107.フォトウェディング③
スタジオに入ると真清とは別室に案内された。
「んじゃ弦司あとでな」
「おー……」
まだ眠気が抜けないでちょっと頭がボンヤリしている。
眠いなー……
部屋には写真集撮影で顔なじみの女性スタイリストさんが待っていて。
俺に白いタキシードを着せてくれた。
「弦司ちゃん、あの子と結婚するの?」
「ハイ、大学合格したらすぐプロポーズします」
「ふーん、羨ましい、弦司ちゃんものすごく可愛いから……」
「そうですかね」
未だに俺が『可愛い』と言うのが納得出来ていない。
うーん……
考えても答えなんか出やしないが。
「最高に可愛いお嫁さんに仕上げて上げるね!」
「ありがとうございます……」
悪気はない、悪気は無い筈なのだ。
――――――
着替え終わると、撮影室に案内された。
真清は着替えに時間が掛かっている様で、まだ部屋にはいない。
カメラマンはこれまた顔なじみのいつものカメラマンさんだ。
背が高くてひょろりとしていて猫背。
眼鏡を掛けていて、あご髭を生やしていて、ちょっと影がある結構なイケメンだ。
「こんにちは、よろしくお願いします」
「あー……、弦司くんお腹に油断が出てるねぇ……」
うっ!? いきなり触れて欲しくない所を!
「気分が乗らないなぁ……止めちゃおうかなぁ……」
「う、うう、今日は真清がメイン何で! お願いします!」
「うん……まぁ……そうだねぇ……」
うう、プロの現場は当たり前だけどプロ意識が高い!
面倒臭い!
受験中でいきなり連れて来られたんだから手加減してくれよ!!
真清と真雪さんがまだかな?
この人と二人きりとか間が持たないよ。
「ねぇ弦司くん、お腹……それ……取れない?」
――誰か助けて欲しい。




