13.てぇてぇ。
「指位ノーカンだろ」
「ハア?」
ハイ、切れました。
学校の屋上で他愛もない話をしているとプリン頭が爆弾発言をかましてきた。
「プリン頭、話がある……お前ちょっとそこに座れ」
「お? なんだ告白か? とうとう決心が付いたのか?」
「違います……今日はお説教します。NTRは駄目です……」
「ハア? NTR? 何それ?」
「NTR 寝取られです。ジャンル的には浮気です」
「浮気は良くねーな」
「ハイ、そして我々の関係性を鑑みて何か思う所は有りませんか?」
「いやー別に? あたしたちに何か関係あるの?」
「分りませんか……俺はNTRが嫌いです。
幸せな世界にそんな胸糞要素は要らないです!
下半身が反応するのも悔しいです」
「なんだよしつけーな、悪かったよ、もういいだろ」
「何ですか? その面倒臭い彼女を見る様な目付きは!
もっとちゃんと話を聞いて下さい!」
「チッ! ウダウダクドクドうるせーんだよ!!
男なら素手で掛かって来いよ!! ぶっ殺してやるよ!!」
「え……!? いやそんなつもりは……ちょっと反省して頂ければ」
「もう遅い、マジで殺す!! マジで蹂躙す!! コロス!!」
プリン頭は女子力が高い。実はアスリート並に食事管理がきちっとしている。
筋肉を育てるのは食事が基本、プリン頭はヤンキーの癖に意識が高いのだ。
筋張った二の腕、角ばった肩、大きく露出されているのに色気を感じさせないゴツゴツした鎖骨周り。
控えめに言ってチンピラ然としている。説得力が滲み出ている、めっちゃケンカが強そう。
対抗馬たるこの俺は、長年のオタク生活が祟って、細く白い。
プリン頭に食事管理されているので薄っすらと筋肉が乗っているが、ガチ管理されたプリン頭には及ばない。
(戦えば負ける)素人である俺でもそんな未来が見えた……
……じゅ、蹂躙される!?
躊躇無く間合いを詰めて来るプリン頭
顔をガードした両腕を捕まれ強引に開かされる。
「ご、ごめ、ゴメン!!」
視界が歪む、涙目に成りながら必死に謝った。
来るッ……!?
俺は目をつぶり衝撃に備え身を縮込ませた。
プリン頭の両手が俺の頭を強引に掴む、強い力で頭が引っ張られた。
突如、唇にぬるりとした感触が襲ってきた、(血?)
と思い目を開くと金色が目の前に広がっていた(髪の毛?)
「ん?? んんー!??」
何かぬるぬると蠢く物が口の中に這いずり回っている!?
舌!? 舌かこれ!!
湿った音を立てながら野獣の様に予想も付かない動きで口腔を蹂躙してくる。
ギャー!? ぬるぬるが!! 舌が!? 気持ち悪い!!
「んん? う、ううんむう!?」
……永遠とも思える長い時間、やっとプリン頭の拘束が解かれ頭が離れた。
間には涎が長い糸を引いていた。
「プハッ……これで分ったろ……あたしが弦司一筋だって……」
プリン頭が仁王立ちで口に付いた涎を拭う。
対称的に俺は腰が抜けて、その場にへたり込んでしまった。
余りの激しさに下半身がエイドリアンになった。
「おま、お前!? し、舌、舌入れたろ!!」
こ、これがヤンキー流キスの作法……!? ヤンキス!?
「ンだよ、舌位ノーカンだろ」
プリン頭は真っ赤になりながら目を逸らした。




