表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
社畜剣聖、配信者になる 〜ブラックギルド会社員、うっかり会社用回線でS級モンスターを相手に無双するところを全国配信してしまう〜  作者: 熊乃げん骨
第十八章 田中、コラボカフェを開くってよ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

250/250

第8話 配信事故(再び)

 ――――浜松町ビーチダンジョン、上層下部。

 コラボカフェが建てられた場所から更に下の方に進んだ場所に、ダゴ助と三上はいた。


 着ていた執事服を脱ぎ、動きやすい格好になっている二人。準備運動を一通り終わらせると、三上は二台のドローンを起動する。


 ドローンはダゴ助と三上に一台ずつ付き、彼らを撮影する。それを見たダゴ助は眉をひそめる。


「なんでドローンを飛ばすんだよ。まさか配信するつもりか?」

「これは僕たちだけの勝負、そんなことするわけないだろう。これは不正防止措置だ。お互いの探索の様子を録画して、不正がないか監視する。目を離した隙にどんな卑怯なことをされるかわからないからねえ」

「ハッ! 笑わせてくれるぜ。俺様がそんな男らしくねえことするわけねえだろ。てめえこそこすい真似すんじゃねえぞ」


 バチバチと視線をぶつけあう二人。

 一触即発の空気。しかしここで喧嘩してはここまで用意した意味がない。三上はスマホを一台取り出すと、それをダゴ助に渡す。


「ドローン操作用のスマホだ。それで録画ボタンを押せ」

「へいへい、分かりましたよっと。ええと……これ? いや、ええ……これ、か」


 ダゴ助はおっかなびっくりスマホを操作する。

 彼もスマホを持ってはいたが、初めて触る機種で操作がよく分からなかった。


「……よし。こっちは準備オーケーだぞ」


 ダゴ助はそう言って中層に続く道を見る。

 すると彼らの知らないところでコメントが流れ始める。


"ん?"

"なんの配信だこれ"

"ダゴ助と三上くんじゃん、なにしてんの?"

"ここってコラボカフェのあるダンジョンか?"

"企画?"


 三上はダゴ助に鋼鉄の牡鹿(アイアンスタッグ)ギルドの社用スマホを渡した。

 ダゴ助はそのスマホで「録画」ボタンを押そうとしたが、間違えて「配信」ボタンを押してしまっていたのだ。しかも二台のドローンは設定が同期していることもあり、二台とも配信状態になってしまっていた。

 意図せず始まってしまった配信。

 奇しくもそれはかつて田中がやったのと同じミスであった。

 視聴者たちもそれに気づき、盛り上がり始める。


"二人とも配信されてることに気づいてなくね?"

"ダゴ助ミスったなこれはw"

"ファインプレーやね"

"おらわくわくすっぞ"

"わっふるわっふる"

"シャチケンにバレたら配信止められるから大事にするなよ"

"んなこと分かってるよ言わせんな恥ずかしい"

"盛 り 上 が っ て 来 ま し た"


「それではルールを確認する。僕たちはこれからダンジョンを潜り、モンスターの食材を集める。制限時間は二時間。その時間内に採った食材で勝負する」


"なんかおもろそうなことやってるやん"

"へえ、楽しそう"

"まさか裏でこんなことやってるなんてなw"

"祭だぜこれは"

"どっちもがんばえー"


「なあ、食材を集めるのはいいけどよお。勝敗はどうやって決めるんだ?」

「しょぼい食材をたくさん集めても仕方ない。採った食材の中でもっとも価値のある物を選んで、その価値を競う。市場価値を判断基準にしてるから、実際の価値と大きくズレることはないだろう」

「ふうん。ま、俺は不正されなけりゃなんでもいいけどよ」

「安心したまえ。そんなことしなくても君が勝つことはない。僕の勝率は100%なのだから」


 キラン、と眼鏡を光らせる三上。

 その様子を見た視聴者たちは盛り上がる。


"またやってるw"

"データキャラ復活だな"

"三上くんの小物感好き"

"ただダゴ助もかませ感強いからいい勝負だなw"

"でもダゴ助ってかなり強いよな? さすがに三上くんの分が悪いんじゃ"

"ダゴ助最近家でダラダラしてるだけだから弱くなってるんじゃ……"

"この前もイカに捕まってたしなw"

"こりゃいい勝負になるかもな"

"楽しみ!"

"酒とつまみ用意した"

"わいもなんか飲み物持ってくるか"


「この勝負で負けた方は、大人しく帰る。勝った方は田中さんのお役に立てるというわけだ」

「ああ、分かってる。安心しな、てめえが帰っても俺がその分リカバリーするからよ」


"バチバチやね"

"暴走してるなあw"

"おもろ"

"もっとやれ!w"

"しょうもないことで喧嘩するなあw"

"男には負けられない戦いがあるんだよ"


「それじゃあ開始する。開始と終了の時間はスマホのタイマーに設定してあるからな。それでは用意……」


 三上とダゴ助は腰を落とし、走る構えを取る。

 この戦いは速度が重要、スタートで勝負が決まると言っても過言ではない。


「「スタート!!」」


 スマホが鳴ると同時に、二人は駆け出す。

 こうして多くの視聴者に見守られながら、二人の喧嘩は幕を開けたのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
こんばんは。 うっかり配信してる…あっ(察し) これ絶対田中さんにまた迷惑かけてしまうパターンだww
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ