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18.カベ→ドン↑

「ボクの……すべてを奪って欲しい」


「ふあ?」


 赤が差し色に加えられた通学路

 真清(まきよ)はやけにキラキラと光る眼で俺を真っ直ぐ見つめそう言った。


 顔が熱を帯びていくのが分かる。

 ちょっと媚びたような表情を見せる真清の顔をまともに見る事は出来なくなっていた。

 顔がいい……


「フフン、オタク君こう言うの好きでしょ!」


 真清は“してやったり”とばかりに明るい声を上げて笑う。

 マジで顔がいい……


「お、オタクじゃねーし! そんなの全然好きじゃないし」


 嘘、ボクっ子滅茶苦茶好き。


「ちょー顔赤いし!!」


 真清は満足げな笑顔を浮かべた後。

 ポーズを決め、頭をクイッと上げた後前髪を弄ってイケメンの顔を作った。


「弦司、ボクを奪う……覚悟は、できたかい?(イケボ)」


「ファッ!? ファーー!!?」


 ボク、ボクっ子だー! ワーイ!

 真清元々ボーイッシュな所があるからマジで似合うな!


 当たり役だろコレ!!

 駄目だ推せる!!


「なんだ弦司……? 急にモジモジしてマジで気持ちわりーな?」


「急に素に戻るなよ!!」


いやいや待て待て考えるんだ弦司(おし)。引き出せ!


 真清の手を引き、通学路にあるブロック塀に真清を持たれ掛けさせた。


「お、弦司、な、なんだよ急に? ちょっと目が怖いよ?」


 真清の退路を断つように両手で逃げ道をふさぐ。

 真清は身を縮こませ(かご)の鳥の様になった。


「いつもありがとう真清くん、俺の覚悟を見せるよ……(イケボ)全て(ゆだ)ねて欲しい(イケボ)」


 いやこれなんか違うな……なんかBLぽい?

 

 真清はみるみる顔を赤くし、頭からは湯気が出そうな勢いがあった。

 真清は目を潤ませ、俺を真っ直ぐに見つめて返事をする。

 

「お、弦司がそこまで言うなら……イ、イイゼ……」


 素ぅー!!? ちゃうねん、そうじゃ無いねん、ボクっ子、俺が求めているのはボクっ子!!


 ちょっとクールで軽くヤンデレ入ったボクっ子が見たいんだよ。

 ボクっ子はそんなヤンキーみたいな言葉遣いしない!


 真清は覚悟を決めた様に目を閉じ、その(つや)のある可憐な口を(とが)らせた。


「アッ……?」


 やっちまった。これ冗談や演技で済まない奴だ……


 迷う暇も無く真清と唇を重ね、抱き寄せ舌を滑り込ませる。

 この前の一件からディープな奴がデフォになりつつある。


 真清は短く声を上げた。


「んっ」


 真清の体は堅くて重い。なんか男を抱いているみたいだな。

 そのまま下半身に手を伸ばし、尻に触れ軽く掴む。

 真清が軽く声を上げる。


 薄い脂肪を超えるとすぐに硬い筋肉の芯に行き着く、体脂肪率十四%と言った所だろうか?

 凄い硬い、男の尻を触っているようだ。


 どこもかしこも筋肉なプリン頭の体をしばらくまさぐっていると。

 ギャラリーが集まってきてしまった。


 足腰立たなくなっている真清を担いで逃げたら途中で腰をいわした。


「真清、俺の事はいい、置いて逃げるんだ――」

「もう回復したから別にいいよ……」


 そう言うと軽々と俺を背負い歩き始めた。


 真清男らしくて恰好良い! 素敵!! 大好き!!


「――ボクのすべてを……奪ってくれるかい?」


 そんな台詞が思わず口を突いて出た。


「なんだよ気持ちわりーなッ! 置いてくぞ!」


 心底気持ち悪そうに、真清はそう吐き捨てた。


 ……男女差別は良くないと思います。

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