5.誰かお医者様を!?
「なあこれって風船か?」
「ハア?」
風吹きすさび暗雲が立ち込める帰宅途中の通学路。
ついに恐れていた日が来てしまったようだ……
公衆の面前でイカれてる。
「どう見てもアレなんだが……
恥と言う概念を母親の胎内に忘れてきたのか?」
「オ、オオ、オタク君こう言うの好きだよね?」
「めっちゃどもっているし恥ずかしいなら止めろよ……」
とても可愛い。正直好きだ。
「え、何も恥ずかしくないよ? だってコレは紛うこと無き風船だし?」
「アホの子なの?」
「アレレーこれどうやって使うんだろー? 誰か教えて欲しいなー」
「なぜ助けを求める様にこっちをチラチラ見ているのか」
――しょうがない……乗ってやるか。
プリン頭の腰を抱きかかえ引き寄せた
「弦司!? な、なにいきなり触ってんだ!!」
「俺が……使い方を教えてやるよ……(イケボ)」
プリン頭はモミジの様に赤くなり、その体からは力が抜けた。
目を逸らし震えている。
「あのそのあのそのあのその……
こう言うのってよくないと思う。
やっぱ大人になってからじゃないと……」
風船設定はどこに行ったのだろうか?
「オ、オタク君も好きだよねー、ゴメン!! また明日!!」
全力ダッシュで消えてしまった……
手を放すと遠くに飛んでしまう風船のように。
プリン頭の安っぽい甘いシャンプーの匂いだけ残して。
恥ずかしいなら、人をからかうような事やめような。




