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19.人類ネコ化?

「風邪が怖くてキスできるかよ!」


「あー……」


 真清(まきよ)と自室で対戦ゲームをしていたら、興奮からかそう口走った。

 言葉の意味は分からないがとにかく凄い気合いだ。


 ゲームやってると意味の無い台詞を言う事あるよね。

 『転がる石に苔は付かない!!』とか『水は低きに流れる物!!』とか


 確かに今月は結構してるな……

 この前学校サボりたいからと言ってわざわざ口移して風邪の交換会やったような……


 若さとは……学校とは一体……


 まあこれは狙って口走っている訳では無いからスルーしておこう。

 男らしくて好きだが。


「だー負けた! 弦司(おし)はオタクなんだから手加減しろよ!」


「手加減したら面白く無いだろ」

「まあそれもそうか、んじゃ罰ゲーム有りでやろうぜ! オタクが負けた時だけな」


「プリン頭には負けないから別にいーけど」

「言ったな、吠え面かくなよ!!」


 結果

 十勝〇敗


 真清は放心した後、ベッドに顔を突っ込んだ。


「あーくそ、罰ゲームがプレッシャーになって逆に駄目だった!」

「心理戦で有利に立っている以上、負けは無いのだよ真清くん」


 勝負の後の弛緩(しかん)した空気が流れて、しばらく沈黙が続いた。


「いいぜ、罰ゲーム……弦司の好きな奴で、え、ええっちな奴でもな!」


 真清の性格上そう言い出すかなと思っていたが。

 断ってもまた面倒臭いので素直に罰ゲームを執行しようかと思う。


「そうだな、学校サボりたいから真清の風邪でも貰おうかな」


 真清は別に風邪など引いていない、まあ遠回しに比喩(ひゆ)したアレだ。


 こちらの意図を察した真清は頬を(しゅ)に染め、変に(うる)んだ目でこちらを見た。


 膝を着きながらジワジワとこちらに距離を詰め、俺の肩を掴んだ。


「罰ゲームだからな……」


 そう言って、真清は唇を重ねてきた。


 『真清となら、病んでも死んでも構わない』と言う、俺なりの迂遠(うえん)なプロポーズだったけど伝わったかな?


 まあ遠回し過ぎて伝わらないだろうけど。もう戻れない所まで来ている気がした。


 しばらくして真清はそっと唇を離した。 


「あたし! 弦司と何だって一緒がいい! それで死んだって構わない!!」


 ――伝わったのかな?

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