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第170話:ブリジットvsスクナ(ブリジット視点)

ブリジットのターン! 瞬殺は芸がなかったのでそれなりに頑張ってもらいました。

 全く。妾もラビやグレンと一緒に戦いたかったのだけど。まあ今はこの力自慢のバカ鬼の相手をしましょうか。


「来なさいボーヤ。妾が遊んであげるわ」

「いつまでもそんな減らず口が叩けるか!」


 スクナとかいう赤鬼が激昂したように金棒を乱打する。速度も威力も凡庸の域を出ない。こんな力押しの芸もないやり方で吸血姫と呼ばれた妾がやられるとでも思っているのかしら?


「何故だ! 何故当たらん!」

「そうね、いくつか理由はあるけど三つは教えてあげるわ」

「三つ、だと?」


「まず一つ。攻撃のリズムが単調で読みやすい。フェイントも何もなしにその怪力で砕いて来れたんでしょうけど、そんなものが通じる訳ないじゃないのよ」

「くっ!」

「二つ目。攻撃の予備動作が大き過ぎてどこに攻撃が来るかが丸わかり。威力あげるために振りかぶったのが仇になったわね」

「ぐ、ぐおおおお!?」


 そしてちょうどいいタイミングで掌底でスクナを弾き飛ばした。


「三つ目は、妾の女の勘が冴えていた、という事じゃな」


 三つ目は女の勘で締めるというのが古からの教えらしい。妾が若い頃にはそんな常識なかったはずなのだけど。


「くっくっくっ」


 吹っ飛ばされたスクナが突然笑い出した。頭でも打ったのかしら? あまり頭に強い衝撃は与えてないのだけど。バカの頭に衝撃与えたら知恵がついてはかなわないもの。


「いいぜえ、今のところ俺の方が負けてる。そんな日が来るなんて思わなかったが、来ちまったなあ!」


 スクナは不敵な笑みを崩さない。笑ったところで大したことは出来ないでしょうに。


「今ならこの丹薬を飲む事に迷いなどない!」


 はっ? 丹薬? そんなものを隠し持っていたと言うの? まあ裸では無いのだし丹薬程度なら隠せるでしょうけど。


 その間にスクナは丹薬をゴクリと飲み込む。スクナが両手を地面について苦しみ出した。失敗したか? と思ったがどうやらそうではないようだ。魔力が恐ろしいくらいに膨れていく。


『マタセタナ……』


 スクナの身体は膨れ上がり、五メートルは優に超えていた。手の数はそれぞれ増え、頭も前後についていた。


「一応聞くとしよう。名乗りはあるか?」

『ワレハスクナ……リョウメンスクナ』


 顔が二つあるから両面スクナって訳? 前から見ても後ろから見てもスクナだから? どうせならグレンみたいなイケメンに……ダメよ! そんな事したらグレン争奪戦が激しくなってしまうでは無いの。


『コレテモクラエ!』


 リョウメンスクナから振り下ろされる攻撃。妾はそれを受け止めようとして、咄嗟に回避した。


『ウケトメヌノカ?』


 嘲笑うようにリョウメンスクナは言う。妾は冷や汗を出しながら言った。何? ヴァンパイアなんだから発汗しないだろうって? うっ、うるさい!


「そんなものを受け止めては妾の腕に傷がつくでは無いか」

『ツマリ、だめーじガデルト理解シタノダナ!』


 リョウメンスクナはニヤニヤしながら勝ち誇る。まあ実際は食らったところで再生すればダメージなど無かったことに出来るのだけど、服が汚れてしまうのは勘弁だもの。


『イデマセイ、ワガ武器ヨ!』


 突如リョウメンスクナの手に握られたのは弓と剣、そして今まで使っていた金棒である。


『コノ武装ヲ使ウ時ガキタ』


 リョウメンスクナはほくそ笑む。突然武器が現れるのは聞いてないわよ? しかも、あの剣、破魔の、聖属性を帯びてない? これは非常にマズイ。いや、再生くらいは利くんだけど回復まで年単位、下手すると十年単位でかかってしまうじゃない。下手するとグレンと旅ができないわ! いやまあ、グレンが妾を娶って療養するなら別に構わないのだけど。


『ヨソミヲシスギダ!』


 妾の身体に的確に剣が振り下ろされようとした時、リョウメンスクナの身体を水の縄が縛った。


「ふう、間一髪というところじゃのう」

「シルバー爺!」


 そう、シルバー爺の得意な水縛だ。


「助かったわ」

「下手に手助けすると「余計な事を!」などと言われますからな。なかなか助力のタイミングが難しくてのう」


 大きなお世話よ! それに礼くらいは言えるわ。助かったわ。ありがとう。まあその辺は倒してからにすればいいわよね。


「さて、スクナよ。動けんじゃろうが、妾のターンという事で、これを食らって生きておったらそちの勝ちで良いぞ?」


 そう言って妾は手に虚空を集める。グレンを永遠に生かすために時の魔法を研究したのだが、その副産物じゃな。まあ一応不老不死は出来ん事はないが眠り続けてしまうのよ。意味無いでは無いか!


 コホン。という訳で妾の最高魔法、全てを飲み込む悪食の玉、餓鬼玉を喰らえ! 妾の手から離れたそれはゆっくりと進み、リョウメンスクナに触れるとキュポンとリョウメンスクナを呑み込んでいき、そして、消えた。ふう、まあ拘束しておらねばかわされておったからシルバー爺には感謝しておる。さて、グレンのところに行くぞ!

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