105.フォトウェディング
「写真撮りに行こうぜ!」
「どこに?」
寒風吹き荒ぶ受験追い込みの時期。
阿我妻家で昼飯をごちそうになりながら真清の話を聞いていた。
ちょっとは運動もした方が記憶力も良くなるそうで
隣の家まで移動するのは丁度良い気晴らしにもなる。
真清はプレッシャーやストレス等『無い!』
と言わんばかりの笑顔で俺にそう言った。
「街にフォトウェディングを撮りに」
そう言うと真清は『ニカッ』と太陽の様に可愛らしい笑顔を見せた。
「マジカー……俺受験生で最終追い込の時期よ?」
「すぐ終わるから」
「ダイエットもしてないしわき腹に油断が……
毛の処理もしてないし……」
「水着じゃないからッ!」
「あ、ああ!? いや聞かなかった事にしてください……」
「変なプロ意識が残ってんなぁ……」
血反吐を吐くような過酷なレッスンと
叩き込まれたプロ意識はそう簡単には消えない……
「ママが車出してくれるから、さっと行ってさっと撮って行こうぜ!」
「あ―……分かった……」
――――――
真雪さんの運転する車の後部座席に真清と乗り込んだ。
妙にテンションが高い真清の話を聞いていると、
日頃の疲れからか意識が遠のく……
真清の話に生返事を繰り返して悪いと思う。
そうして俺は眠気の限界を迎えた……
――――――
車の振動で時折目を覚ますと真清の顔が真上にあり。
どうやら俺は真清のひざまくらの上で寝ている様だ。
真清の温もりを顔で感じながら。
俺は安心してまた眠りにつくのだった。




