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目的の変化

「それは違うかな。壱が来た事によって、私の目的は変わったの。当初の目的はすでに達成したのが分かったからね」


「僕がこの出来事に参加した事で……それは……」


 カイトはこの先を零に尋ねるべきなのかを悩んだ。予知の魔法は本当にあった可能性もある。


 だが、零は『私の目的』と口に出しただけでなく、『当初の目的はすでに達成した』とも答えているのだ。


 予知魔法が存在しても、確定ではない。


 カイトがこの出来事に参加した事自体に意味があるとしても、零の最初の目的がそれだけで達成するとは思えない。


「零は貴女の擬似的世界を認識してるのでしょうか?」


 零は混血であり、異質の能力を持っている可能性もある。だとしても、これはメアリ達の記憶を元に作られた世界のはずなのだが。


『それはない……と言いたいが、事前にその情報を知っていたとすれば、話は別だろう。それを信じれるかどうかだ。従者達はそれが出来たが、館の主はそうではなかったという事かもしれない。魔法使いだからこそ、余計にね』


 事前に情報を与えた。館の主は儀式で呼び出そうとしている相手から、その情報を入手していた。


 死神と同種であれば、擬似的世界でなくとも、別世界だと思わせる事も可能性なのかもしれない。


 ただし、それをカイトが参加するかだけで判断し、信用するのは難しい。


 館の主は魔力の変化等があると踏んでいたかもしれないが、何も変わらない。


 記憶が残っていればいいが、彼女の記憶の本は見つかっておらず、擬似的世界に反映されていないのだ。合わさっていても、その記憶が本人にあるはずもないのだが。


「彼女に聞いてみてもいいですか? 死神が作った擬似的世界というわけじゃなく、別世界と思っているのかどうかを」


『構わないぞ。それによって、目的が変更したのなら、両方を知る必要がある。どちらが本命だったのか』


 零が別世界と判断しているのなら、前の目的を話す事に関しては問題ないはず。


 その目的が果たせたからこそ、この世界があるのだとすれば、彼を呼び寄せる事自体がそれなのか。


「零は今いるのが別世界だと思っているんですか? 当初の目的を達成した事で、別世界にいると判断した。だとすれば、当初の目的を教えて貰う事は出来ますか?」


「そっちだったらね。一つはすでに話した事でもあるんだけど」


 零はキスを警戒しながらも、ゆっくりと進み、足を止める事をしない。


 同じ箇所を繰り返し進んでいるように見えるが、それは必要な工程のようだ。数度でようやく別の道が見えてくる。


 天井裏では分からなかったが、これは魔導具の影響なのか。廊下を進むのに、迷路のように惑わしているのだろう。

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