24.俺を喜ばせる?
「明かりを消してください……」
土曜の夜遅く、既に日も落ち晩飯も済ませて何もしなくてよい時間。
ゲームに疲れて俺のベッドで寝ていた真清は、
のそりと起き出してかすれ気味の声で言った。
寝起きで寝ぼけているのか、半開きの目で口を開けている。
布団の中で服を脱いだのか、何故か上半身裸で下着が見えて居る。
肩ひもが肩から外れていて、微妙にだらしない。
真清の姿を見ても『エロいなぁ……』と感じないのは、
真清の身体が筋張っていて何か格好良いから。
角ばった身体つきの上に、ウェイト制限がある競技をしているので体脂肪率も普段から結構低い。
肌色が多くても残念ながら格好良い部類なのである。
「ああ、眩しかったか? 電気消すわ」
電気を消して、真っ暗になった部屋から出ようとしたその刹那。
後ろからいきなりがっしりした物に強く抱きかかえられ、
そのままの勢いでベッドの上に投げられた。
「うおッ!!?」
なんだ!? 何が起きた!?
部屋は真っ暗で何が起きたのか把握できない、とにかくベッドの上に投げ出された。
ベッドがギシリと音を立て、体の上に何か重くて生暖かい物がのしかかってくる。
熱い吐息が耳に掛かった。
「オタク君こう言うの好きでしょ……」
暗闇の中から真清の声がする。
「え!? 何が?」
「じゃあオタク君……始めようか……」
「何を?」
「夜の……運……動……」
そう言うと重くて堅い物が体の上に乗って来た。
真清はこちらを抱きかかえ、締め上げる様なハグをしてくる。
逃げようと思ったが身動きすら困難。
更に足まで使ってこっちの体を締めあげて来る。
なんだこれ? 『だいしゅきホールド』なのか?
全身が滅茶苦茶痛いんだけど。
締め上げ過ぎだろ、常識で物考えろ!
「真清さん、マジで痛いんだけど、離してお願い……」
暗闇の中から寝息が聞こえ、リズム感を伴った吐息が顔に定期的に掛かる。
寝てやがる……
痛い?、痛い!、痛い!!
「ねえ止めて? 止めて、ヤメロ! オイッ!!」
身悶えしていると、ゆっくりと意識が遠のき、不意に身体が楽になった。
~次の日の朝~
「おわ!? 弦司なんで一緒のベッドに寝てるんだ!!
うわっ!? 下着だ!!」
五月蠅いキンキラ声で目が覚めた。
小鳥が朝から縄張り争いしている。
いわゆる朝チュンだ。
「お、弦司、テメー!? あたしになんかしてねーよなッ!!」
みるみる真清の顔が熱を帯び始める。
「……ハイ、俺がエッチないたずらをしました、スケベでごめんなさい。
正直に罪を告白しますから。
だからもう、万力のような『だいしゅきホールド』は許してください……」
俺は出来うる限る哀れな声を出して、相手の慈悲を願い出た。
「あん? だいしゅきホールドってなんだ?」
そこに食い付くんだ……




