで普通に雑だ、
二代目ヤンキーの真清は昭和に近い一代目に比べると意外と女子力が高く細やかである。
真風くんは良く焼くべき豚ホルモンを食べるので、一番割を食うのは真清だ。
『うまい』とも言わずに黙ってバクバク食べてはビールを注ぎ込む真雪さん。
その横でじっくり焼きあがったホルモンをパクパク食べる真風くん。
俺と真清はその光景を黙って見ているしかなかった……
そうBBQとは戦争なのだ……




