106.フォトウェディング②
真清に膝枕されながら、車の中で眠っていた。
車の振動で時折目を覚ましながらうつらうつらしていると。
真清と真雪さんが何やら話し込んでいた。
「センター試験受けなくて良かったんじゃねーの?」
「しー、弦司が起きてるかも知れないだろ」
ハイ、起きてます。
「あー? もしかして弦司にもう大学受かっているって話してねーのか?」
「だから、しー! ママ頼むから黙ってくれ」
え? 真清ってもう大学受かってたのか!?
もしかして俺の受験に気を使って黙ってたのか?
うう、情けないやら、ありがたいやらで複雑な心境……
「いじらしいねぇ、乙女だねぇ、あたしそう言うの好きだなぁ」
「うぐぐ、大声出したら弦司が起きるから反論できないのをいい事に……」
「センター試験の検定料は小遣いから引いておくから」
「ハイ……」
そうこうしている内に車は撮影場所に着いたようだ。
「おい、弦司起きろ」
そう言って真清は俺の身体を揺さぶった。
俺は今起きましたと言わんばかりにわざとらしくあくびをした。
「弦司お前起きてただろ……」
「ハイ……」
阿我妻家の人間には全然演技が通用しない。
やりづらい人達だ。
「まあいいか、写真撮るぞ弦司」
「と言うかここは……」
ここは俺や真風くんが写真撮影にいつも使用している撮影スタジオだ。
「ここなのか……」
「なんか、写真使わせてくれるなら特別にただでいいって」
「マジカー……」
普通に悪い予感しかしないな。
「行こうぜ!!」
そう言って真清は俺の腕を引っ張る。
真清の笑顔を見ていると『まあいいか』と思えるから不思議だ。




