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1966/2024

Rubbing Massage

 あまりにボディタッチを意識するあまり、変な夢を見てしまった気がする。今朝はあまり寝覚めがよくなかった上に、あちこち寝汗でびっしょりで気持ち悪かった。なぜか弟も目の下にクマができていた。




「主任、コーヒーどうぞ」


「ああ、入れてくれたの? ありがとう」


「どういたしまして。デスクワークは疲れますからね」


「ああ、ホント。最近疲れ目が酷くなった気がする。前はこんなことなかったんだけど、歳かな」


「まだ三十手前でそんなこと言ってたら課長が怒りますよ」


「はは……だね」


「あの、歳ではないと思いますけど、肩凝ったりしてませんか? よければ、その、おも、お揉みしますよ?」


「ああ、僕あんまり肩は凝らないほうなんだよね。だからいいや」


「そ、そう遠慮なさらず」


「大丈夫。凝ってないときに揉むと逆に凝りそうだし」


「で、でしたら、目、疲れてるんですよね? お揉みしますよ」


「怖いよ。他人に眼球揉まれるとか恐怖でしかないよ」


「潰さないように気をつけますから」


「大前提だろう。というか疲れ目だからって眼球揉むのはよくないらしいよ。将来的に網膜剥離する可能性があるとか」


「もうなんでもいいのでどこか凝ってませんか? お揉みしますよ?」


「なぜそんな執拗に僕の体を揉みたがる」


「あ、あー、最近マッサージにハマってまして、誰か凝ってる人で試してみたいなー、なんて……なんて……」


「だったら課長とか部長のほうが向いてるんじゃない?」


「え、いや、あの、そういうおっさんの体は揉みたくないです」


「そういうおっさんの体」


「もっと若々しくてみずみずしい体を揉みたいんですよ」


「言い方言い方。それだと君が僕の体に興味あるように聞こえて怖いんだけど」


「そ、そうですねアハハ。あ。ぎゃ、逆に主任がわたしをマッサージするというのはどうでしょう?」


「なんか逆にの一言で立場が逆転した……。尾先さん肩凝ってるの?」


「もう体全体凝ってますよ。最近ストレス溜まること多くて……」


「そうなんだ。え、肩だけじゃなくて?」


「はい、そこのソファに寝転ぶので、馬乗りになって好きなところ揉んでください」


「いや、さすがに馬乗りにはなれない。とりあえず肩からいくよ」


「は、はい。んぎっ」


「痛かったら言ってね」


「ぜ、全然痛くないのでもっと強く、強くシテください。あう」


「なんかあんまり凝ってる感じしないな……」


「んん、もっと、もっと下の方もお願いします」


「これ後で僕が奥さんと揉めるやつじゃないかな……」




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