第168話 煌めく蒼炎
「“ナイトメア・リボルト”――!」
「“暁闇燦めく明星”――」
桜色の散弾を蒼銀の魔力を纏って大刀と化した“グラム”が斬り払う。
「“天召眼”……実物を見るのは初めてだが、その力……見極めて見せましょう」
「自分勝手で嫌な女ね、これだから黒いのは……!」
次いでぶつかり合ったのは、エゼルミア陛下とダークエルフの女性。
「アタシらの目的は魔眼の二人。アンタたちに用はないんだけどねぇ!」
「そんなこと、させるもんですか……!」
アイリスと斬り結ぶのは、蛇を思わせる高身長の女性。
「――!」
「頭の上、重い……」
周囲が戦闘を繰り広げる一方、ニーズヘッグとフェリスは昔懐かしくすら感じるやり取りを繰り広げている。頭に白い物体をへばり付かせている光景は何とも緊張感に欠けるが、無血で厄介な相手を抑えてくれているなら、ある意味上々といったところか。
頭に乗ったニーズヘッグがギュッと抱き着いている為、フェリスの両眼が塞がっていることも含めて。
「しかし、これではこちらも……!」
「飛んで火にいる何とやら……計画のステージとは違うが、迎えに行く手間が省けたというものだ」
「ひぃぃ!?」
アムラスの弾幕を突破したのは、エルフの男性。
その近くでは、明らかに場違いであるアメリアが甲高い悲鳴を上げていた。
「そうまでしてお前たちが殺したい“神”とは何だ? これだけの力を持ちながら、何故力を求める!?」
「相手は天地を創造し、一度滅ぼそうとした存在……」
「“終焉血戦”など、当の昔に終わっている!」
「まだ何も終わってなどいない。今は僅かな倦怠……微睡の中……」
そして俺と斬り結ぶのは、かつてのオージーンを思わせる巨躯の男――巨人族。
巨大な戟が力任せに振るわれる。
「さて、関係ない連中を掃除ってか?」
そんな一人一殺の最中、手が空いている男ドワーフがセラとアイリスを狙って、武器を手に駆け出した。
互いに底を見せていないとはいえ、現状だけなら互いの戦力は拮抗している。
だが戦力外を除けば、向こうが七人、こちらが六人。最後の一人に動き回られると、その拮抗は崩れてしまうほどに危うい。
巨人の男と斬り結ぶ傍ら、ノールックで“投擲小剣”を放り投げる。
「久々の闘い……って、おおぅ!?」
漆黒を纏いて飛翔する蒼水晶の小剣だったが、放られた投げ輪と相殺。耐久限界を迎えて砕け散った。
「流石、“解放者”……よく動く」
「何を……!?」
「未来を紡ぐ鍵であり、人柱……」
「人柱、だと? 好き勝手に……!」
残光すら置き去りにして刃同士が激突する。
やはり巨人族ということもあって、戦闘スタイルは物理偏重。対魔眼については織り込み済みなのか、中々突破口が見つからない。
「このような連中に手を貸すなど……! 同じエルフとして、許せんッ!」
「ふっ、貴様こそ視野狭窄というものだ。もっと大局へ目を向けよ!」
「ぐ……ッ!?」
一方、いくらアムラスが優秀な近衛兵とはいえ、あくまで一般兵士の中では飛び抜けている止まり。等しく人外スペックが渦巻く、この戦場においては一手足りない。今は耐えているが、いずれは――。
どこかで突破口を開く必要がある。
「他は大体互角……致し方ない、か!」
瞳の十字が六芒星を刻む。
瞬間、出力が跳ね上がり、この身は魔法の力を取り戻す。
「逆巻け、蒼炎ッ!」
「これが……“叛逆眼”の……」
「ちっ、手を貸すしかねぇか!」
相手から魔力が吸収できないのなら、自分で魔法を使えばいい。今の俺にはそれが可能。
黒翼の大推進力と併用して一気に勝負をかけようとするが、ドワーフの男も乱入してきて二対一へと突入する。
「確かにとんでもねぇ力だな! あの野郎の前に立ってるみたいだぜ!」
「見極めるまでもなく、資質を有しているということだ。我らにとっても本望!」
魔力を纏って巨大化、分裂する投げ輪の嵐が迫り来た。あくまで魔力を有しているのは外側だけであり、武器自体は実体を持っている。吸収では意味がない。
更にその背後には全身の筋肉をパンプアップさせた巨人が、膨大な魔力を纏った戟を構えていた。
協調性など微塵も感じられないが、実力が高いだけあって流石の連携。こちらも力技での強行突破以外に道はない。
「“蒼剡纏う叛逆の翼”――!」
蒼翼天翔。
全ての攻撃を灼き尽くす不死鳥が飛翔する。
炸裂、滅却。
星空の元、蒼き不死鳥が“神断の罪杯”の二人へと炸裂する。
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