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1952/2024

Continuous Temptation

 あのヤリチンブラザーが言うに、誘惑のコツはたたみかけることだという。




「尾先さん、なんか今日いつもと違うね」


「……はい? どこがですか?」


「いや、なんか派手というかなんというか」


「派手?」


「いや派手とも少し違うんだけど、露出度が高め? ぶっちゃけ言ってスカート丈短くない……?」


「っもー! 主任ってばどこ見てるんですか-!」


「イテッ」


「確かに今日はいつもより少し短めの膝上丈ですけどー、そんなとこに気づかれてただなんて」


「少し? いやそれかがんだら下着見えちゃわない……?」


「やーさすがにそこまで短くないと思います。でも確かに不安はありますね。確認してもらえます?」


「しないしないしない! かがもうとするな! というか会社にそんな危うい格好してくるな!」


「なんでですか。こっちのほうが男性社員の士気も上がりません?」


「上がらないよ! みんな集中できなくなるだけだよ! というか君のせいで今日は心なしか僕らに目を向けてくる社員が多いよ!」


「うち、女性社員自体少ないですし、スーツはスラックスが多いですからね。そんななかこんなセクシーな同僚とランチできるなんて主任ってばラッキー」


「セクシーて。立場的にアンラッキー極まりないよ。また部長と課長になんか言われるし、彼女が知ったらなんて言うか……」


「主任、奥さんにゾッコン過ぎるから舐められるんでは?」


「ぐへぇ」


「ここはわたしにお昼ご飯アーンされてる写真でも送りつけて、少し焦らせてあげればいいじゃないですか」


「妊娠中だぞなに考えてんだって感じだな」


「そ、そうでしたね」


「将来的に生まれた息子に殺されそう」


「ギリシャ神話みたいで素敵ですね」


「適当な感想だな。なんなの? アフターファイブにそのままデートでも行くつもりなの?」


「主任がいいならそれもありですね」


「いいわけないだろ! 誘ったんじゃなくて他の人と行くのかって聞いたんだよ! あ、もしかしてこないだ相談に乗った人と上手くいったとか?」


「いーえー、その人はいま頑張って落とそうとしてる最中ですよー」


「そっか。そういうことなら短いスカートもありなのかな。ガンバ!」


「…………」





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