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異世界の聖女は何をする?  作者: 笛伊豆
第十四章 聖女、社会の真実を知る

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187.これ、作ったの?

 リンは浪人? して来年度中の高認合格を目指す。

 既に大半の科目は合格しているので頑張れば何とかなりそう。

「問題は数学だな」

「後は?」

「地理と歴史」

「……まあ、頑張れ」

 サリが顔を背けながら言った。

 レイナにしてみれば前者はともかく後者は難易度が高すぎる気がする。

 ひたすら暗記って。

 レイナ自身は受かってしまったのだが。

 絶対に聖力のせいで。

 全員がその話題を避けたために暗い話はそこまでになった。

 それからみんなでカラオケに行き、3時間歌った後に解散。

 レイナが帰宅してシャワーを浴びてまったりしているとシンから連絡が入っていた。

 早速折り返す。

「何?」

『卒業祝いしてたんだって?

 おめでとう』

「ありがとう。

 何かよく判らないうちに終わったような」

『で、これからの事を打ち合わせしたいんだけど。

 今日は空いてる?』

「がら空き」

『じゃあ夕食をご馳走するから』

「判った。

 行く」

 話って何だろう?

 まあ、あの件しかないけど。

 夕方までまったりしてからシンの部屋に行くとリビングにご馳走が並んでいた。

「これ、作ったの?」

「デリバリーだよ。

 さすがに宴会料理を作れるほどのスキルはないから」

 それにしても量が多い。

 もっともよく見ると普通の食事というよりはオードブルとか惣菜の類いばかりだった。

「こんなに食べられないけど」

「こういうのって4人前以上しかないんだよ。

 色々と種類を揃えたらこうなった」

 まあ、余ったら冷凍して明日のご飯にするから、とシン。

 大金を稼いでこんなマンションに住んで高級車をポンと買う割には生活が庶民的だ。

 性格だろうか。

 レイナとしてはどうでもいいが。

 ミルガンテに比べたら日本(こっち)の庶民の生活って王侯貴族より上だし。

 向かい合って坐るとシンが言った。

「では早速。

 レイナ、卒業おめでとう」

「ありがとう。

 実感ないけど」

 乾杯する。

 シンはビールだがレイナはオレンジジュースだ。

「それでも日本の学歴が出来たというのは大きいよ。

 しかも高認取って大学進学の準備も出来た。

 これで立場が作れたということで」

 そうなのか。

「私としては何も変わらないけど」

「他人から見たら違うんだよ。

 日本の大学に進学する予定です、と言えるでしょ。

 高認取れたのが大きい」

「ああ、そうか」

「うん。

 何かあったときとか人に紹介されるときに全然違ってくる。

 日本、というより社会ってそういうものだから」

 よく判る。

 ミルガンテでもそうだったけど、人間はどこかの集団や組織に所属していないと身分が確定しない。

 というよりは信用がない。

 他者からみたらそれはつまりストレートに警戒対象だ。

 特にレイナは容姿からして初見では外国人以外の何物でもないから異分子として扱われる。

 シンが保護者ということになっているけど、そうしたら今度は愛人とか人身売買的な疑惑が出てきそう。

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