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114/2024

冒頭文

「冒頭文を復活させましょう」


「また唐突だね。あれっていらないから捨てたんじゃなかったっけ。何かあったの?」


「実は昨日腹を切るような気持ちで過去話を読み返してみたら、問題に気づきました」


「読み返すのにそんな苦痛を感じること自体が既に問題な気がする」


「携帯で読む場合に限るんですが、冒頭文がないと話の続きを読んでるのか次話を読んでるのかわからなくなるんですよ。区切りがないせいで」


「なるほど。そこは配慮しないとね」


「早くスマホに買い替えていただきたい。未だにガラケーとか時代遅れもいいところです」


「読者側に配慮を求めるな。そもそもこの会話自体ガラケーで書かれてるから人のこと全く言えないし」


「ともあれ、冒頭文です。今のままだと若干唐突な気もしますし、何か当たり障りのないものを考えなければ」


「前使ってたやつと同じでいいんじゃない?」


「『コタツの中で足を温め……』ってやつですか。あれだと一日の終わりに時間が絞られちゃうんです。昼間にも更新できたほうがいいでしょう? そこでどんな状況でも使えそうな冒頭文をいくつか考えてみました」


「嫌な予感しかしない」


「候補その一『今日も彼と彼女はラブラブチュッチュ――」


「却下。当たり障りがないの意味わかってる? それ読んだ瞬間バックするか閉じるから。それか画面を殴るから」


「結構イケてると思ったんですが……。では候補その二、『さあ〜はじまるざますよ。いくでがんす――」


「パクるな」


「オマージュです」


「同じだ。そのイントロ拝借され過ぎてもはや何が元ネタだったかわからなくなりつつあるんだよ。だいたい二人しかいないのに四人分のセリフなんて悲しいだけだろ」


「憧れてたんですけど……。では候補その三、『

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆\(^_^)(^_^)/☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆毎日更新、千文字会話☆☆☆☆☆☆☆☆☆

(*^o^)/\(^-^*)SENMOJI of Everyday.(*^o^)/\(^-^*)

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆毎日更新、千文字会話☆☆☆☆☆☆☆☆☆

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆o(^-^o)(o^-^)o☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

』」


「うざっ! くどっ! もう文章じゃないしこれ。なんなんだよセンモジオブエブリデイって。記号とか顔文字とか地雷でしかないからやめろ」


「注文多いですね。考えるの結構大変なんですよ?」


「その言葉はもう少し真面目に考えてから言え。もう状況ごとにいくつかパターン用意すればいいんじゃない? オールマイティーなの作ろうとするからだめなんだよ」


「なるほど。朝用とか昼用とか土手用とか家用とか」


「そうそう」


「事後用とか」


「それはいらない」

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