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(私を苦悩させるさまざまな女の子たちの)ミソラ  作者: 枕木悠
第六章 私を苦悩させるさまざまな女の子たちのミソラ
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第六章⑨

 その少し前、ミソラのコレクションルームのリビングではセーラー服を纏った比奈と梨香子とかなえがいた。比奈は少しきつめの胸元を気にしていて、梨香子は短すぎるスカートを引っ張りながらギブスの取れたばかりの左腕をグーパーグーパーしていて、かなえはお百度参りを終えたような晴れた表情で鏡の前でおさげを結っていた。セーラー服を纏った自分に少しうっとりしている。

 そこへセーラー服を身に纏ったミソラが現れた。右手には畳まれた黒い日傘、左手には真奈のセーラー服。「皆、可愛いじゃないか」

「ちょっと、スカートの丈が」梨香子が口にする。

「胸が、ちょっと、苦しい」比奈が妙に色っぽく言う。

「私は全然オッケーだよ」かなえはハイテンションだった。「ミソラも可愛いよ」

「そうか?」ミソラは苦笑い。「少し、きつくないか?」

 それは年齢的に、という意味だろう。「全然っ、そんなことないよ、現役女子高生よりも似合ってるわ、リカちゃんのはイメクラだし、比奈さんは、なんだかコスプレしてるみたい」

『こらっ!』二人は苦笑いだ。

「はははっ、」かなえ笑って後ろからミソラを抱きしめた。着せ替え人形みたいだとかなえは思った。いつもゴシック・ロリータな格好のミソラに慣れているから、今のミソラは新鮮だった。肌の露出が多い。ミソラの肌は透明感のある白だ。触って確かめたくなる。「日焼け止めは塗ったの?」

ミソラは親指を立てて頷いた。「抜かりはないぞ」

「なんだか、変なテンション、緊張してる?」

「当たり前だ、ああ、喉が渇く、」ミソラはソファに座ってお茶を啜った。「何せ、一年以上もココから出ていないんだ、私の女の子たち、どうか、上手くフォローしてくれ」

「怖いもの知らずのミソラがネガティブだ」

「行こう、」ミソラは立ち上がった。「じっとなんてしてられない」

 ミソラとミソラのコレクションドールズは地上に出た。



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