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異世界の聖女は何をする?  作者: 笛伊豆
第四章 聖女、友達が出来る

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54.面白そうだな

 仕方がないので一人一人自己紹介と趣味や興味のある分野について申告することにする。

 年上からということでまずナオが名乗り出た。

「本状奈央よ。

 ナオでいいわ。

 夜間中学は今年卒業して今は専門学校の生徒」

 レスリーがいるので最初から自己紹介する。

「レスリー・ハモンドです。

 今年入学です。

 よろしくお願いします」

「こちらこそ」

 レスリーもナオも堂々としたものだった。

 似たもの同士なのかもしれない。

 得体が知れないという点で。

「田島佐里だけど本名はサリエラ・田島。

 サリで」

「はい」

「私は隣塚燐。

 リンね。

 高認目指しているプータローって、判る?」

「浪人ですか?」

「違うけど、似たようなものかも」

 この辺はいい加減になった。

 レスリーとは同級生(クラスメイト)だし。

「明智玲奈。

 レイナで」

「よろしくお願いします」

 レスリーがなぜか真面目な表情になった。

 それから。

「レスリー・ハモンドです。

 国籍は英国です」

 それだけで口を閉ざす。

 変な沈黙の後、リンが言った。

「何かぎこちないなあ。

 とりあえず一問一答ごっこしない?」

 何だそれは。

「順番に誰かが質問するの。

 本人を含めて全員がそれに答える。

 誤魔化すのはいいけど嘘はなしで」

「ああ、なるほど。

 本当の事は言わなくてもいいけど嘘は駄目ということね」

 ナオが切れるところをみせた。

「いいんじゃない?」

「面白そうだな」

「私もいいですよ」

 みんながレイナの方を見るので頷いてみせた。

「よし!

 ではまずトップバッターとして私が」

 リンがなぜか張り切っていた。

「質問です!

 みんなの趣味は何?

 ちなみに私の趣味はカラオケです」

 堂々と述べるリン。

「何でも質問して」

「それじゃあ。

 得意分野は何?」

 サリが適当に聞くとリンは胸を張った。

「アイドル歌謡とアニソンです!

 それ以外は駄目です」

「そうなの」

 アイドルは判らないけどアニソンなら、とレイナが思った途端にリンが言った。

「はい!

 では次の人、ナオさん!

 趣味は?」

「趣味……と言えるかどうか。

 強いて言えば洋楽かな」

「えー。

 ナオさん音楽が趣味なの?」

「うん。

 と言っても楽器は弾けないし歌も下手だから聴く方オンリー」

「洋楽と言っても色々あるけど分野は?」

「古いロックとか初期のプログレとかかな。

 あまり拘らない。

 そもそも聴き始めた動機は英語に慣れたいということだったし」

 何と。

 勉強の一環だったらしい。

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