表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
社畜剣聖、配信者になる 〜ブラックギルド会社員、うっかり会社用回線でS級モンスターを相手に無双するところを全国配信してしまう〜  作者: 熊乃げん骨
第四章 田中、デートするってよ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/242

第1話 田中、待ち合わせる

 よく晴れた日曜日。


 俺はスカイツリー跡地・・を訪れていた。

 かつては東京を代表したその白い電波塔は、今はもうこの東京には存在しない。


 スカイツリーはダンジョンが生まれたと同時に、地面に吸い込まれるように消えてしまったのだ。

 ちなみに消えたのはスカイツリーだけではない、世界中の大きな建造物がいくつも消失し、大きな騒ぎとなっている。


 なのでスカイツリーはその役目を先輩である東京タワーに譲ることになった。新しい電波塔を建てるべきという話も上がってるけど、大きな建造物はまた消える可能性が高いということで東京都は二の足を踏んでいる。


 また消えてしまったら多額の税金が吹き飛ぶ。無理もない。


「しっかし、どこに消えたのかねえ……」


 記憶の中にある白いタワーを思い出しながら立っていると、俺の方にたたた、と駆けてくる人影が目に入る。


「すみません。お待たせしました。先生」


 そういって頭をぺこりと下げたのは、俺の教え子である凛だった。

 彼女はいつもの隊服姿じゃなくて、かわいらしい私服に身を包んでいた。プライベートで会ったことはないのでとても新鮮だ。正直少しドキッとしてしまった。


「俺が早く着きすぎただけだから気にしないでくれ。それより……そう、服。似合ってるじゃないか」

「本当ですか? お見せできるような服はあまり持っていませんので不安だったのですが……よかったです」


 嬉しそうにはにかむ凛。

 そんな彼女だけど、視線が横に動いて俺の少し後ろにいる人を見つけ視線が少し鋭くなる。


「紹介するよ。俺の同業者の星乃唯さんだ」

「よ、よろしくお願いします……」


 申し訳なさそうな顔をしながら、おずおずと星乃が前に出る。

 ちなみに凛が来ることは星乃にあらかじめメッセージで伝えておいた。マメな星乃にしては珍しく、返信に時間がかかってたな。


「……彼女のことはよく存じています。先生の配信に出ていましたからね」

「そうか。それは話が早い。二人は同じ歳の覚醒者だから仲良くなれると思って会わせたんだ。ほら、俺みたいなのと二人きりよりいいだろ?」


 そう言うと星乃と凛は全く同じタイミングで「……はあ」とため息をつく。

 あれ。もしかしてなにかやらかしたか?


「そうですか……先生がそう来るとは予想外でした。これは前途多難ですね」

「はは。私もびっくりしましたよ。えっと絢川さん……も、そう(・・)なんですよね? お互い大変ですね」

「やはり星乃さんもそう(・・)でしたか。つまり私たちは恋敵ライバルということですね」

「ふふ、そうですね」


 星乃は楽しげに笑う。


「確かに私たちは恋敵そうですけど、仲良くしてもらえると嬉しいです」

「……分かりました。私たちは恋敵ライバルであり同士。仲を深めるのもよいでしょう。よろしくお願いします、星乃さん」

「はい♪」


 二人はなにやら楽しげに話したあと、握手する。

 それやらあれやらなんの話だかさっぱりわからない。今の女の子の間で流行っているのか?


「先生。今日はどのような予定スケジュールなのですか?」

「ああ。今日は武器屋に行く予定なんだ。俺の剣の手入れと、星乃の剣の強化をしたくてな」


 この前倒した『マウントドラゴン』の素材はまだバッグの中に入れっぱなしだ。

 今日はこれを使って武器を強化する予定なんだ。


「まあでもそれだけするってのもつまらないから、なんか美味しいものでも食べていこう。もちろん金は俺が出すぞ」

「本当ですか!? ありがとうございます!」


 星乃が目を輝かせながら食いつく。

 喜んでもらえるなら薄い財布を更に薄くする甲斐があるってもんだ。


 配信で稼いだ金はまだ入金されてないから、今日使う金は社畜時代のなけなし貯金から捻出することになる。足立からいくらかかっぱらっとけばよかったな。


「あの、この近くに最近有名なカフェがあって、そこのパフェが食べたいんですけど、いいですか……?」

「ああ、もちろんだ。そういう場所を教えてもらえるのは助かるよ。凛もひとまずそこでいいか? 甘いものが苦手とかあったら教えてくれ」

「えっと、甘いものは私も好き……です」

「じゃあ決まりだな。そこに行くとするか」


 行き先が決まった俺たちは、他愛ない話をしながら歩き出すのだった。

【読者の皆さまへ】


この小説を読んで


「面白い!」


「続きが気になる!」


と思われたら、↓の☆☆☆☆☆ボタンを★★★★★に変えて応援していただけますと嬉しいです!


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
いや、地ならしはとても良いと思う。 某おっぱいドラゴンのハーレムの様に、嫁同士揉めない関係に至る。
やるとは思ってたけど、やっぱりやりやがったw
スカイツリーは東武グループが建てたタワーですが税金使ってたんですか?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ