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勇者様のお師匠様  作者: ピチ&メル/三丘 洋
第四部

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廃坑道

前半はセリパート/後半が次回への引き。

「本当にすみません! せっかく良くしていただいたのに」


「まあまあ、もういいから。それよりも、本当に行くつもりなのかい? その……エルフの国へ?」


 何度も何度も頭を下げるセリに、『渡り鳥の宿木』亭の主人ランデルは人が良さそうな顔に心配そうな表情を浮かべた。

 エルフの都――世界樹の麓エルナーサ。

 セリはそこへ行きたいという。

 理由を聞くと、重傷を負ったエルフをセリの知人がたまたま助けたことで、セリはそのエルフと知り合うことになった。そしてそのエルフは亡くなったセリの父親とも知り合いだったという。

 彼が言う事には、エルフの里が守ってきた世界樹の若木が、魔物によって滅ぼされてしまい、そのままにしていては大変な事態になる。一刻も早くエルフの都へと行き、エルフたちの王族に当たるハイエルフや大賢者様に伝えねばならないらしい。

 セリはその旅路の手伝いをしたいと言うのだ。

 ランデルは最初、セリがそのエルフの男に一時の気の迷いでも起こしたのかと考えたのだが、セリは横に首を振った。

 

「その人の話では、私の父が生前、祖父と祖母がそこに住んでいると言っていました。父が亡くなったことを伝えに行こうと思います」


 そう答えたセリの目には、ほんの少しだけまだ見ぬ自分の親族に対する期待感のようなものが浮かんでいた。

 無理もない。

 ある日突然、父親と母親を失って天涯孤独の身になったのだ。

 それが遠い地に、祖父母がいると聞いては会いたいと思っても仕方ないのかもしれない。


「でもな……その大丈夫なのかい? うちは冒険者を相手にしている商売だから、その……セリちゃんがエルフの都に入っても……」


 ランデルが心配しているのは、セリの耳が人とは違うことにある。

 ハーフエルフ。

 人とエルフの間に生まれた存在。

 人でもなくエルフでもない彼らは、そのどちらの存在からも排他されている。

 人にもエルフにも馴染めないハーフエルフの多くが、冒険者や傭兵、行商人といった、定住することのない渡り鳥の一生を送る。

『渡り鳥の宿木』亭の人々は冒険者を相手にする事が多いため、ハーフエルフへの忌避感が無い。当然、セリが接している客たちもだ。

 故郷であるドリアの村では幸いな事に、エルフである父の魔法と知識が村の発展に貢献したため、セリは追い出されるようなことは無かった。

 しかし、エルフたちは違う。

 実際にドリアの村が焼かれた際、ただ一人逃げ延びたセリは森の中へと逃げこんでエルフたちに捕まった。

 そして石牢に入れられてしまった。

 あの時ウィンたちが訪れなければ、ずっと石牢に囚われたままになるか、最悪命を落としていたかもしれない。

 エルフがそうまでしてハーフエルフを憎むのは、彼らが生まれてくる理由の多くが、人間の男がエルフの女を襲って生まれてくる不幸な事例による忌み子だからだ。 


 そんな種族感情が満ちた場所へハーフエルフのセリが赴くと言う。

 ランデルが心配するのも無理は無い。

 だが、セリはそんなランデルに笑顔を見せた。


「大丈夫ですよ。リーズベルトさんというエルフの方がご一緒してくださいます。それにアベルさんも同行してくれるますから」


「ああ、親父。俺がいるから、心配いらないさ! 任せておいてくれ!」


 セリの隣で、革鎧に身を包み、まだほとんど使用されていない新品同様の剣を腰に引っさげたアベルが、胸をドンと叩いてみせた。

 魔法と剣を操る歴戦のエルフの戦士リーズベルトと一緒だが、道中の護衛として冒険者も探そうと思っていたセリに、アベルが同行を申し出てくれたのである。

 セリとしても、ハーフエルフに偏見を持たない『渡り鳥の宿木』亭の次男坊で面識のあるアベルなら、特に異論はなくその申し出を喜んで受けた。

 しかし――。


「お前、この間ボロボロになって帰って来たじゃないか……」


「そうだよ、あんたが冒険者だなんて……母さんは信じられないね。ねえ、今からでも遅くないからさ。やめちゃどうだい?」


 ランデルにはアベルが頼りなく映って仕方ないようだ。

 アベルに甘いハンナも、ただ単純に息子が道中危険な目に遭いやしないかと心配でならない。


「大丈夫だって! 親父、おふくろ。俺はあの経験で更にレベルアップしたんだ。冒険者ギルドでも一人前として扱ってもらってる」


「そうか? それならいいんだがなぁ……」


 ランデルは自信に満ちた息子の顔を見て言葉を濁す。

 アベルが出入りしているシムルグ冒険者ギルド東支部は、現在腕利きの者たちがギルドからの特別任務で出払っていると客から聞いた。

 つまり、アベルがその任務に就かずにこの町へいる時点で、色々と察することができるのだが、その事を口に出せないのは親心か。


(親の俺が言うのも何だが、こいつが冒険者として大成することは無いと思うんだが)


 エルフの都エルナーサへは、リヨン王国を抜けてカルシアート王国、エメルディア神殿領を抜けた先にある大森林の中だ。

 長い旅路となる。

 風土の違う外国を旅することは想像以上に過酷なもの。

 ただ、アベルが冒険者となることを反対していたランデルが、なぜアベルがこの旅に同行することを反対しなかったのかについては打算からくる理由があった。

 それは旅の目的が魔物退治といった荒事ではなく、セリを護衛してエルナーサまで送り届けることだからだ。

 旅の道中に野盗や獣、魔物といった危険はあるが、エルフの戦士が同行するようだし、最終的にアベルが冒険者となることに反対しているランデルは、この旅でアベルが冒険者の現実を知って諦めてくれることを期待している。


「いいかい、セリちゃん。気をつけて行ってくるんだぞ? いつ戻ってきてもいいように、ここの中庭にある小屋はちゃんと空けておくから」


「はい、ありがとうございます。ランデルさん」


「まあ、小屋はともかく仕事は無いかもしれないけどね」


 そう言って腕組みをするハンナ。


「まったく、せっかく一人前に働けるようになったっていうのに、また誰か人を雇わなくちゃならないよ……」


 溜息を吐いてハンナはセリの手に小さな袋を握らせた。


「餞別だよ」


 ランデルがちょっと意外そうな顔をしていたが、セリが袋を開けて中身を見た時に顔をほころばせた。

 中には銀貨と金貨も数枚。


「勘違いするんじゃないよ? あんた、最初から思ったよりも仕事ができたからね。見習い期間の時の仕事ぶりを見なおして再計算したら、支払う給料の金額が違っていただけだよ」


「ありがとうございます。ハンナさん」

 

 セリが頭を下げる。

 ランデルが自分を見たことに気がついたらしいハンナは、バツが悪そうに顔を背けた。


「おい、アベル」

 

 ハンナに替わって前に出てきたのはマークだ。 

 子どもたちの頭だった頃とは異なり、父親のランデルのもとでみっちりと料理人として、宿の経営者として仕込まれているマークは、兄の顔つきで弟のアベルを見下ろす。


「な、何だよ……」


 見下されてアベルが一歩後退する。

 実は冒険者をやっているアベルよりも、マークのほうが体格が良い。

 ランデルに似て背丈も高く、また毎日重い鍋を片手で振っているため、二の腕も驚くほどに太かった。

 そして子ども時代から喧嘩では兄に勝てたことがないアベルは、弟に生まれた悲しさで、マークに対してはどうしても譲ってしまうところがあった。


「お前はすぐに調子に乗って無鉄砲なことをするからな。いいか、お前の仕事はセリさんをエルフの国まで送って連れて帰って来ることだ。わかったな?」


「わかってるよ……。あ、兄貴も親父とおふくろの事……頼むな」


 そんな兄弟のやりとりを最後に、もう一度別れの挨拶を済ませると、セリとアベルは『渡り鳥の宿木』亭の人々に見送られてシムルグを後にしたのだった。




 同行者のリーズベルトは、町の中にエルフがいると目立つからという理由でシムルグの門外で待ってもらっていた。

 ここ数日、シムルグのあちらこちらの町角に、衛士たちではなく騎士たちが立っているのを見かける。

 セリとアベルがシムルグを出ようとする際にも、普段以上に厳重に身元を調べられた。

 ハーフエルフであるセリは、特に厳しく身元を調べられたが、セリはきちんと市民税を払ってシムルグの市民権を得ている。

 もちろんアベルに至っては生まれも育ちもシムルグで、更にはシムルグ冒険者ギルドの証明書も持っているため、二人は門の外へと出ることが出きた。


 外壁の外へと出てみれば、貧民街の粗末な小屋と人々に混じって、旅装に身を包んだ商人や冒険者、傭兵といった連中が天幕を張って煮炊きをしていた。

 長旅の埃と垢でまみれた彼らの顔からは、濃い疲労だけでなく苛立ちも見て取れる。何台もの馬車を従えた商隊の代表者が、検問している騎士に食って掛かっている姿も見られた。 


「こんなに厳重に調べられたのは、魔物と戦争をしていた頃以来だぜ? 何があったんだろうな?」


「噂じゃ、辺境で叛乱が起きたって聞いたぜ?」


 どうやら外で天幕を張っている者たちは、検問待ちの者たちのようだった。

 物乞いをする貧民街の住民を追い払いながら、旅人同士、それぞれの持つ情報を交換しあっていた。

 そんな彼らの間を縫うようにして、セリとアベルは急いで歩いた。

 やっと到着したにも関わらず、通してもらえない町の門から出てきた若くて綺麗な娘。

 町に入れず女日照りの続く冒険者や傭兵といった荒くれ者たちが、セリに舐めるような視線を送ってきた。

 ぎらつく彼らの視線にさらされ続けたため、ようやく待っていたリーズベルトと合流した時、セリもアベルも心底ホッとしたものだ。

 リーズベルトはフードでエルフ族の特徴である長い耳を隠し、身体を旅装用の外套で見を包んでいたが、身に纏っている気配は只者ではない。

 セリがリーズベルトと合流したことで、彼女に下卑た視線を送っていた者たちは舌打ちをして諦めた。

 まだ町に入れないとはいえ、いずれは中に入れる時が来る。

 ここで明らかに腕が立つと思われる者と喧嘩をした所で、彼らに利益はない。

 三人はシムルグに背を向けて歩き出した。

 

『本当に良かったのか?』


 歩き出してすぐにリーズベルトのエルフ族特有の薄い水色の目が、セリの目を真っ直ぐに見て言った。 


『はい。私も一度、お父さんの生まれた町を見てみたいと思っていましたから』


『そうか』


『リーズベルトさんこそ、怪我の方は大丈夫なんですか?』


『もうほとんど問題ない。心配するな――と言いたいが、戦闘の方はそちらの彼にも頑張って貰う必要があるだろうな』


 リーズベルトが負った背中と右腕の裂傷はもう塞がっているが、筋肉を動かせばまだ引き攣るような違和感を覚える。

 折れた左腕は副え木で固定しているままだ。

 骨がくっついたとしても、衰えた左腕の筋肉が元に戻るまでは更に時間が掛かる。それまでは右腕一本で戦わねばならない。

 最も、卓越した剣士で魔導師でもあるリーズベルトなら、並の野盗やゴブリン程度の妖魔ならいくらでも蹴散らす自信はあったが。


 リーズベルトは自由の利かない左腕に目線を落として顔をしかめると、先程からエルフ語で会話しているため話しについていけずに何とも困ったような顔をしているアベルに目を向けた。

 セリが人の言葉でリーズベルトの言葉を伝えると、彼はぱっと顔を輝かせた。そして張り切って腰に帯びている剣に手を当てた。

 何とも感情が読みやすい青年だった。

 そんな無邪気な人の若者を見ていて、リーズベルトは部下だった里の若者たちを思い出す。

 瘴気を身に纏った骸骨の魔族。

 圧倒的な力の前に蹂躙され、無念にも殺されてしまった。

 リーズベルトは一度目をきつく閉じてまた開くと、力強い足取りでセリとアベルの前を先行して歩いた。


(急がねばならない)


 里が守ってきた世界樹の若木は、半死半生となったリーズベルトの目の前で爆ぜるように枯れ砕け散った。

 大地に張り巡らされた世界樹の根から生えた世界樹の若木は、この世界に新しい精霊と魔力を供給している。

 魔族が何を企図して世界樹を枯死させたのかは分からないが、世界樹の若木を失ったまま放っておけば、周辺の森と生命がやがて狂いだし、瘴気に冒された植物と魔物の住む森となってしまう。

 そうなる前にエルフの都に行って、エルフ族の貴種であるハイエルフ、そして大賢者ティアラ・スキュルス・ヴェルファへと伝える必要があった。

 セリの聞いてきた情報では、勇者メイヴィスも通り道であるリヨン王国に向かっているという。

 勇者にもこの事態を伝えておきたい。

 魔族が絡んでいるのならば、勇者の力もまた必要となる可能性が高い。


『まったく……《門》が使えれば楽なのにな……』


『え?』


『何でもない。独り言だよ……』


《門》とは世界樹の若木に施されている転移魔法の一種だ。世界樹と世界樹の若木が互いに根で繋がっているのを利用して、一瞬で《門》から《門》へと転移することが出来る。

 同朋の他の里とも《門》を利用して往来していたため、里の若木が無くなった今、他の里の位置がわからず人の道を行かねばならないことも痛恨の極みだった。

 エルフ語しか出来ないリーズベルトでは、人の里で宿や食糧を求めることにも不自由してしまう。だから、後ろから付いてくるセリと出会えて本当に幸運だった。

 人の言葉とエルフの言葉を操るセリがいたおかげで、里と同胞だけでなく、所有していた物全てを失ったリーズベルトは、人の町で旅に必要な物などを買い揃えることが出来た。

 情けない話だが、エルナーサかもしくは同胞の里を見つけるまでは、恐らく路銀等もセリに頼ることになる。


(ならば、私も彼女の事を全力で守らなければならないな)


 エルフ族はハーフエルフを忌み嫌う。

 エルフの都エルナーサに着いた時、セリはその現実を目の当たりにするかもしれない。

 だが、そういった悪意からリーズベルトはセリのことを必ず守ってみせると心に誓うのだった。



 ◇◆◇◆◇



 カビと湿った土の臭いが混じりあった独特の空気も、やがて鼻が慣れてしまったのか徐々に気にならなくなっていく。

 廃坑道内は背丈のあるオールトとウェッジの二人が立っても、十分余裕を持って歩ける程度の高さがあった。

 横幅も大人五~六人が並んで歩けるほどに広い。

 ただ、岩盤の弱い場所を支えている木材で作られた支保抗が、長い年月を経たせいで腐食して亀裂が走っていたり、折れていたりしていて、十分に注意をして一行は廃坑道内を進んでいた。 


 ウィンは山道を登ってきた時と同様に、パーティーの最後尾を歩いている。

 違うのは山道では一列で歩いていたが、今は隣にレティシアが歩いているところか。 

 明かりは《光源魔法》を付与した棒切れだ。ウィンもレティシアに魔法の明かりを付与してもらっていた。

 《光源魔法》は初歩的な魔法の一つで、騎士であればほぼ誰でも使えるが、松明を使用しないのは、極稀に燃える空気と反応して大爆発を起こすことがあるからだ。


 昨夜の野営をした時にもう判明していたことだったが、幸いな事にこの廃坑道がゴブリンやコボルトといった妖魔、熊などの獣の巣穴になってはいなかった。

《光源魔法》が照らしだす廃坑道内では、天井にぶら下がっているコウモリたちが、突然の闖入者に迷惑そうに時折羽ばたくくらいで、動くものは見られない。

 だが、コウモリたちを餌食にする毒蛇などはいるかもしれないし、廃坑道の出入口がここだけではないため、別の場所に魔物が巣食っている可能性もある。

 ウィンは油断なく、足下を明かりで照らして歩いた。


「うう……気持ち悪いな~」


「そうですか? コウモリって、よく見ると可愛らしい顔をしていますよ?」


 パーティーの真ん中を歩いているコーネリアとリーノがそんな会話をしている。

 

「なんでこいつら逆さまにぶら下がってんの~? なんでこんなに固まってんのよ~」


 嫌そうに小声で呟いているリーノ。


「奥に行けばいなくなる。それまでの辛抱だ」


 ウィンたちの前を歩くウェッジが言うと、彼女は肩を落としてコーネリアが抱えている鳥籠に目を向けた。


「……はあ、あいつらに比べて、同じちっこさでもあんたは可愛らしいのにね~?」


 コーネリアだけは《光源魔法》が付与された棒切れを持たずに、金糸雀の入れられた鳥かごを持って歩いていた。

 常時さえずっている金糸雀は、異常を察すると鳴き止むことを、遺跡や人跡未踏地の探索を生業にしてきたオールトたちは知っていたので、エルツの冒険者ギルドで買い求めたのだ。

 コーネリアが金糸雀を抱えているのは、いざ魔物と遭遇した際にも、彼女が積極的に前に出ることが無いためだ。また、金糸雀の籠に《静寂》の魔法を掛けて鳴き声を消すことも出来る。

 堀跡も生々しい岩壁に八人の人影がゆらゆらと揺れる。

 染み出した地下水で濡れた岩壁が、てらてらと光っていた。

 台車のために敷設された木板に沿って奥へと廃行動の奥へと進んでいくと、やがて下り坂が続くようになり、枝道なども現れるようになった。

 ふと振り返ってみると、当然のことながらウィンの持つ《光源魔法》で照らしだされる範囲の外は暗闇に閉ざされていて、ウィンは深淵の中へ引きずり込まれそうな感覚を覚えた。

 

「前方にちょっと開けた場所があるみたいっすよ」


 先頭を歩くルイスの声が聞こえた。


「そうか。その辺りで軽く食事休憩でも取るか」


 オールトが言うと、全員が一斉に溜息を吐いた。

 ウィンとレティシアも、互いに溜息を吐いた後で顔を見合わせて笑い合う。


「思ってた以上に疲れるね」


「空や周囲の景色が見えないってことが、どれだけ精神的に疲れるかよくわかったよ」


 ウィンが首を回して言うと、レティシアは頷いた。

 それからレティシアが地図の写しを取り出した。

 ウィンが《光源魔法》でレティシアの手元を照らす。


「地図を見ると、開けた場所ってここかな? 此処から先はどんどん下ってるみたいだね」


「今のところ魔物とも出会わないし、このまま順調に抜けたいね」


 だが、そのウィンの願望はわずか数秒後に破られることになる。

 狭い廃坑道内に、先を歩くルイスとロックの注意を呼びかける鋭い声が反響し、ウィンとレティシアは急いで先を行く仲間たちの下へと駆けつけるのだった。


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