二百回
「いきなりのメタ発言で恐縮ですが、祝・更新二百回目です!」
<うん、グダグダながらよくここまで続いたもんだと思うよ。途中僕の転勤であわや終了かという気配もあったけどね>
「とりあえず会話してみたつもりが……ノリって恐いですね。だいたいネタ出しから執筆完了まで一話に平均一時間使っているとして」
<やめろ。そういう計算はなんかモヤモヤした気分になる。それだけ時間があったら他にどんなことができたかとか考えてしまう>
「資格の一つくらいは確実に取れたと思います」
<いいんだよ。僕らの会話は僕らのためにあるんだし、少しでも誰かの一日の癒しになってるんだとしたら、それでいいの>
「自己満足に他人を差し挟んでくるあたりが卑しいです」
<うるさい>
「ともあれ、二百回のお祝いをしなければなりませんね。百回の時は特になにもできませんでしたし、今日は無礼講、千文字程度に収まれば何をしてもありということにしましょう」
<わりといつもそんな感じだろ>
「いえ、今日だけはあなたをワープさせることもできたりします」
<ホントになんでもありか。ストーリーの本筋が台無しになるだろ>
「元々あってないようなストーリーですから問題ありません」
<あるよ。ストーリーも問題も>
「お目こぼしください。今日だけは本編が関係のない、メタ世界での会話なのです」
「都合いいなぁ。あ、ワープした」
「お久しぶりです。本編的には」
「本編的にはとか言うな。メタ世界では毎日あってるって設定なのか」
「なんだか懐かしいですね、連載当初のノリっぽくて。さあ、お祝いしましょう。ケーキを錬成しました」
「錬成するな」
「ふふ、これが二百回更新の力です。メタネタ、オマージュ、ストーリー無視……今の私たちはありとあらゆる禁忌に手を出すことができるのです」
「いや、それは見てくれる人の裁量次第じゃないかな」
「あなたも今ならなんでもできますよ」
「ホントに? ヒロイン変更も?」
「それはダメです」
「結局全て君の都合で回ってるよね」
「他にもやりたいこといろいろあるでしょう? 透明人間になって私にイタズラしてもいいですし、時間停止して私にイタズラしてもいいですし、触手生物になって私にイタズラしてもいいです」
「選択肢が無数にあるように見えて『君の接待をする』一択な気がする。レーティング無視はさすがに許されない」
「確かに、それは五百回更新レベルの力が必要ですね」
「何回更新してもダメだよ」
「ではこうしましょう。五百回更新を達成した暁には、ノクターンに濡れ場を」
「ダメだよ」




