表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1944/2024

Perfect Reason

 誰かが誰かを好きになる理由というのはよくわからない。自分が誰かを好きになる理由すらはっきりしないのに、そんなものわかるわけがない。





「そういえばわたし、主任から散々奥さんの話聞いてますけど、肝心の奥さんご本人を見たことないです」


「ああ、知らなくていいよ。どこにでもいる普通の人だから」


「あれだけ話しといて今さらなに言ってるんですか。後学のために知っておきたいです。主任のようなタイプの男性はどのような人を好きになるのか」


「知ってどうする野次馬が。そんなに知りたかったらみんなに聞けば? 見たことある人何人かいるし」


「他の人には既に調査済みです。いわくおっぱいが大きいと」


「……他には?」


「皆さん口を揃えてそれしか言いません」


「あいつらそんなんだからモテないんだよ。人間ああはなりたくないもんだね」


「皆さんの前で言ったら村八分必至な発言ですね。あと性格がキツそうだった、とは聞きました」


「は、確かに僕以外の人には冷たいからね、彼女」


「なんでめっちゃドヤ顔なんですか。ここまで知ってたらもう写真見せくれてもいいでしょう」


「そこまで知ってたらもう写真見なくていいじゃん」


「見せてくださいよぉ」


「やだ」


「ちょっとだけ。ホントにちょっとだけでいいですから」


「……一瞬だけだぞ。ほら」


「へぇー」


「おい、なにスマホかざしてる。あ! 録画!」


「情報入手完了しました」


「こいつ……! それ絶対他のやつに見せるなよ! もし出回ったら真っ先に君を疑うからな!」


「はーい……おっぱいホントに大きいですね」


「感想一言目にそれか。いやみんなそう言うけど。そんなに大きいかな」


「妊娠中のお腹より飛び出てないですか?」


「具体的に形容しなくていい」


「男の人って結局そこなんですねぇ……」


「テンションダダ下がりだな。そこじゃないよ別に。多くの男はそこしか見ないかもしれないけど、僕は違うんだよ」


「自分で言わないでくださいよ。じゃあ奥さんのどんなとこが好きなんです?」


「全部」


「で、でたー、特定の特徴を理由にすると後々面倒になりそうだからとりあえず惚気奴ー」


「なに言ってんだ」


「きっかけは? 好きになったきっかけはなんですか?」


「なんでそんな必死なんだよ。きっかけなんて忘れたよ。まぁ縁が重なったというかね、川のそばで二人して喋ってたら、いつの間にか結婚して子供までできてた」


「つまり主任と喋ってたらわたしにもチャンスが来るってことですか?」


「僕は恋愛成就の御神体かなんかではない」






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ