表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

49/109

49.お風呂④

「アッ!? ヒッ!! イヤ!! ヤメテ! ちょっと待って!!」

「気持ちいいですか? 我慢しないで下さいね……」


 ぬるぬる、ぬるぬるが! いやこれ。ヤバイからマジで!

 もう下半身のフルブレイカーは完全に臨戦態勢を迎えていた。


「だ、誰かたしゅけて……、し、師匠……」


 薄れゆく意識の中、俺は無意識に師匠に助けを求めていた。

 あなる師匠なら何とかしてくれる。



  ~弦司(おし)の脳内世界~


『男は度胸何でもやってみるさ』


 こ、この声は悪のあなる師匠!?


『止めなさい、素人が下手にやると怪我をしますよ……』


 正義のあなる師匠!?


『うるせー良い子ぶってんじゃねー!!』


 そう言うと悪師匠は正義師匠の股間をむんずと掴んだ。


『キャッ!』


 正義師匠は思わず短い悲鳴を上げた。


『このうやったわね!! エイ!!』


 負けじと正義師匠は悪師匠の股間をむんずと掴み返した。


『やったなこのーアハハ』

『キャ!? 止めてよ~悪くん』


 …………脳内でクソうるせー!! 俺の脳内はハッテン場じゃねーから!!

 どっちの師匠も帰ってくれ!!


 『『イヤン!?』』


 以上のやり取りが俺の脳内で行われ、完全に危機水域だった俺の益荒男(ますらお)はすっかり平常を取り戻していた。

 ありがとうあなる師匠! もう二度と出てこないでくれあなる師匠!!



 ~現実世界~


「…………」

「アレ? なんか弦司大人しくなっちゃいましたね?

 もしかしてでちゃいましたか? ちょっと失礼しますね?」


 そう言うと真風(まかぜ)くんは俺の身体に手を掛けて、うつ伏せになっている俺の身体をひっくり返した。


「こ、これは!?」


 驚きの声を上げる真風くん。

 俺は瞳はその時深淵を見ていた。

 電灯が眩しい……生とは、生きるとは何なのだろうか……我慢だけが人生なのだろうか。

 こんなクソ見たいな世界を俺は生きていたくない……


「か、完全なる平常モード、何と言うドーテー力……ちょっと尊敬します」

「お、俺の実力じゃないさ、師匠のおかげだ……」


 一仕事終えてやり切った俺は真風くんに親指を立てて、サムズアップをした。


「じゃあ遠慮無く本気出せますね」

「え? 普通ここで終わらない? 俺頑張ったよね?」


 真風くんがローションを自分の身体の前面に塗りたくる。

 滅茶苦茶エロい絵面なんだけど、マジか? ふざけんなよ!?


 間髪入れずに真風くんが飛びかかって来た、さしたる抵抗もできずに真正面から組掛かられる。

 真風くんが体を上下に激しく動かして来た。


「どうです弦司?」

「ヤメロください! マジでもう無理!!」

「お次は松葉くずしです!!」


 何とか抵抗しようと試みるがぬるぬるが邪魔をして思うようにいかない。


 もう駄目だと思った次の瞬間、ガラガラと音を立てて風呂場のドアが開けられた!


「――あんた達……何してるの?」


 風呂場に入って来た全裸の女性は、真風くんのお母様、阿我妻 真雪(あがつま まゆき)さんだ。

 腰まである金髪の美人さんで非常にボリューミーな立派な肢体をしていらっしゃる。

 お母様は若くして子供を産みこの人もヤンキーだ。


「ジャーマネ……じゃなかった……ママ……」


 松葉くずしの姿勢を取っている真風くんは、顔面蒼白


「ど、どうして……!? 鍵はちゃんと閉めておいた筈だったのに……」

「悪いな真風くん、鍵は外させて貰ったよ、保険が利くかどうかは完全に賭けだったがな――(イケボ)」


 真風くんの下になり松葉くずしで組み敷かれている俺は今世紀最高のキメ顔で言った。


「ば、バカな僕の完璧な計画がそんな事で……」

「二十四時間ラッキースケベを狙っていたのが仇になったな(イケボ)」


「――んで、お馬鹿のあんたらはそんな恰好で一体何やってるの?」


 全裸を晒し照れもしないで、あきれ顔で真雪さんはそう問いかけて来た。


「ス、スキンシップですかね……」 


 俺の太腿を抱え込んだままの真風くんがそう雑に取り繕った。


「ふーん、まあ程々にしてね……じゃあ続きを楽しんで――」


 くるりと振り向き風呂場から出ようとする真雪さん。


「待ったー!! 真雪さん!! マジ助けてください!!」

「えー……もういいじゃん、えっちしたら?」


 『犬も食わない』とばかりに心底面倒臭そうな顔する真雪さん。

 対照的に真風くんは『パーッ』と言う効果音が出そうな程、嬉しそうな笑顔に変わった。


「助けろって言ってるだろ!!」


 片足を上げ真風くんに組み敷かれた格好のまま

 常識の通じないラスボスに俺はマジで切れた。



 お風呂編終わり。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ