41.お風呂
学校から帰ると隣の幼馴染の家の周りに足場が組まれていた。
聞いてないが、どうやら増改築工事をするらしい。
外では真風くんが、工事責任者らしき人と話し込んでいる。
増改築工事するのか、そーいや真風くんの隣の家売りに出てたな。買ったんだ。
それと繋げて二軒分の土地で家を増築するのか。
随分と豪勢な話だな、幾らぐらい掛かったんだろ?
「おーい! 弦司ー!」
工事責任者との話が一段落付いたのか真風くんが呼びかけて来た。
「よー、真風これ凄いな、工事期間ってどれくらい掛かるの?」
「そうですねー、一か月程度掛かる見通しです」
「はー凄いね、どんな感じになるの?」
「ふっふっふ、よくぞ聞いてくれました!!」
「え? 何この嫌な予感しかしない前口上、もしかして地雷踏んだ?」
「なんと! 一棟丸ごとお風呂場にしたんです!! サウナも付けます!!」
「おお!? 流石! 天才の考える事は意味が分からない!」
「僕は研究したんです、どうすれば弦司ともっと仲良くできるのかを……
そして“To L〇VEる”から学んだんです! 取りあえず一緒にお風呂に入ればなんとかなるとッ!
名付けて『お風呂でラッキースケベ丸裸イヤーン大作戦』です!」
凄いんだか馬鹿なんだか分からないな……
ダークネスが深いな。
紙一重と言うか流石に馬鹿だなこれは。
「いやいやそれ俺に喋っちゃ駄目なんじゃない?」
「ハッ!? しまった……」
真風くんは目を潤ませ上目遣いで俺を見つめて来た。
「弦司……一緒にお風呂入ってくれますよね?」
演技掛かっているなぁ
うーん……
ここまでやって流石に「駄目」とか「嫌」とか鬼畜過ぎるだろ。
「しょうがないな、まあいいぜ、エロい事すんなよ」
「ハイ、し、しますん……」
「それどっちだよ――」
「あ、ありがとうございます弦司! じゃあ僕ちょっと話して来るんで後で!」
「おー頑張ってなー」
笑顔で大きく手を振って走って行った真風くん。
遠目で見ると無邪気で可愛いんだけどな。
さ、家に帰ってうがい手洗い歯磨きでもするかな――
家に入るなり真っ先に洗面所に向かう、ウイルスこえーからな、うがい手洗い!
洗面所に繋がるドアを開けると、そこには全裸の幼馴染である金髪ヤンキーの真清が立っていた。
うちは洗面所と風呂場が繋がっているのだ。
肩まで伸びた濡れた金色の髪、筋肉質で均整の取れた身体、
脂肪が削ぎ落され、ビシッと線が入り隆起する肩、腕、腰、腹筋、太腿
広く四角く角ばった肩、筋肉の上にお椀が乗せられた様な豊満な胸部、各部と同じく隆起を見せる鼠径部
真清は大きく目を見開いて俺を真っ直ぐに見据えた。
その後真清は大きな溜息をついた。
「ハア―……、諦めた――弦司、好きなだけ見ていーぞ」
「ありがとうございます! 存分に見させて頂きます!」
真清は腰に手を当て再度大きく溜息をついた。
腕組をして仁王立ちになり『どうだこの野郎!』と言わばかりの堂々とした立ち姿
顔がみるみる赤くなり耳まで真っ赤にしている、真清の体から落ちた水滴が洗面所の床を濡らした。
「あ、これバスタオル……」
「遅いッ! じっくり眺めやがって」
バスタオルを奪い取り背を向けバスタオルで体を隠す真清
乳とか尻とかはみ出てて一枚では足りない様なのでもう一枚手渡した。
「あ、あたしの身体、どうだった?」
「エロ恰好いいですッ!」
「そー言うのじゃなくて! 綺麗とか可愛いとか美しいとか至高とか究極とか芸術品だとか!!」
「お嫁さんにしたいです!!」
「そ、そう……ハクチッ!」
湯冷めしたのか真清は可愛いクシャミをした。
計らずも真風くんの『お風呂でラッキースケベ丸裸イヤーン大作戦』はここに成就した。
いい物が見れた、ありがとう真風師匠! 本当にありがとう真風師匠!!




