31.特別編:プリン頭その動機に迫る③
特別編は、いつもの弦司視点の一人称ではなく真清の視点で物語が進みます。
「真風なぁ……」
あたしは誰もいない放課後の教室で、椅子を数脚、横に並べてベッド代わりにして寝ていた。
弦司と一緒に帰る為に待機中だ。
無機質な白い天井を見て弟の事を考える。
真風の弦司に対するあの気迫はなんだろうか?
『ここで弦司を落とさないと死ぬ』と言う覚悟が見える。
あたしも武道を嗜む一人として見立てるけど、アレは本気だ。
気合が違う、正直恐ろしい。
真風は『可愛いは正義』と思っているからな……
まあ『大人』になったら、今の様な可愛さを維持できるか分からないけど……
――ああそれでか……
カワイイ真風は、成長と共に死ぬのか。
だからまるで明日が無いようなあの覚悟を見せるのか。
あたしは背筋が凍る様な感覚に襲われた。
体の震えが止まらない。
『真風に弦司を奪われても不思議ではない』
素直にそう思った。
真風の様に明日を捨てて掛らないと、この戦を勝つのは難しいだろう。
「いのち短し恋せよ乙女、明日の月日はないものを……」
そう、独りごちた。
しばらく目をつむっていると弦司の声がした。
「おーい、帰るぞ」
まーいいか、なる様にしかならないか。
あたしは起き上がり様に素早く自分のシャツのボタンを外し胸を限界まではだけさせた。
弦司が警戒して身構える。
用心深い弦司の態度に舌打ちする。
「オタクくん、ナニ警戒してるのかなぁ~? こう言うの好きでしょ?」
両手を虎爪の様に立てて、両腕を上げて弦司捕まえるべき構える。
ジリジリ弦司との距離を詰める。
「や、止めろ、その武器を捨てるんだ! お母さんは泣いてるぞ!」
弦司はまだ冗談を言える余裕があるようだ。
なんかテンション上がって来た!!
あたしは手早くブラのホックを外すと、シャツの隙間からブラを引き抜いた。
胸が震え重力に負けてちょっと垂れ下がった。
「イヤイヤ、それはマジで止めろ!!」
「フフン、オタク君こう言うの好きでしょ!」
焦っている弦司はカワイイ。
あたしは手に握ったブラをホイっと弦司に向けて投げた。
「うぉッ!? は、はしたない!!」
ブラに気を取られた弦司との距離を一気に詰め、弦司を捕まえて、そのまま押し倒す。
倒れ込んだ弦司に馬乗りになり、両手を掴んで地面に抑え込んだ。
「へへ、捕まえた!」
顔を真っ赤にして恥ずかしそうに顔を背ける、弦司。
可愛すぎる、胸が締め付けられる。
尊い。
両手は弦司を押さえつける為に塞がっている。
あたしは弦司に自分の顔を押し付けた。
猫が顔をこすりつける様に、鼻や顎や頬を使って顔を正面に向かせようと押し相撲をする。
嫌がって抵抗し何度も顔を左右に倒し逃げる弦司。
猫がじゃれあう様に何度も顔を擦り合せ、甘噛みし、弦司の顔を追いかけた。
ガルルーッ! ガフッガフ!
オタク、捕まえた。




