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1940/2024

Reduce Burden

 主任の奥さんはどうも変わり者らしい。主任から彼女の話を聞くにつけ、少しズレている印象を受ける。主任はそういうのが好みなんだろうか。




「マヨネーズとオムレツって、あんまり合わないですね」


「だよね。僕も何度もケチャップにしてくれって言ってるんだけど、よほど機嫌のいい日でないとケチャップにしてくれない」


「機嫌で決まるんですね……。わたしは断然ケチャップ派」


「うん、まともな人類はみんなケチャップ派なんだよ」


「奥さんマヨネーズ好きなんですか?」


「大好きだね。悪阻のときでもマヨネーズだけは嫌いにならなかった、なぜか」


「へー……。そういえばお子さん、もうすぐ産まれるんですよね」


「あと二ヶ月くらいかな」


「そしたら主任もお父さんですか」


「お父さんだねぇ。正直自分が親になるなんて想像もしてなかったけどさ」


「主任は良いお父さんになれますよ。面倒見いいですし、新入社員のわたしに対して、とか」


「普通だよ」


「……普通ですか」


「それに新人教育と子育ては全然違うでしょ。赤ん坊は尾先さんほど物分かりよくないだろうしね」


「さすがに赤ちゃんと比較されるのはちょっと……」


「君が言い出したんだろう」


「でも奥さん、妊娠中なのによくお弁当作ってくれますよね。けっこう大変なのに」


「ホントにね。それだけ愛を感じる」


「部下の前で惚気るのやめてもらえます? なんらかのハラスメントで訴えますよ」


「なにハラスメントになるんだ。最近はとにかく他人の気分を害したらなんでもハラスメントになっちゃう風潮だけども」


「あの……もし良ければ明日からわたしが主任の分も作ってきましょうか? そしたら奥さんの負担も減るんじゃないでしょうか」


「それはさすがに悪いよ。たぶん提案しても彼女はダメだって言うと思うし」


「適当に理由付けたらいいじゃないですか。君の負担になりたくないから今日から外で食べるよーとかなんとか」


「なんで嘘までつかなきゃいけないんだ。バレたら僕がコロされるような提案はやめてくれ」


「やっぱり厳しいんですね、そのへんは」


「もし受け入れられても昼食のレシート提出が義務付けられそう」


「出張ですか」






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