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職業:白銀の乙女  作者: 紀美野ねこ
永遠と不可視と無邪気な妖精

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51. 翔子と作戦会議

 翌日、美琴さんと智沙さんは館長さんについてお仕事だそうで、きちんと朝食を取ってから本邸へと出て行った。

 私とチョコはお客さん二人のお相手が仕事っぽい感じ? まあ、マルリーさんはチョコを鍛えるつもりらしいので、私はまったりとディアナさんとお話でもしようかと思っている。

 そんなわけで、朝食を終えた食堂でディアナさんとお茶してるんだけど……


「マルリーさん、起きて来ませんね」


「マルリー殿は朝が弱くてな。昨日、遅くまで起きていたからな」


 遅くって午後十時前には解散したような気がするんだけど、あの後、部屋でディアナさんとお話でもしてたのかな?


「普段から日が暮れるとすぐに寝てしまう方でな。夜更かしは美容に悪いと……」


 少し呆れたように話してくれるディアナさん。

 とはいえ、向こうの世界って、日が暮れてから家での娯楽……テレビとかないんだし、さっさと寝てしまうんだろうなあ。


「ふわぁー、おはようございますー」


 と、話題の当人が現れた。

 朝に弱くて眠そうなその姿。マルリーさんの姉キャラスコアがカンストしそうな勢い。


「おはようございます」


「私、朝食取ってくるね」


 チョコがマルリーさんの朝食を取ってきてくれるとのことなので、私は熱いお茶を用意。

 持ってきたのは、おにぎりにお漬物とお味噌汁という純和風朝食。塩じゃけがあれば完璧だったんだろうけど……私とチョコが食べちゃいました。


「おいしそうですねー」


 マルリーさん、流石にお箸は使えないっぽいけど、フォークでそれを綺麗に食べていく。

 昨日の夕飯前に苦手な食べ物とかないかを二人に聞いたんだけど、特にダメなものは無いとのこと。

 なんだかんだと、こっちから行った人——『慈愛の白銀』のヨーコさんとか——がお米やら再現してるらしい。

 異世界もののお約束だよねーと思うものの、実際、お米とか味噌・醤油のない生活って日本人には辛い気がする……


「えーっと、今日はチョコを普通に鍛えるって話でいいんですよね?」


「はいー。まあ、慌てる必要はないですー。お昼からにしましょー」


 お味噌汁をずずーっとしてから答えるマルリーさん。

 それを聞いてちょっとほっとするチョコだけど、昨日の軽い手合わせでも結構大変だった気が。

 まあ、一人で特訓も大変だろうし、私も少し教わっておくべきかな? 前線には出ないけど、自衛くらいはできるようにならないとね……


***


「ちょ、マジで辛いんだけど、これ……」


 自衛できる程度なら優しく教えてもらえると思っていた時期がありました……

 マルリーさんに『慈愛の白銀』ヨーコさんぐらい自衛できるようになりたいと伝えたら、昨日使ってたポリカーボネートの盾を渡されて、ひたすらそれで防御する訓練に。

 魔導人形部屋には戦棍はあっても盾は無かったと思うんだけど、マルリーさん曰く、ヨーコさんは神聖魔法で光の盾を出して対処していたそうで。


「翔子さんはなかなか筋がいいですねー。チョコさんは魔導人形の体に染み付いている型に引っ張られてる気がしますー」


「はあはあ……、確かにそうかも……」


 チョコも結構辛そうだけど、それでも何かを掴んだのか昨日よりは動きが良い気がする。何度も失敗してるうちにだんだん良くなってきてる感じ?


 お昼から休憩を挟みつつ午後三時まで。

 もっと続けるのかと思ったけど、「一日で詰め込むものじゃないですよー」とのことで、今日はここまでとなった。


「はあ……。ヨーコさんって運動神経も良かったんですか?」


「普通じゃないでしょーかー」


 普通って一番判断に困る。向こうの人たちの普通ってどれくらい? イケメン兄弟の妹たちは魔術士とか弓使いとかだったしって、そもそも戦うところ見てないや。

 うーん、気にしてもしょうがないか。大事なのは自衛できるようになることだし。


「ワフッ!」


「今日の訓練は終了かな?」


 屋敷のあちこちを散歩していたディアナさんとヨミがやって来た。

 ディアナさんはエルフらしいというか、こちらの樹や草花に興味津々だったしね。いつか植物事典とか見せてみたい気がする。


「はいー、訓練は終了ですがー、少しお勉強をしましょうかー」


「「えっ?」」


 実技だけじゃなくて、座学もあるとか聞いてないんですけど……


***


 座学は開けてもらっている智沙さんの部屋で一時間みっちりと。

 とはいえ、第七階層に進むにあたってのアンデッド対策についてだったので、ちゃんと真面目に聞きました。


 基本は神聖魔法の聖域でみんなを囲った状態で移動。私を中心に展開される聖域は半径三メートルぐらいらしいので、そこを出ないようにまとまって。これで気分が悪くなったりはしないらしい。

 で、敵を発見したら前衛に加護をかける。これで攻撃に浄化の効果が乗って、魔物に対して与ダメージが増えるらしい。


「魔物とはー、悪い魔素に支配されてしまった生物のことですからねー。まあ、アンデッドは死んでるんですけどー」


「浄化が作用して悪い魔素を取り除くから、魔素だけで動いてるアンデッドにはすごく効くってことですよね?」


「ですねー。アンデッドと戦う時は加護は必須ですよー」


 ということで、アンデッド特効も納得。というか、アンデッドは肉体的な痛みとか無いから、魔素にダメージ与えるしか無いよね。

 それかアンデッド熊を倒した時みたいに魔石を直接割るか。スケルトンみたいなアンデッドならわかりやすいんだろうけど……ん?


「えーっと、ゴーストみたいな実体のないアンデッドっていないんですか?」


 チョコが私が疑問に思ったことを口にしてくれる。魔物に魔石があるなら、そういうのはいない? いたとして魔石はどこに?


「いますよー。面倒な相手ですねー。ああいうのは全体が小さな砂つぶのような魔石でできてるって言われてますねー」


「じゃ、加護とか浄化がないとダメージも与えられない?」


「そういう時は聖水ですねー。武器に聖水をかければ、加護を得たのと同じ状態になりますからー」


 あー、なるほど。

 神聖魔法を使える人がパーティーにいなくても、聖水があれば対応はできるんだ。

 あれ? こういう相手って普通は魔法で倒すんじゃないの? マジミサとかないのかな?


「元素魔法とか精霊魔法とかも効かないんです?」


「効きますよー。でもー、近くの相手に魔法はやめましょうねー」


 そうでした。

 聖域がもっと広ければいいんだろうけど、自分から三メートルぐらいの相手に火球は……無理かな。バックファイヤーとか来そう。


「翔子が魔導拳銃で聖水を打ち出せばいいんじゃない?」


「なにそれ、マンメンミ?」


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