37.ご褒美
真風くんの部屋に入ると鍵を閉められた。
真風くんの部屋は仕事場だ、配信の機材が所狭しと並べられている。
音楽活動用の機材もあるので、非常に雑然としながらも
仕事人と言う硬派な雰囲気を漂わせている。
「んでなんか用なの?」
「弦司のそう言う自然体な所好きです、もう結婚したいです」
「――結婚はもう分かったから本題に入れよぅ……」
「弦司がこの前配信手伝ってくれたからご褒美上げようかと思って――」
「あー……アレネ……」
真風くんはベッドに腰を掛け、スカートから伸びた白い太腿を二度テシテシと叩いた。
「ママに甘えてくれて、いいんですよ?」
「いやゴメン、弟ママはなしで……」
この世の終わりの様な顔をする真風くん。
「え、えええっ!? バブみと膝枕を誰よりも愛する弦司が弟ママを拒否するんですか!?
ぼ、僕に何か落ち度がっ!?」
「だって真風、肉体接触するとすぐおっきくするじゃん」
ひどく衝撃を受けたのか、ファンに見せられない様な顔をする真風くん。
「――いやだってそれは……す、好きだからそうなるのは仕方が無いと言うか……」
あっ!? ヤバ、ちょっと言い過ぎたか?
確かに同じ男として共感する、そうなるのは仕方がないな。
言い過ぎたな、謝ろうかな……
「じゃ、じゃあ、僕を使ってください、僕の処女上げますから。
ほ、ホラ、げ、現役小〇生アイドルですよ?」
「――重い……」
真風くんいつも重いよ、なんつーか必死すぎる。
好意を向けてくれるは当然嬉しいんだけど重すぎる。
「僕じゃ駄目ですか……?」
真風くんは変に潤んだ大きな瞳を上目遣いで向けて来る。
幼いながらも整った顔立ち、痩身で長い手足
あちこち隙間のあいた緩いワンピース。
だ、駄目じゃない……全然駄目じゃない、むしろ喜んでいい所だと思う。
正直な事を言うとすでに勃起してる。
――だ、大魔王からは逃げられない……!?
どうすればこの危機的状況から逃げられるのだろうか……?
危機は目の前にあり火急なのだ。
命を獲りに来ている強い殺意に、俺の灰色の脳味噌が悪魔的発想を叩き出した。
そうだ……こんな時こそ“師匠”の教えを使う時なんだ!!
~あなる師匠の教え~
第一条:出す前に出すべし。
第二条:洗うべし。
第三条:ローションを使うべし。
第四条:愛撫すべし。
第五条:拡張すべし。
――マジ面倒くせぇ~……
愛撫位しかできる事無いし。
そう何回か唱えているうちに荒ぶる益荒男は平常時の落ち着きを見せた。
ありがとう! あなる師匠! 本当にありがとう!! あなる師匠!!
平常を取り戻した俺と益荒男は真風の誘いを冷静に断る事ができる筈
「――真風、駄目じゃないんだ……でもゴメンな……(イケボ)」
真風くんは大きく目を見開き驚きの表情を貼り付かせていた。
「え、演出家の監修を受けて練り上げのに……
僕の誘惑をはねのける弦司は凄いですね……」
「俺の実力じゃない――師匠のおかげさ(イケボ)」
「嫁兼 弦司はクールに去るぜ……」
「おっきくしてた癖に……」
「――嫁兼 弦司はクールに去るぜ……」
「そんなんだからドーテーなんですよ?」
「クールに去るって言ってるだろッ!」




