23.のじゃじゃ馬
「人の子などッ! 孕みとうないッ!!」
「ハア?」
夕日が眩しい通学路で、やけに凛々しいポーズを決めた真清はそう言い放った。
直後にしたドヤ顔にちょっとイラッとした。
「いやいや、それ大河ドラマみたいな凛々しい台詞じゃないからね?」
お約束だけど、ちょっとエロ方面に攻め過ぎじゃないかなぁ?
お兄さんそう思うんだ。
お狐様のじゃロリがモブとかに迫られている様な、人を選ぶ台詞だと思うなぁ……
「真清だと求婚を断るじゃじゃ馬姫見たいな雰囲気になってるじゃん!」
ああ……うん、見える見える。なんか鎧着たお姫様だわ。
『我を抱けるのは神だけだッ!』と言わんばかりの傲岸不遜さが見えるお転婆姫だな。
うん……分からなくもない。
「フフン、オタク君こう言うの好きでしょ?」
「うーん~うむむ~、ちょっと待って脳内会議中!」
「そんな真剣に悩まんでも……」
真清は呆れた顔をしている。
「いや、もうちょっとで何かが……」
~三十分後~
「なー弦司まだかよー、お前アホなんじゃないのか?」
スマホをいじり飽きた真清は抗議の声を上げる。
こう言うけだるい雰囲気の時の真清は子供っぽくて微妙に可愛いと思う。
俺は真清を無視して隣にあるコンビニに行って、いなり寿司を二人分買って来た。
「稲荷神社行って、二人でお稲荷さん食べようぜ」
「ハア? 何なんだいきなり、別にいーけどさ」
散々悩んだが『孕みとうない』を他の萌えに繋げる事は難しかった。
元の言葉が完成度高すぎるんだよなぁ……もうお狐様のじゃロリしか思いつかないよ。
真清はチンピラ見たいな外見だから、のじゃロリは厳しい。
いや待てよ……金髪は妖狐と言う線ならワンチャン……
うーん……のじゃロリには勝てそうにないな。
「まだ悩んでるのか……弦司は本当アホだなぁ……」
神社でお参りをしてから、近くの公園で二人でお稲荷さんを食べた。
のじゃロリつええわ……
夕暮れを過ぎた星空にお狐様のじゃロリの可愛い笑顔が見えたような気がした。




