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職業:白銀の乙女  作者: 紀美野ねこ
永遠と不可視と無邪気な妖精

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65. 翔子と自宅とお客様

「ただいま〜」


 どっさりと買い込んだ荷物を……智沙さんが持ってくれてます。すいません。

 さっさと鍵を開けて玄関を開放し、中へと入ってもらう。


「おじゃまします」


 智沙さんに続いて美琴さんにも買い出しした食料を持ってもらってるので、ともかく冷蔵庫にご案内。今は中身ほぼ空っぽなので適当に詰めてもらってる間に、チョコは研究所かな?


「ワフッ!」


「ヨミ〜」


 裏手を出るとヨミがお出迎えしてくれたので、ぎゅっとハグしてなでなでなでなで……ふう、癒された。

 と、フェリア様を右肩に乗せたチョコも蔵から出てくる。


「おかえり、翔子」


「うん、ただいま。留守番ありがとね」


 右手と左手を合わせ、チョコがどうしてたかを確認。

 なるほど。買い出しにフェリア様の好物を注文されたあとは、蔵書部屋の魔導具の確認してもらってたのね。

 あと、蔵の和錠を魔導具にする話は明日見せてもらうかな……


「それで記憶が同期できるというのも不思議よのう」


「ご要望の甘い果物買って来ましたよ。あと蜂蜜酒も……」


「おお!」


「てか、フェリア様、ご馳走になる分、ちゃんと仕事してよ?」


 と、いつの間にか後ろに立っていたサーラさん。

 朝こっちに転移してきてからは、蔵書部屋の魔導具を調べてくれたりしてたので、ちゃんと仕事はしてると思います。

 まあ、早々に飽きて蔵の中のものをあれやこれや質問攻めしてたみたいだけど……


「翔子君、夕食の前に伯母上に挨拶に行きたいのだが」


「おみやげもお渡ししたいですし」


 智沙さんも美琴さんも本当に律儀。食材のお金にしても「泊めてもらうので」って言われて全部出されたし。


「そうですね。えーっと、サーラさん、私の伯母に会いに行きますけど、言葉はわからないと思うのでニコッとしててもらえれば」


「ほいほい」


 智沙さんの遠縁で夏休みに日本に遊びにきた、という設定で誤魔化すことになっている。実際話せないしね。


「夕飯の支度、始めとこうか?」


「うん。焼肉だし、ご飯と野菜切るぐらいだけど、お願い」


 二人ともお高いお肉を躊躇なく買ってたので、申し訳ないと思いつつ……

 お屋敷にいる間も随分といいご飯を食べさせてもらったけど、がっつり焼肉は久しぶりで楽しみ!


***


「ふー、お腹いっぱい」


「ちょっと食べすぎた……」


「ワフー」


 私もチョコも良いお肉を堪能しました。キロ一万円オーバーのA5牛って全然違うのね……

 ヨミもなんだか地鶏の良いお肉をおいしそうに食べてたんだけど、舌が肥えちゃったらどうしようとかちょっと悩む。


「こっちの世界のお肉、柔らかくておいしいね。お屋敷の料理もすごかったけど、ただ焼いた肉がこんなにおいしいのびっくりだよ」


 とサーラさん。サービスエリアの時もそうだったけどかなり食べますね。

 そして、小さい体でというともう一人この人も。


「んー、このマンゴーとやらは本当にうまかった! できれば、持ち帰りたいところなのだがな」


 旬のマンゴーにご満悦。

 持ち帰るのは食べる分には良いんだろうけど、種を持ち帰って植えたいとかそういうことなのかな?


「その辺は『空の賢者』さんに許可を取ってください。向こうの世界にもありそうな気はするんですけどね」


「ふーむ、我も向こうの世界の全てを巡ったわけでもないしの」


 ま、サーラさんとフェリア様を研究所に案内しましたよって伝えておかないとだし、ついでに聞いておきましょ。


「そういえば、椎茸はチョコさんが取ってきてくれたやつなんですよね? あれもおいしかったです」


「うむ。味が濃くて良かった」


 チョコとヨミの散歩に同行したフェリア様がお勧めしてくれた椎茸を取ってきたらしいので、一緒に焼いたんだけど、確かにおいしかった。

 良い感じに焦げ目がついたところで、しょうゆを少し垂らした焼き椎茸はA5牛にも負けない感じだったし。


「さて、明日からの予定を少し話しておこうか」


「あ、そうですね」


 今日の帰りに智沙さんから提案されたのは、明後日からここのさらに奥にある温泉地でキャンプを楽しもうという話。

 前にうちに来た後に二人で調べていたそうで、チョコもヨミもサーラさんもフェリア様も気兼ねなく遊べるので良いんじゃないかと。


「どうだろう? 他に行きたいところがあれば言って欲しい」


「我もその方が気楽で良い。知らぬ人が多いところでは鳥籠の中だしの」


「同じくかな。さーびすえりあだっけ? あれよりもずっと人多いようなとこは疲れそうだし」


 二人とも異論はないようなので決定かな。


「それで明日はどうすんの?」


「ああ、明日は蔵の地下についてわかる範囲でいいのでいろいろと教えてもらいたい」


 その言葉に皆の視線がフェリア様に集中する。

 マンゴーを食べ終わり、おちょこで蜂蜜酒を飲んでいたフェリア様はその視線を受けて、


「ふむ。まあ、大船に乗ったつもりで任せよ。ウィッ……」


 ……


「さて、片付けしましょうか」


「そうですね。あ、私、食器片付けますね」


 チョコと美琴さんがテキパキと後片付けを始める。

 とりあえず、この蜂蜜酒も片付けるかな……


***


「ふう、良い風呂だった。ありがとう」


「お先ですー」


 お風呂は二人ずつ。うちのお風呂は結構広いので、サーラさんとフェリア様、美琴さんと智沙さん、私とチョコとヨミの順番で。

 順番を決めるときに「家主が最初に」みたいなことで少し揉めたけど、お客様が先にということで落ち着いた。私たちとはヨミも一緒に入るしね。


「じゃ、私たちも入ろうか」


「だね」


「ワフッ!」


 さくさくと体を洗って、背中はチョコと交代で。

 ヨミも綺麗にして、ゆったりと湯船に浸かる。


「「はー……」」


「ワフー……」


 ヨミは私の立膝の上なんだけど、お湯に浸かってもあんまり毛がぺったりしないのね。

 お風呂が嫌いな子もいるみたいだけど、ヨミは好きな方かな? 沢で水浴びとかもするしね。


「なんかこんなに家に人がいるのって、いつぶりだろうね」


「そうだね」


 両親が亡くなってからは、ほぼほぼ自分一人で生活してて、もちろん町子さんにかなりお世話になってたけど、家にいるのは一人だったし。


「なんだか楽しいね」


「だね」


「ワフン」


 チョコと笑い合うと、ヨミも嬉しそうに吠える。

 これからもこういう感じが続くといいね。


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